ものづくり補助金平成27年度製造業北海道

北海道新幹線の開通に伴う土産用菓子の需要増加に対応するための高機能な菓子製造機械の導入事業

株式会社はこだて柳屋

成果最新型蒸練機の導入により作業時間が約25%短縮

この事例のポイント

  • 北海道新幹線開通後の観光土産需要の増加に対し、既存の設備の能力や人手では大量生産が対応できず、受注増に生産が追いつかない状況だった。
  • 半生菓子の増産に必要な製造機器を導入し、製造工程の一貫した高性能かつ高効率な生産ラインの構築を目指した。
  • 最新型蒸練機の導入により作業時間が約25%短縮。最新型蒸練機の導入で作業時間が約25%短縮され、経験と勘による微調整も減り、技術者採用で熟練度の基準を広げられるように…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社はこだて柳屋
所在地北海道 函館市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数30人
資本金3,500万円
設立1949年

事業の背景

2016年3月の北海道新幹線開通により本州方面からの観光客が急増し、函館での土産需要が増加した。爆買いは落ち着いた一方で、饅頭や餅などの半生菓子への需要が高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力北海道新幹線開通後の観光土産需要の増加に対し、既存の設備の能力や人手では大量生産が対応できず、受注増に生産が追いつかない状況だった。
  • 新製品・新技術土産品市場の新たな商機に合わせ、北海道の素材を生かした新製品を開発する必要があったが、それに対応できる製造環境が整っていなかった。

やったこと

半生菓子の増産に必要な製造機器を導入し、製造工程の一貫した高性能かつ高効率な生産ラインの構築を目指した。餡を蒸しながら練る最新型蒸練機、饅頭・餅菓子を蒸す全自動蒸し器、大量の餅をつく自動餅つき機(落下式餅搗機)、製品を包装する全自動包装機の4機種を導入した。これにより製造効率・精度・安全性・衛生面の向上とロスの軽減に努めた。また包装形態の改善や北海道の素材を生かした新製品の開発、賞味期限が長くてもおいしいお菓子の開発にも取り組んでいる。

加工機最新型蒸練機
加工機全自動蒸し器
加工機自動餅つき機(落下式餅搗機)
加工機全自動包装機

新しい製品・サービス:函館いも羊羹(道南産さつまいも「紅あずま」使用、函館空港ビルデング株式会社との共同開発)、主力商品「ロマネスク函館」の焼チーズ味

事業の効果

  • 最新型蒸練機の導入により作業時間が約25%短縮
  • 全自動蒸し器の導入により作業時間が約12%短縮
  • 自動餅つき機の導入により作業時間が約16%短縮
  • 全自動包装機の導入により時間が約8.8%短縮
  • 全自動包装機の導入により約2%のロスを軽減

最新型蒸練機の導入で作業時間が約25%短縮され、経験と勘による微調整も減り、技術者採用で熟練度の基準を広げられるようになった。全自動蒸し器は作業時間を約12%短縮し、大量生産と食味の異なる多様な製品の製造を可能にした。自動餅つき機は作業時間を約16%短縮し製品の均一性を向上させ、大量受注にも対応できるようになった。全自動包装機は大量生産と約8.8%の時間短縮、約2%のロス軽減に加え、消費期限の延長にもつながり、輸出の条件である賞味期限180日以上も解決して海外展開が目前となった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業70年の老舗で、土産需要に応える商品戦略の強化が示されるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    北海道新幹線開業による観光客増加やインバウンド需要を商機と捉えるとあるが、競争優位性や自社の強み・弱みは記述が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    受注増に生産が追いつかない課題を認識し、製造機器4機種導入で生産ラインを構築すると具体的に示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    餅つき作業時間約16%短縮、包装約8.8%短縮、蒸練作業約25%短縮など数値目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制2

    技術者採用で熟練度基準を広げられたとあるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    土産需要の増加や半生菓子への需要高まりは読み取れるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    販路拡大や新製品開発への取組は書かれるが、スケジュールや課題解決の方法の具体的な記述はわずか。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    北海道の素材を生かした新製品や賞味期限延長の取組はあるが、分野における高付加価値化・高価格化の水準は明示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    函館の観光振興や地域素材の活用、輸出への展開が示され地域経済への寄与がうかがえるが、雇用創出の数字は示されない。

  • 費用対効果3

    作業時間短縮率や生産効率向上は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    最新型機械の導入はあるが、先端デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献はわずかにうかがえる程度。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    輸出の解禁条件を満たし海外展開が目前とあり、市場拡大への方向性はわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及4

    函館産さつまいもや北海道の素材を使った新商品開発と観光土産需要への対応が具体的に書かれ、地域特性の活用が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

輸出の第一条件である賞味期限180日以上の課題が解決され、今後の海外展開が目前となった。

事業者の声

当社は来年70周年を迎える和・洋菓子店で、現在私で3代目です。社名の由来はことわざにもあるように、柳の枝はよくたわむので雪が積もっても、風が吹いても折れることがないことから「柳屋」となりました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。