ものづくり補助金平成27年度製造業青森県

測定と加工技術の融合による超精密金型パーツの開発

株式会社ムツミテクニカ

成果ピッチ精度 5μm→2μm

この事例のポイント

  • 取引先の海外拠点化に伴い、国内で高難度な金型を製作する必要があるが、海外メーカーとのQCDの差別化を図るため、最新鋭の超高精度加工技術の確立が不可欠だった。
  • 以前から導入していた超精密型彫り放電加工機に、データ処理装置付測定顕微鏡を新たに導入し、両者を組み合わせて超高精度な金型パーツの開発を行った。
  • ピッチ精度 5μm→2μm。従来のマシニング加工と比較して段取り及び加工時間が短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ムツミテクニカ
所在地青森県 田舎館村
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工,測定計測
従業員数200人
資本金4,800万円
設立1988年

事業の背景

株式会社ムツミテクニカは射出成形用金型及びパーツの設計・製作を一貫生産している。取引先が消費地の海外に拠点を設けて最終製品化する傾向が強まり、供給部品も現地調達に変わりつつある一方、金型は海外メーカーでは対応困難なケースが多く、国内で製作した金型が海外の生産現場で使われている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力取引先の海外拠点化に伴い、国内で高難度な金型を製作する必要があるが、海外メーカーとのQCDの差別化を図るため、最新鋭の超高精度加工技術の確立が不可欠だった。
  • 品質・精度部品形状の微細化と外観品質要求の高まりにより金型用パーツは極薄・高精度化し、熟練者の手作業による仕上げ工程が必要になっていた。
  • 人手・技能従来のマシニングセンターではピッチ精度が±5μmに留まり、精密部品の加工ピッチやコーナー部分の精度向上と加工時間の短縮が課題だった。

やったこと

以前から導入していた超精密型彫り放電加工機に、データ処理装置付測定顕微鏡を新たに導入し、両者を組み合わせて超高精度な金型パーツの開発を行った。従来の測定顕微鏡ではマシニングセンターのピッチ精度が±5μmだったが、放電加工と測定の組み合わせで±2μmまで精度を向上させた。測定顕微鏡により加工ワークを現場で即座に評価できるようにし、トライ&エラーの検証時間を短縮した。

検査測定データ処理装置付測定顕微鏡
加工機超精密型彫り放電加工機

新しい製品・サービス:複写機の超高精度スキャナー用光学部品の金型パーツ

事業の効果

  • ピッチ精度 5μm→2μm

従来のマシニング加工と比較して段取り及び加工時間が短縮された。測定顕微鏡の導入により現場で即座に評価できるようになり、検証時間も短縮された。これにより超精密金型パーツの高精度化と効率化が図られ、試作開発から量産までの一貫生産体制が構築された。作業効率の改善とコスト削減も図られた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の超精密型彫り放電加工機の活用と、海外生産対応を見据えた金型・パーツ一貫生産の方向性が読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外金型メーカーが対応困難な高難度金型を国内製作し、QCDの差別化を図る強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    顧客の現地製要望やマシニング加工からインジェクション成形への置換ニーズを挙げ、海外流出防止と受注拡大への道筋が示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    測定精度は±5μmから±2μmへ向上と数値で示されたが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社員200名や一貫生産体制の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    超高精度・短納期という価値と顧客ニーズは書かれているが、ターゲット顧客の整理や選ばれる理由の定量的裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の成果は書かれているが、遂行スケジュールや課題解決の方法を段階的に示す記述は見当たらない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    超精密金型パーツの高精度化で、同分野で高水準の高付加価値化を図る内容が具体的に示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    医療機器向け超精密部品の海外流出防止や国内金型産業の維持に触れており、国が支援する理由はうかがえる。

  • 費用対効果2

    段取り・加工時間の短縮やコスト削減は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    測定顕微鏡とデータ処理装置の組合せによる一貫生産はあるが、地域やサプライチェーン全体への波及は十分に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    海外生産の現地製から国内製への流れに触れるが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    青森県の立地が示される程度で、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用拡大の記述は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

中国工場の顧客から高精密部品の現地調達や、工数のかかる加工からインジェクション成形への置き換えのニーズがあり、国内でしか作れない高精度製品の受注が見込まれる。従来は二工程でコストが合わず海外生産していた製品を、複合加工で国内製作し海外に供給できるようになり、医療機器向け超精密部品の海外流出防止と、海外メーカーとの競争での優位性が期待される。

事業者の声

超精密パーツは金型の基幹部品となるため、品質の安定した日本製を使用したいが、コストと特に納期の点でどうしても現地製を使わざるを得ない

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。