ものづくり補助金平成27年度製造業青森県

大型BOXの設計計算・図面の自動化による生産性向上に向けた設備導入

株式会社技研

成果設計段階の作業時間 4日→1.5日

この事例のポイント

  • 復興道路の設計変更が頻繁に発生し、すべて技術員が手作業で行うため人材不足で迅速な対応が難しく、工事の進捗に影響が出ている。
  • パソコンに設計条件を入力すると、ボックスの部材寸法や鉄筋量を自動で計算し、製造用図面の作成まで一連で行う自社独自のシステムを導入した。
  • 設計段階の作業時間 4日→1.5日。設計段階と製造段階の作業時間が大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社技研
所在地青森県 青森市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野情報処理
従業員数43人
資本金3,000万円
設立1979年

事業の背景

弊社は昭和54年に設立され、コンクリート二次製品の製造を行っている。平成15年に開発・特許を取得したスーパーボックスカルバート(ボックス)を主に製造・販売している。東日本大震災以降、550kmの復興道路・復興支援道路の工事が始まり需要が大幅に増加し、早期完成が求められている。一方で社会インフラの維持管理・更新事業が増加し、来年度からこの分野への販売強化を進めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能復興道路の設計変更が頻繁に発生し、すべて技術員が手作業で行うため人材不足で迅速な対応が難しく、工事の進捗に影響が出ている。
  • 生産能力補修・架け替え分野の件数が多く、今後も作業量がさらに増えることが見込まれる。

やったこと

パソコンに設計条件を入力すると、ボックスの部材寸法や鉄筋量を自動で計算し、製造用図面の作成まで一連で行う自社独自のシステムを導入した。導入設備は、スーパーボックスカルバート設計計算・自動作図システムである。初級技術者でもパソコンに条件を入力するだけで設計計算が可能で、構造図・配筋図・鉄筋加工図・割付図・鉄筋質量表を連動して自動作成できる。

ソフトスーパーボックスカルバート設計計算・自動作図システム

事業の効果

  • 設計段階の作業時間 4日→1.5日
  • 製造段階の作業時間 7日→1.5日

設計段階と製造段階の作業時間が大幅に短縮された。構造計算の諸元を図面へ自動で受け渡すため手作業が減り、ミスの発生可能性が大幅に縮減された。CAD操作も熟練技術者でなくても可能な部分が増え、人員配置に余裕ができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    復興事業での受注増に対応し、維持補修分野への進出を来年度から計画していると書かれており、事業の方向性は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    NETIS設計比較技術への全国初の登録や復興道路での採用が東北で上位2社、価格は他社より2割前後安いと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    設計・製造の所要日数を設計段階4日→1.5日、製造段階7日→1.5日と示し、設計変更対応の遅れという課題に対応している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    設計・製造の時間短縮は数値で示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    初級技術者でも設計可能になり人員配置に余裕ができたと書かれるが、体制や人材計画の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客の信頼、採用件数の上位位置、価格優位など選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    復興道路の残り296kmや4~7年の市場など見通しはあるが、スケジュールや課題解決の方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ボックスカルバートは特許取得品だが、普及度や高水準の高付加価値化を示す記述は限定的である。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    復興道路550km・残り296km、社会インフラ維持更新の需要など、公共インフラに関わる国の補助理由が示されている。

  • 費用対効果3

    設計と製造の時間が大幅に短縮されたと書かれるが、補助金額や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    設計計算から図面作成まで一連で自動化する独自システムと書かれ、デジタル活用は読み取れるが波及効果の記述は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    社会インフラの維持管理・更新分野への進出が示されるが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及3

    東北の工場で復興道路の受注を担い、地域の工事に関わっているが、地域雇用や成長への記述は限定的である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

復興道路・復興支援道路は296km(約180箇所)が残っており、4〜7年間の市場が期待できる。今後は橋長15m以下の架け替え市場など社会インフラの維持管理・更新事業、海外進出も図っていく。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。