ものづくり補助金平成26年度農業、林業鹿児島県

ボロをバイオマス燃料に

有限会社福永畜産

この事例のポイント

  • 牛舎の敷料(おが屑)は牛1頭あたり年間7㎥使用するが、単価が約1.5倍に高騰している。
  • 牛舎から出た糞尿で汚れた敷料を「生ボロ」として回収し、燃焼排熱を利用して生ボロを乾燥させた。
  • 生ボロを燃料化して燃焼排熱で乾燥させることで、堆肥以外の活用先を確保し、排せつ物の処理負担を軽減する。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社福永畜産
所在地鹿児島県 薩摩郡さつま町
業種農業
技術分野製造環境
従業員数7人
資本金300万円
設立1999年

事業の背景

有限会社福永畜産は黒毛和牛の肥育から子牛生産までを一貫して行い、約1200頭を飼育している。当社のブランド黒毛和牛は2013年の全国肉用牛枝肉共励会で名誉賞(最高賞)を受賞した。牛1頭は1日に約20kgの糞尿を排出する一方、堆肥の需要は小さく、排せつ物の処理が追いついていない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算牛舎の敷料(おが屑)は牛1頭あたり年間7㎥使用するが、単価が約1.5倍に高騰している。
  • その他糞尿で汚れた敷料は堆肥化施設で60日かけて堆肥化するが、堆肥の需要時期と需要量は限られ、場内に滞留しがちである。
  • その他生ボロは尿を吸って水分が多く、木くずと大差ないため再活用しにくい。

やったこと

牛舎から出た糞尿で汚れた敷料を「生ボロ」として回収し、燃焼排熱を利用して生ボロを乾燥させた。乾燥した生ボロを園芸用のバイオ燃料として使用し、燃焼後の灰は肥料に活用する計画である。また、使用済みの敷料を再生して戻し敷料として再利用し、木質代替燃料などの資材としても再資源化する。定量供給機で牛糞を燃焼設備へ安定的に投入する仕組みを整えた。

その他定量供給機

新しい製品・サービス:乾燥させた「生ボロ」を燃料・資材(戻し敷料、木質代替燃料など)として再資源化する製品

事業の効果

生ボロを燃料化して燃焼排熱で乾燥させることで、堆肥以外の活用先を確保し、排せつ物の処理負担を軽減する。使用済み敷料を戻し敷料として再利用することで、高騰している敷料の購入コストを抑えることを目指す。燃焼後の灰を肥料として活用し、資源の循環利用を進める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    黒毛和牛の肥育から子牛生産までの一貫体制を持ち、敷料や糞尿の再資源化を課題として取り組む方針が示されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    2013年全国肉用牛枝肉共励会の名誉賞受賞や直営焼肉店の運営など、強みが具体的な実績で示されている。

  • 課題の認識と解決4

    敷料単価が1.5倍に高騰し、1頭年間7㎥使用するなどの課題が数字で示され、燃焼排熱による乾燥の方法が書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    コスト削減を図りたいとあるが、目標値や付加価値額、賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員数や生産体制は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    堆肥の需要は小さく農業用燃料の需要は大きいと述べ、ターゲットはあるが需要の裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    乾燥後に園芸用バイオ燃料とし、灰を肥料に使う手順は示されているが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    生ボロの熱量が木質と同等という点はあるが、分野の普及度や高付加価値化の水準は書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    農業用燃料需要の大きさに触れているが、雇用創出や波及効果の数値や具体的な記述は少ない。

  • 費用対効果2

    敷料の高騰や処理コスト削減に触れているが、投資額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    燃焼排熱で乾燥し敷料を再利用する循環の仕組みが示されているが、先端技術の具体性は限られる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    排せつ物を燃料や資材として再資源化する取組が示されるが、産業構造の転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    日置・北薩エリアの事業者であることは示されるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

乾燥させた生ボロを園芸用バイオ燃料として事業化し、燃焼後の灰は肥料に活用する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。