ものづくり補助金平成27年度製造業青森県

日本で初となる糖質制限和菓子の開発

かねご製餡株式会社

この事例のポイント

  • 和菓子市場は成熟し消費量も減少しており、今後大きな伸びが期待できないため、新たな分野を開拓する必要がある。
  • 糖尿病患者やダイエッター向けに、低糖質でも和菓子の味を損なわない商品の開発に取り組んだ。
  • 低糖質煉餡、低糖質液糖、低糖質生地に使うミックス粉の開発に成功した。

事業者のプロフィール

事業者名かねご製餡株式会社
所在地青森県 八戸市
業種食料品製造業
技術分野複合・新機能材料
従業員数10人
資本金1,000万円
設立1978年

事業の背景

当社は地元八戸で50年の業歴を持つ製餡業者で、生餡、菓子用練餡、パン用練餡などを製造販売し、近年は羊羹にも取り組んでいる。平成26年8月には餡製造業者として日本で初めてFSSC22000を取得し、食品の衛生管理で高い評価を得ている。一方、和菓子業界全体の市場は成熟し消費量も減少しており、大きな伸びは期待できない。さらに砂糖や小豆の価格が高騰しているが販売価格に転嫁できず、収益が圧迫されていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術和菓子市場は成熟し消費量も減少しており、今後大きな伸びが期待できないため、新たな分野を開拓する必要がある。
  • コスト・採算砂糖や小豆などの主要原材料価格が高騰して製造原価が上がっているが、販売価格に原料値上がり分を転嫁できず収益が圧迫されている。
  • その他商品開発競争や価格競争が激化しており、他社との低価格競争から脱却する必要がある。

やったこと

糖尿病患者やダイエッター向けに、低糖質でも和菓子の味を損なわない商品の開発に取り組んだ。小豆餡や生地に適した低糖質素材を複数種類選定した。小麦粉の代替として想定されたふすま粉や大豆粉は独特の匂いや苦みがあるため、和菓子としての美味しさを保つ最低限量の小麦粉を使い、糖質の低い他素材をミックスする方針とした。選定した原料で低糖質和菓子のレシピ検証を行い、導入した機器と技術指導者の協力を得て開発を進めた。

新しい製品・サービス:糖質制限に対応した低糖質和菓子(どら焼き、饅頭など)と、その基本となる低糖質煉餡、低糖質液糖、低糖質生地用ミックス粉

事業の効果

低糖質煉餡、低糖質液糖、低糖質生地に使うミックス粉の開発に成功した。これらを使ったどら焼きは通常製品に比べ糖質を60.6%カットし、饅頭は53.3%カットしながら、従来品の味と食感を損なわずに実現した。低価格競争から脱却し、和菓子業界で新たな分野を作る足がかりを得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業50年の製餡業で、FSSC22000取得など品質管理を強みとしており、低糖質和菓子は過去の取組との連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    和菓子市場の成熟と砂糖・小豆の高騰を課題とし、糖尿病患者やダイエッター向けの低糖質和菓子で低価格競争から脱却すると明記している。

  • 課題の認識と解決4

    原料値上がりを販売価格へ転嫁できない収益圧迫を課題とし、低糖質和菓子で新市場を開き収益改善を図る計画が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    どら焼きで糖質60.6%、饅頭で53.3%のカットを味と食感を損なわず実現したとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員10名で、技術指導者の協力を得て開発したとあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    糖尿病患者やダイエッターを顧客ターゲットとし、糖質カット率と味・食感の維持を選ばれる理由として示している。

  • 事業化までの道筋3

    販路として自社サイト、通販、展示会、海外輸出を挙げ、外部委託やレシピ提供も検討とあるが、スケジュールや課題解決の方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    和菓子業界は成熟しているが、糖質制限和菓子は日本で初めての開発と明記され、高付加価値の新分野を開拓している。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    地元八戸の製餡業者として雇用を担う点はうかがえるが、経済波及や社会インフラへの国の補助理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加の数値は書かれておらず、糖質カット率のみで費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    糖質制限食の浸透が進む分野への進出とあり、和菓子市場の構造転換への貢献がうかがえるが、規模の記載はない。

  • 地域経済への波及2

    青森県八戸の地元企業とあるが、地域特性を活かして雇用や地域成長を牽引する記述は限定的である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

各種展示会や商談会に出展し、国内外の販路開拓を進める。販売は自社販売サイト、通信販売サイト、FAX、DMなどを想定している。糖質制限食が浸透している海外への輸出も期待される。受注が増えれば製造の外部委託や、全国の菓子・食品メーカーへのレシピ・製造技術の有償提供も検討する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。