ものづくり補助金平成26年度製造業鹿児島県

シラスバルーンを用いて製造するオリジナル楽焼「薩摩黒楽」の試作開発

この事例のポイント

  • 薩摩焼では楽焼の製造がなく、シラスバルーンを使った新しい製品で差別化する必要があった。
  • シラスバルーンを原材料とする楽焼のオリジナル陶芸品「薩摩黒楽」を製造するための装置を導入し、試作品の開発を行った。
  • 薩摩焼の特徴と楽焼の長所を併せ持つ新しい薩摩焼のジャンルを確立し、「薩摩黒楽」を当事業のオリジナル商品として提唱できる。

事業者のプロフィール

所在地鹿児島県 日置市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野製造環境,立体造形
従業員数3人
資本金5,000万円
設立1978年

事業の背景

1978年に開窯し、日置島津家の菩提寺跡に築窯して作陶を続けてきた。叩きの技法や粘土と漆を組み合わせた作品など、新しい要素も薩摩焼に取り入れてきた。シラスバルーンは白色微粒で断熱・遮音・軽量の特性をもち、石鹸、洗顔料、建材、断熱塗料などに利用されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術薩摩焼では楽焼の製造がなく、シラスバルーンを使った新しい製品で差別化する必要があった。

やったこと

シラスバルーンを原材料とする楽焼のオリジナル陶芸品「薩摩黒楽」を製造するための装置を導入し、試作品の開発を行った。シラスバルーンは1000℃程度の低火度でも軽量性や断熱・保温性の要因となる高気孔率を維持できるため、薩摩焼の特徴と楽焼の長所を併せ持つ作品にできる。装置として土練機と黒楽焼成窯を導入した。今後は蒔絵師から絵付けの技術を習得する計画である。

加工機土練機
その他黒楽焼成窯

新しい製品・サービス:シラスバルーンを用いたオリジナル楽焼「薩摩黒楽」

事業の効果

薩摩焼の特徴と楽焼の長所を併せ持つ新しい薩摩焼のジャンルを確立し、「薩摩黒楽」を当事業のオリジナル商品として提唱できる。断熱・保温性の高い茶道具として茶の湯への参入を目指す。今後は海外に向けてワンランク上の茶道具として展開していく計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性2

    昭和53年開窯や「叩きの技法」「薩摩陶胎水指」など過去の取組は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    「他人と同じものは作らない」の方針や薩摩焼と楽焼の長所の併用など差別化は読み取れるが、市場動向や経営資源の強み弱みの記述は薄い。

  • 課題の認識と解決2

    課題としては製品化・海外展開の意向がうかがえるが、課題の認識と解決策を結ぶ具体的な計画は示されていない。

事業の実現可能性36%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    蒔絵師からの絵づけ技術習得に言及はあるが、人材や事務処理体制の具体的な確保状況は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    断熱・保温性や軽量性、茶道具として海外に展開する意向など製品の価値は読み取れるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    試作開発から製品化、蒔絵師からの技術習得、海外展開という段階はうかがえるが、スケジュールや課題解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    シラスバルーンを用いた黒楽は薩摩焼で製造されていないと明記され、新しい薩摩焼ジャンルを確立する意図が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    南九州の天然資源シラスの活用と地域性が述べられ、地域資源の活用という積極的な理由はうかがえるが、雇用や波及効果の数値はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    シラスバルーンという新素材の活用は読み取れるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    海外展開や新素材による新ジャンル確立の意向はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及3

    南九州の天然資源シラスを活かし地域性を強く打ち出す点は読み取れるが、地域経済成長や雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

蒔絵師から絵付けの技術を習得し、「薩摩黒楽」独特の世界を広くアピールする。ワンランク上の茶道具として海外に展開し、「JAPANブランドSATSUMA」に育てていく。

事業者の声

流行は追わない。他人と同じものは作らない

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。