ものづくり補助金平成26年度製造業高知県

木材加工における品質及び歩留まり・生産性の向上の為の設備改良事業

共栄木材 有限会社

成果不良品の発生割合 30%→5%

この事例のポイント

  • 取引先から製品のバリエーションや生産量の拡大を求められているが、古い機械では生産量に限りがあり、固定式の機械のためサイズのバリエーションに対応できず機会ロスとなっていた。
  • 製造工程の8台の特殊機械について、入れ替えおよび改良を行った。
  • 不良品の発生割合 30%→5%。特殊機械8台の入れ替えと改良により作業効率が上がり、歩留まり率も改善した。

事業者のプロフィール

事業者名共栄木材 有限会社
所在地高知県 四万十町
業種木材・木製品製造業
技術分野製造環境
従業員数2人
資本金300万円
設立1993年

事業の背景

原木を製材し、タル材の製造に特化している。昭和46年から建築用資材の製材業を行っていたが、日本の林業の不振と木材価格の低迷で、梱包用のタルを作る特殊円形製材に転換した。昭和50年代には県内に8軒ほどのタル材加工業者があったが、建築用石膏ボードの普及でネジ・クギの需要が低迷し、タルの需要も激減した。現在は西日本で唯一のタル材製造業者である。現在は関西の2社のメーカーと取引している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力取引先から製品のバリエーションや生産量の拡大を求められているが、古い機械では生産量に限りがあり、固定式の機械のためサイズのバリエーションに対応できず機会ロスとなっていた。
  • 品質・精度機械の老朽化で鋸の歯の取り付け部分が緩んでブレたり、微調整の遊びが増えてズレが生じ、精度の高い加工ができず熟練の技術が必要だった。
  • 品質・精度切れ味や削り出しの精度が低く、材が割れたり切断面が凸凹になるなど不良品が多く、歩留まり率が悪い状況が続いていた。
  • 人手・技能木製フレームの旧式機械は破損の危険性があり作業効率も悪く、特殊機械のためメンテナンスを依頼できる業者もなく、鋸の目立てなどを自社で行うため人的労力も大きかった。

やったこと

製造工程の8台の特殊機械について、入れ替えおよび改良を行った。筒鋸機は鋸の胴を75cmに延長して大物の製作を可能にし、アリ加工機は精度を向上させて調整やサイズ変更を容易にした。曲挽き機は新規導入して側面カーブの加工を安定させ、小型自動カンナは新機種を導入して精度と作業効率を上げた。横切り機は可動式ガイドを備えて多様なサイズの底板を切り出せるようにし、底回し加工機はルーター方式に改良して皿ノコを不要にした。刃物を脱着可能な形状にして替刃交換ができるようにし、メンテナンスの大部分をメーカーに依頼できるようにした。

加工機筒鋸機(大・小)
加工機アリ加工機
加工機曲挽き機
加工機小型自動カンナ
加工機横切り機(横挽き・縦挽き)
加工機底回し加工機

事業の効果

  • 不良品の発生割合 30%→5%
  • 胴を75cmにしたことで大物の製造が可能となった

特殊機械8台の入れ替えと改良により作業効率が上がり、歩留まり率も改善した。不良品の発生割合は30%から5%に下がり、品質も向上した。機械操作が容易になり、経験の少ない人でも一定の品質を維持できるようになった。機械メンテナンスの停止時間と人的労力も削減され、生産性が向上して製造・出荷数を大きく伸ばせる見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    タル材に特化した事業の歴史(昭和46年の製材業から特殊円形製材へ)は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    西日本で唯一のタル材製造業者であること、海外人気や取引先の要望に触れ、強みと市場ニーズの関係が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    機械の老朽化や歩留まり率の低さを課題として認識し、不良品率を30%から5%に抑える機械更新で解決を図る計画が読み取れる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    不良品率や生産量増加、新規雇用の目標は示されているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員2名で新規雇用を計画しているとあるが、事務処理能力や遂行体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    インテリアやディスプレイ用什器として販売し、ビア樽等の形状を模したデザインが人気という顧客ニーズと製品価値が読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    今後の組み立て製造・販売や次世代への事業継承は述べられているが、スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    タル材製造は西日本で唯一の業者とされ、国内産高品質タル材の生産拡大ニーズがあるなど、同分野で高水準の位置付けがうかがえる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域の四万十ひのきを活用し地域の雇用と産業に寄与すると述べられているが、波及効果の数値的な裏付けはない。

  • 費用対効果3

    不良品率が30%から5%に低下し生産性が向上したと述べられているが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    四万十ひのきを活かした地域の産業と雇用に寄与する事業と述べられているが、地域の経済成長への波及は具体的に示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

タル材の国内高品質品への需要は高く、生産量を伸ばし新規雇用を行う計画である。今後は自社でタルの組み立て製造・販売を行うことや新商品開発も視野に入れている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。