ものづくり補助金平成27年度卸売業、小売業青森県

急速冷凍装置及び氷感庫の導入による商品開発と品質改善

有限会社秋田商店

成果生存保管期間 3日→15日

この事例のポイント

  • 既存の冷凍・冷蔵システムでは処理能力が需要に追い付かない。
  • 本事業で急速冷凍装置(3Dフリーザー)と氷感システムプレハブ冷蔵庫(氷感庫)を導入した。
  • 生存保管期間 3日→15日。冷凍時間と保管期間が大幅に改善された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社秋田商店
所在地青森県 つがる市
業種その他の卸売業
技術分野製造環境
従業員数5人
資本金300万円
設立1994年

事業の背景

弊社は十三湖産シジミを扱う水産物卸問屋で、十三漁業協同組合と車力漁業協同組合から天然物と養殖物を仕入れ、地域に特化した地産地消型の経営を続けてきた。十三湖のシジミは平成22年から平成25年まで全国1位の漁獲量を誇り、アミノ酸含有率が高く具も大きいことから評価が高い。同業者の増加で仕入価格が高騰し、活シジミの販売だけでは将来の展望が見いだせなくなったため、外部委託のレトルトパック詰めなどの商品取り扱いを始めた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の冷凍・冷蔵システムでは処理能力が需要に追い付かない。
  • 品質・精度冷凍後の品質が劣化するという課題が生じていた。

やったこと

本事業で急速冷凍装置(3Dフリーザー)と氷感システムプレハブ冷蔵庫(氷感庫)を導入した。3Dフリーザーは予備冷却不要で高温状態のシジミを投入でき、ダクトレス構造の庫内を備えた最新式の急速冷却装置である。氷感庫は細菌の繁殖を抑制し、鮮度を保ったまま6~7トンの長期大量保管が可能で、庫内での熟成によりアミノ酸などの栄養成分が向上する。

加工機3Dフリーザー(急速冷凍装置)
加工機氷感システムプレハブ冷蔵庫(氷感庫)

事業の効果

  • 生存保管期間 3日→15日
  • 冷凍完了までの時間 12時間→1時間

冷凍時間と保管期間が大幅に改善された。従来設備で課題だった細胞破壊による身の縮みやパサついた食感が改善し、外観や味も新鮮さを保ち、活シジミに近い鮮度を維持できるようになった。長期保管が可能になったため、安定した供給ができるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    水産物卸として地産地消型で展開してきた経緯と、外部委託商品の取扱いへの転換が書かれており、過去の取組との連続性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    十三湖産シジミの漁獲量全国1位や高評価の成分が示され、仕入価格高騰という外部環境も書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    処理能力不足と冷凍後の品質劣化という課題を示し、冷凍時間12時間から1時間、保管3日から15日への改善で解決を図っている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    保管期間や冷凍時間の数値は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数5名は示されるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    国内食品販売企業からの増産要求があり、長期保管と活シジミに近い鮮度が選ばれる理由として示されている。

  • 事業化までの道筋3

    将来の一貫生産体制構築やアメリカへの輸出を計画としているが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    シジミの鮮度保持技術は示されるが、普及度や高水準の高付加価値化の度合いは具体的に読み取れない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地産地消型の経営や地域の漁協からの仕入れは示されるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    保管期間の延長や冷凍時間短縮の効果は数字で示されるが、投入額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    先端的なデジタル技術や新しいビジネスモデルの活用は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    日本経済の構造転換や成長分野への進出との関連は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    十三湖という地域資源を活かした事業であることは読み取れるが、雇用創出や地域成長への効果の記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内の食品販売企業と取引しており、本事業の成果により同社からの増産要求にも応じられるため、今後も継続した取引を見込んでいる。将来的には自社での一貫生産体制を構築し、アメリカなどへの輸出による販路拡大を計画している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。