ものづくり補助金平成30年度卸売業、小売業沖縄県

リキッド凍結技術の導入による食材・加工食品の海外・県外展開

株式会社寄宮

成果新規設備では15分程度で凍結でき、165分の短縮となった

この事例のポイント

  • 新規事業で海外市場の販路拡大を目指しており、テスト販売で顧客の要望に応えられれば本格的な市場開拓ができると見込んでいた。
  • 長期間冷凍後も鮮度品質を保てる冷凍機としてリキッドフリーザーを新規導入した。
  • 新規設備では15分程度で凍結でき、165分の短縮となった。リキッドフリーザーの導入により、従来より短時間で凍結できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社寄宮
所在地沖縄県 那覇市
業種飲食料品卸売業
技術分野製造環境
従業員数45人
資本金3,000万円
設立1995年

事業の背景

株式会社寄宮は創業以来、エビをはじめとする水産物や肉類、加工食品、スイーツ等の食材を海外や県内外から仕入れ、県内のホテルや飲食店等の業務用市場へ自社ルートで配送・販売してきた。現在は新規事業としてシンガポール、タイ、香港等の海外販路を開拓するためテスト販売を始めている。海外販売では物流コストの高さや、冷凍して提供することによる鮮度品質の劣化が課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信新規事業で海外市場の販路拡大を目指しており、テスト販売で顧客の要望に応えられれば本格的な市場開拓ができると見込んでいた。
  • コスト・採算海外への物流コストが高く、冷凍して提供する必要があるため採算の確保が課題となっていた。
  • 品質・精度冷凍後に解凍すると鮮度品質が劣化するおそれがあり、長期間の冷凍輸送に耐える品質が求められていた。

やったこと

長期間冷凍後も鮮度品質を保てる冷凍機としてリキッドフリーザーを新規導入した。冷凍スピード、冷凍品質、コスト競争力の検証を行った。冷凍スピードは様々な素材で検証し、新規設備では15分程度で凍結でき、従来より165分短縮できた。冷凍品質は自社で凍結した商品をシンガポールへ輸送し、解凍後の鮮度を確認した。各素材を30日後に解凍してドリップの有無を調べた結果、ドリップはなく鮮度も問題ないことを確認した。この結果、船便に変更した場合でも収益性を確保できる見通しを得た。

加工機リキッドフリーザー

新しい製品・サービス:長期間冷凍後も鮮度品質を保つ冷凍商品

事業の効果

  • 新規設備では15分程度で凍結でき、165分の短縮となった

リキッドフリーザーの導入により、従来より短時間で凍結できるようになった。30日間冷凍した後も解凍時のドリップがなく鮮度を保てることを確認した。船便に切り替えた場合でも収益性を確保できる見通しが立ち、海外への輸送コストを抑えられる可能性が広がった。冷凍技術を生かして海外向けの新規取引を拡大する足がかりを得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の水産物・肉類の仕入れ・卸販売を基盤に海外販路を新規事業として拡大する方針が読み取れるが、事業戦略上の位置付けは詳しく書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外のシンガポール・タイ・香港で顧客要望があり、冷凍鮮度の課題を認識していることは読めるが、市場動向や競合に対する強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    物流コスト高や冷凍後の鮮度劣化という課題を示し、凍結機導入で15分凍結、165分短縮、30日後解凍で鮮度維持と解決を具体的に示している。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    凍結時間165分短縮など数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員45人や社内IT化に触れるのみで、補助事業を遂行する体制や担当者の役割は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客ターゲットをシンガポール・タイ・香港の業務需要とし、人材不足下で一定品質を効率よく提供したいニーズを具体的に示している。

  • 事業化までの道筋2

    船便への変更検討や調理品・キット商品の提案など今後の方向性はあるが、スケジュールや課題解決の具体的な遂行方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    リキッドフリーザーによる冷凍品質の向上は示されるが、海外向け冷凍食材の一般的な普及度や高価格化の程度は書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    沖縄産一次産品の域外物流拡大や社会貢献への言及はあるが、雇用創出や波及効果の数値は書かれていない。

  • 費用対効果2

    収益性の確保を検討できたとあるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    冷凍技術を活かした簡便調理需要への対応は示されるが、デジタル技術や地域・サプライチェーンへの具体的な貢献は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    海外市場開拓や共働き・高齢化による簡便食材需要への対応がうかがえるが、構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及3

    沖縄産の一次産品を域外へ出荷する地域特性の活用が書かれているが、地域成長や雇用への効果は具体的ではない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新規展開するアジア市場では人材確保が難しく、一定品質で効率よく提供したいというニーズが高い。沖縄産の一次産品の出荷を進めて域外物流を広げ、調理品やキット商品の提案も行っていく。共働き世帯や高齢化の増加により簡便で短時間調理できる食材の需要も高まっており、今回の冷凍技術とノウハウを生かして社会の要望に応えていく考えである。また、社内のIT化による環境整備を進め、主婦層も活躍できる職場づくりを目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

東京都卸売業、小売業平成25年度

スライド式ホルダーを採用した床排水トラップの開発

製品形状を円形から正方形に変更し、一軸方向へのスライドで着脱できるスライド構造の床排水トラップ「スライドロック」を開発した。

効果:洗濯機の排水ホース内に残ってしまう排水量を大幅に少なくすることができた。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。