ものづくり補助金平成27年度製造業青森県

最新研磨装置機の導入による、高性能監視カメラ・交換レンズ向け特殊レンズ研磨技術の確立

有限会社プリンス光学

成果加工径の下限 8φ→3φ

この事例のポイント

  • 特殊形状レンズ(ドーム型・コバ薄)の加工に対応するため、高精度かつ効率的な生産工程を構築する必要があった。
  • 最新の研削・研磨装置を導入し、既存の加工技術を応用して、高性能監視カメラ用・交換レンズ用の特殊レンズ加工分野へ進出した。
  • 加工径の下限 8φ→3φ。導入設備により、加工時間と治工具費用が大幅に削減された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社プリンス光学
所在地青森県 弘前市
業種その他の製造業
技術分野精密加工
従業員数10人
資本金500万円
設立1987年

事業の背景

当社は昭和51年の創業以来41年間、光学レンズ研磨加工を一貫して行い、カメラ用レンズを主とするガラスレンズ研磨加工会社である。カメラ用レンズ業界では、スマートフォンの普及によりコンパクトカメラが飽和状態となっている一方、高機能一眼レフ用交換レンズや高性能監視カメラ用レンズは、セキュリティーや自然災害監視体制の整備、物流監視ニーズの高まりを背景に需要が拡大している。より高機能な製品の開発には特殊形状のレンズの使用が不可欠となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術特殊形状レンズ(ドーム型・コバ薄)の加工に対応するため、高精度かつ効率的な生産工程を構築する必要があった。

やったこと

最新の研削・研磨装置を導入し、既存の加工技術を応用して、高性能監視カメラ用・交換レンズ用の特殊レンズ加工分野へ進出した。NC高精度球芯精研削装置は、従来の2軸装置を4軸装置としたもので、皿型砥石による材料投入から精研削完了までを加工でき、一連動作内で加工条件を3段階まで設定してNC制御により数値化できる。NC求心精研磨装置は、従来の2軸装置を4軸装置としたもので、単軸上の一連動作内で研摩条件を多段階に設定でき、光軸自動調芯研磨法により光軸を調心して吸着し続けながら研磨できる。これにより軟硝材加工技術と高精度芯取り・研磨技術を確立した。

加工機NC高精度球芯精研削装置
加工機NC求心精研磨装置

事業の効果

  • 加工径の下限 8φ→3φ

導入設備により、加工時間と治工具費用が大幅に削減された。NC制御により人の手による調整の労力が減り、加工精度が向上して不良品比率が低下した。同一加工工程では保存された準備データにより準備時間も大幅に削減された。加工範囲が広がり多様な加工品を選定できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業41年の光学レンズ研磨の実績と既存加工技術の応用という一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けを示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    軟硝材加工を得意とする強みと、高性能監視カメラ用の需要拡大という外部環境が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決3

    製品ラインナップ増加や高付加価値生産への言及はあるが、課題の数値的な把握や売上目標は書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額の増加や賃上げの目標値は示されておらず、加工時間や不良率の改善が定性的に述べられるにとどまる。

  • 事業を進める体制3

    従業員10名で既存加工技術を持つことは読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ドーム型・コバ薄などの特殊形状レンズ、軟硝材加工という製品の特徴と、監視カメラ向け需要の背景が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    スケジュールや課題解決の段取りは書かれておらず、導入後の展開が概略的に示されるのみである。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    3φ~80φの幅広い加工範囲と特殊形状レンズ加工への進出が示され、同分野での差別化が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    監視カメラの需要拡大や雇用創出、地域経済への貢献が述べられているが、経済波及の規模は示されていない。

  • 費用対効果2

    導入の投資額と付加価値増加の数値が示されず、費用対効果は定性的な記述にとどまる。

  • イノベーションへの貢献2

    NC制御による加工条件の数値化は読み取れるが、デジタル技術の地域やサプライチェーンへの波及は明示されていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    高性能監視カメラなど成長分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及4

    青森県弘前市の立地を活かし、ものづくり技術の生産拠点としての地域経済への貢献が具体的に述べられている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

従来に比し製品ラインナップが増え、高付加価値な生産が可能となったことから、大手・中小企業を問わず、より多くの企業からの受注が見込まれる。それに伴い雇用創出や、青森県のものづくり技術と工業製品の生産拠点としての魅力発信により、地域経済への貢献が期待される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。