ものづくり補助金平成27年度製造業千葉県

養生設備導入によるセミフラット型側溝の量産体制の構築と事業化

平野コンクリート工業株式会社

成果生産能力 17t/日→27t/日

この事例のポイント

  • 新規のSF側溝を量産するには、蒸気養生工程と打設工程の2つの工程の生産能力が不足していた。
  • 断熱性が高く室容積の大きい新規養生設備を2室導入し、既存養生設備を断熱改修した。
  • 生産能力 17t/日→27t/日。養生工程の問題が解消され、生産能力は17t/日から27t/日へ59%向上し、量産体制の構築と事業化が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名平野コンクリート工業株式会社
所在地千葉県 市原市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野立体造形
従業員数17人
資本金1,000万円
設立1967年

事業の背景

当社はエコセメントを100%使用した道路用コンクリート製品の製造販売を柱とし、独自設計の「A型嵩上げ側溝」や「盗難防止側溝蓋」、特注製品の製造で顧客から高い評価を得てきた。バリアフリー新法の施行を受けて国土交通省が推奨するセミフラット形式の歩道が施工され始め、千葉県でもH27年に福祉のまちづくり条例が制定された。これを受け、製造コストと施工・維持管理コストを大幅に低減する独自の「SF側溝」を開発し、H28年1月に市原市内で試験施工を行った。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力新規のSF側溝を量産するには、蒸気養生工程と打設工程の2つの工程の生産能力が不足していた。
  • 品質・精度既存の養生設備では製品の脱型強度や表面品質、寸法精度に問題があった。
  • コスト・採算蒸気発生ボイラーの重油使用量が多く、製造コストが高かった。

やったこと

断熱性が高く室容積の大きい新規養生設備を2室導入し、既存養生設備を断熱改修した。量産用の新型枠(ブロック部・側溝部)を導入し、型組作業の効率を高めた。シート養生を廃止し、蒸気養生の断熱性を高めた。生産能力の向上(養生工程と型枠能力を50%以上アップ)、製品品質の向上(脱型強度の強化、表面の白華・凹部をなくし、寸法精度は規格値±3mm以下)、コスト削減(重油使用量を30%以上削減)を目標とした。

加工機新規養生設備(2室)
加工機既存養生設備の改修
金型新型枠(ブロック部)
金型新型枠(側溝部)

新しい製品・サービス:セミフラット型側溝・ブロック「SF側溝」

事業の効果

  • 生産能力 17t/日→27t/日
  • 蒸気発生ボイラーの重油使用量が大幅に低減され前年に比-36%削減した。
  • 型組作業がSFブロック-21分35秒、SF側溝-27分28秒と生産性が向上した。
  • 年間約77万円の低減する見込みとなった。

養生工程の問題が解消され、生産能力は17t/日から27t/日へ59%向上し、量産体制の構築と事業化が可能になった。型枠不足と寸法精度の問題も解消され、不適合がなくなり手直しが不要になった。重油使用量は前年比36%削減され、年間約77万円のコスト低減が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の道路用コンクリート製品製造を柱とし、SF側溝の量産体制構築を事業化すると書かれており、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    バリアフリー新法や千葉県条例による需要、自社独自設計の強みが記載されているが、市場規模や競争上の優位の数値は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    生産能力17t/日が27t/日に59%向上、型組作業時間の短縮など、課題と具体的な改善数値が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産能力59%向上、重油使用量36%削減、年間約77万円の低減見込みなど数値目標があり、既採用内定も記載されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員17名の企業であることのみ記載され、事務処理や補助事業の遂行体制についての記述は限られている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    SF側溝は段差解消や低コスト・高機能性が特長と明記され、試験施工での高評価や引合いが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    量産開始は高効率の生産体制が整い次第とあり、販路拡大や説明会の方針は示されるが、スケジュールは具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    SF側溝は国が推奨するセミフラット形式の新製品で、独自設計によるふた・車道ブロック一体型として他社と差別化されている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    バリアフリー新法や福祉のまちづくり条例に対応し、歩行者の安全確保という公共的な社会的意義が具体的に述べられている。

  • 費用対効果4

    投資に対し生産能力59%増、重油使用量36%減、年間約77万円のコスト低減という費用対効果を示す数値がある。

  • イノベーションへの貢献2

    エコセメントの利用や独自設計は書かれるが、デジタル技術や新ビジネスモデルについては記載がなく、サプライチェーンへの貢献も薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    千葉県市原市の企業として地域の道路インフラ整備に関わる事業であることが読み取れるが、地域経済や雇用への波及は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既に新規道路の採用が内定している。従来型より低コスト・高機能性の特長を活かしてSF側溝の販売を見込み、高効率の生産体制が整い次第量産を開始する予定である。行政の担当部署を中心に製品PRや説明会を行い、販路拡大と収益性ある事業展開を進める。

事業者の声

ものづくり補助金のおかげで、工場の生産性が上がり今後のコンクリート製品づくりに対し、生産能力、生産品質の向上とコスト削減が実現できたこと、心より感謝申し上げます。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。