ものづくり補助金平成25年度農業、林業宮崎県

えのき茸増産体制の整備と収穫作業の自動化による経営規模拡大事業

有限会社加藤えのき

成果収穫作業の人員 4人→1人

この事例のポイント

  • えのき茸は低価格競争が常態化しており、国内の低価格競争を勝ち抜くためにさらなるコスト削減とシェア拡大が必要である。
  • 平成22年稼働の第二工場に隣接して新たにえのき茸製造工場(第三工場)を増設し、年間生産量を2,300から3,800に増やす計画を進めた。
  • 収穫作業の人員 4人→1人。工場増設と連動して自動収穫機により収穫作業の効率化が大きく進み、増産体制の構築とともに同業他社と競っている製造コストの…

事業者のプロフィール

事業者名有限会社加藤えのき
所在地宮崎県 宮崎市
業種農業

事業の背景

昭和40年代に操業を開始し、えのき茸の生産販売事業を展開してきた。平成22年に第二工場を建設して年産2,300を実現し、九州内の販売シェアは12%、県内最大のえのき茸生産企業となり、九州でも第3位の生産量である(同業者は九州に約50社)。えのき茸は生鮮青果で、100gパック一袋の年間平均市場価格は23円から25円と低価格競争が常態化しており、中国等からの輸入も採算が合わず国内産が消費量の99%を占めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算えのき茸は低価格競争が常態化しており、国内の低価格競争を勝ち抜くためにさらなるコスト削減とシェア拡大が必要である。
  • 生産能力えのき茸の収穫作業を手作業に頼っているため、年間生産量を3,800に増やす増産計画の達成が難しい。
  • 人手・技能手作業の収穫では4人体制で一日がかりとなり、一日に数千本の収穫が限界だった。

やったこと

平成22年稼働の第二工場に隣接して新たにえのき茸製造工場(第三工場)を増設し、年間生産量を2,300から3,800に増やす計画を進めた。収穫工程は手作業に頼っていたため、収穫工程を完全自動化するえのき茸自動収穫機を導入した。収穫ラインは第二工場内に設置し、第三工場からのポットを最も短い距離で集約できるよう整備した。自動収穫機により、これまで手作業で行っていたラベルはずし、えのき収穫、運搬用の箱入れの3つの作業を自動で処理し、分別・包装工程へベルトコンベアで直接移動させられるようにした。

事業の効果

  • 収穫作業の人員 4人→1人
  • 年間生産量 2,300→3,800
  • 九州内のえのき茸販売シェア 12%→20%

工場増設と連動して自動収穫機により収穫作業の効率化が大きく進み、増産体制の構築とともに同業他社と競っている製造コストの圧縮が可能になった。増産により出荷量が増え、自社のみで10トンコンテナを満載できるようになったため自社チャーター便が利用でき、物流コストも大きく下がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成22年の第二工場建設など製造量拡大の経緯は書かれているが、今回の自動化が経営戦略上どう位置づけられるかは具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    九州での販売シェア12%、九州内3位の生産量、低価格競争と国産比率99%など外部環境と自社の立ち位置が数字で示されている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業で4人一日がかりの収穫が増産の障害と特定され、自動収穫機で管理者一人・2時間程度に減らす具体的な解決策が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年産2,300tから3,800tへの増産目標と、収穫量1日1万6千本・作業時間2時間程度という数値が示され、達成の根拠がある。

  • 事業を進める体制2

    管理者一人で運用することや従業員の配置は書かれているが、事業を遂行する人材や事務体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    低価格競争の中で製品の価値や顧客ターゲットは読み取れるが、選ばれる理由の整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    ライン設置場所や5年後の九州シェア20%目標、関西への販路拡大など今後の方針はあるが、スケジュールや課題解決手順は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    えのき茸は低価格で一般的な青果であり、高付加価値化・高価格化を図る内容は読み取れない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    国産比率99%や九州の生産地としての位置づけはうかがえるが、波及効果や雇用創出の具体的な記述は薄い。

  • 費用対効果4

    製造コストの大幅削減、作業時間の短縮、物流費圧縮など費用対効果を示す記述があるが、補助金額に対する数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    宮崎県内最大の生産企業として地域の生産を担う点はうかがえるが、地域経済への効果を示す記述は少ない。

今後の展望

5年後に九州のシェア20%を確実にするため、自社便による遠方への販路拡大策として関西地域まで販路を広げていく予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。