ものづくり補助金平成26年度農業、林業熊本県

農業生産管理を一元化するシステムを構築し、産地ブランド化を確立

株式会社Sora

この事例のポイント

  • 農産物の糖度を、果実を切らずに測る手段が必要だった。
  • 現状の選果機の片側に糖度センサーを1台増設し、2台ある選果カメラのうち片側を制御なしに設定して糖度のみを測定する体制にした。
  • 非破壊の糖度測定により高糖度トマトとして顧客の期待に見合う付加価値を提供できるようになり、顧客から食味のばらつきがなく安心して購入できると評価を得た。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社Sora
所在地熊本県 八代市
業種農業
従業員数89人
資本金600万円
設立2013年

事業の背景

当社はグループ内5社の農業生産法人に加え、八代ひかり出荷組合や各作物の部会、鹿児島で収穫した農産物を集荷し、選果してグループ会社を通じて全国へ出荷している。顧客の期待に見合う付加価値の提供に取り組んできたが、選果と販売管理の仕組みが追いついていなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度農産物の糖度を、果実を切らずに測る手段が必要だった。
  • 人手・技能販売管理が手書きや計算に頼り非効率で、営業面と受注面で業務の効率化が図れなかった。

やったこと

現状の選果機の片側に糖度センサーを1台増設し、2台ある選果カメラのうち片側を制御なしに設定して糖度のみを測定する体制にした。糖度センサーは果実を切ったり絞ったりせず、そのままサンプルステージに当てるだけで糖度を測れる非破壊方式である。あわせて一元管理システムを導入し、発注から出荷までを簡略化・スピード化した。販売管理はタブレットを使う標準化された業務に切り替えた。

事業の効果

非破壊の糖度測定により高糖度トマトとして顧客の期待に見合う付加価値を提供できるようになり、顧客から食味のばらつきがなく安心して購入できると評価を得た。一元管理システムにより発注から出荷までが簡略化・スピード化され、顧客との連携が密になって受発注のロスやミスが減った。その結果、加工用トマトの受注が増え、販売管理も標準化されて営業と受注の流れがスムーズになり販売力が強化された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    農産物の生産から出荷までを行う事業で、糖度センサー導入と販売管理の効率化が高糖度トマトのブランド化という方向にあることは読み取れるが、過去の取組との関係は書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客から「食味のばらつきがなく、安心して購入できる」と評価を得たとあり、強みは読み取れるが、市場動向や競合との比較は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    選果機に糖度センサーを1台増設し、一元管理で発注から出荷を簡略化、受発注のロス・ミス削減という課題への対応が具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの具体的な目標値は書かれておらず、高糖度トマトの生産量増加と安定供給を目指すという方向性のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    グループ5社と複数の部会を束ねて集荷・選果・出荷を行っている体制は読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高糖度トマトとして顧客の期待に見合う付加価値を提供し、食味のばらつきがない点が顧客評価として挙げられ、選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    補助事業終了後1年間の市場調査と、2年目からの産地ごとのデータ蓄積という段階的な進め方が書かれているが、詳細なスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高糖度トマトのブランド化を目指すとあるが、ジャンルの普及度や同分野での高価格化の水準は具体的に書かれていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    加工用トマトの受注増や地域プランド化による生産者の安定収入確保への貢献が書かれており、波及効果はうかがえる。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は書かれておらず、費用対効果はわずかにうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献4

    糖度センサーによる非破壊選別のデータを一元管理システムに取り込み、顧客画面に栽培記録を開示するネットワークを構築する計画が具体的に書かれている。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    農業分野での高付加価値化による収益性向上の方向はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    八代や鹿児島の産地を活かして高糖度トマトを全国へ出荷し、産地ごとの生産データで地域ブランド化を目指す点が具体的に書かれている。

今後の展望

今後は非破壊糖度センサーの産地選別データを一元管理システムに取り込み、生産管理と栽培記録を顧客の注文画面に開示して商品の品質情報を確認できるようにする。トレーサビリティを充実させ、4年目以降も商圏の拡大を図る。高糖度トマトの生産量を増やし、安定供給と地域ブランド化を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。