ものづくり補助金平成26年度製造業大分県

銘木杉一枚板の生産と最終商品化に向けた仕上げ工程の改良

佐藤製材株式会社

成果生産リードタイムで7割の短縮

この事例のポイント

  • 元産の銘木杉を一枚板として仕上げる高度な素地研磨加工ができず、内装材など高単価の製品を内製化できなかった。
  • 自動一面鉋盤とワイドベルトサンダーの2機を導入し、最大600ミリ幅の木材の表面加工と高度な素地研磨加工を可能にした。
  • 生産リードタイムで7割の短縮。機械導入により、外部の製材所で機械を借りる必要がなくなり、運搬の労力や時間が大幅に減少した。

事業者のプロフィール

事業者名佐藤製材株式会社
所在地大分県 日田市
業種木材・木製品製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数6人
資本金1,000万円
設立1953年

事業の背景

佐藤製材株式会社は日田杉を中心に日田近隣の木材を製材する会社で、昭和28年に設立された。住宅建設での木材需要が減り、特に和室の柱など高単価な木材の使用も減少した。地元の小規模工場として生き残るため、高単価で需要が期待できるDIYやリフォーム市場への転換を図る必要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術元産の銘木杉を一枚板として仕上げる高度な素地研磨加工ができず、内装材など高単価の製品を内製化できなかった。
  • 生産能力300ミリ幅以上の木材を加工するには、設備の整った製材所へ行って機械を借りる必要があり、運搬の労力や時間の面で効率が悪かった。
  • 販路・情報発信これまでBtoBのみであった木材商材を、一般消費者に近いDIYやリフォーム市場の商品へ転換する必要があった。

やったこと

自動一面鉋盤とワイドベルトサンダーの2機を導入し、最大600ミリ幅の木材の表面加工と高度な素地研磨加工を可能にした。天然乾燥させた杉を、注文ごとに一枚ずつ加工して一枚板を生産する体制とした。これにより、テーブルの天板や床板など高単価の製品を内製化できるようになった。

加工機自動一面鉋盤
加工機ワイドベルトサンダー

新しい製品・サービス:600ミリ幅の木材を研磨加工でき、テーブルの天板や床板などフローリングや内装に使う高価格な一枚板

事業の効果

  • 生産リードタイムで7割の短縮
  • 従来比15%ダウンを達成

機械導入により、外部の製材所で機械を借りる必要がなくなり、運搬の労力や時間が大幅に減少した。生産リードタイムは7割短縮され、作業効率が飛躍的に向上した。内製化によって生産コストは従来比15%削減され、注文ごとに加工するため余分な商品の保管コストも減った。今後は内装材の生産が可能になり、業者向け住宅用木材の平均販売単価の上昇や、楽天市場での販売による新たな購入者層の開拓が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    地元の小規模工場として生き残るため、BtoBからDIY・リフォーム向けへ転換する必要性を感じたと記述があるが、過去の取組との一貫性までは読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    住宅用木材の需要減少とDIY・リフォーム市場の拡大を踏まえ、天然乾燥の銘木杉と高度な素地研磨加工を強みとして打ち出している。

  • 課題の認識と解決4

    課題は木材需要の縮小と低単価からの脱却で、内製化により生産コスト15%減や生産リードタイム7割短縮という効果が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    コスト15%ダウンやリードタイム7割短縮の実績は示されるが、将来の付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社員数6名の小規模企業であることはうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    天然乾燥による耐久性や色・艶を強みに、600ミリ幅の内装材を用途別に展開し、楽天市場で新たな購入者層を狙うと記述されている。

  • 事業化までの道筋3

    楽天市場での販売活用や内装材の展開方針は書かれているが、導入スケジュールや課題解決の具体的手順は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    一枚板は一般的な製品だが、600ミリ幅の高度な素地研磨で高単価な内装材を内製化する点は同分野での差別化として読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地元の小規模工場の生き残りという地域的な意義はうかがえるが、経済波及や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果4

    機械導入によりリードタイム7割短縮、生産コスト15%ダウン、保管コストの削減という費用対効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    日田杉という地元産材を活かした高付加価値の内装材を生産する点は読み取れるが、地域経済の牽引までは書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

従来の木材市場や問屋向けの製品に加え、床や壁などの内装材の生産が可能となり、業者向け住宅用木材製品の平均販売単価の上昇が期待される。インターネット(楽天市場)での販売を活用し、今までになかった層の購入者にも販売網を広げていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。