ものづくり補助金平成27年度製造業岩手県

大型複雑形状シートの効率的製造方法の確立

株式会社マルモシート

成果以前のウェルダーによる製造に比べ15%のリードタイムの削減

この事例のポイント

  • これまで自社設備では対応が難しく、大型複雑形状のシート製造を大企業や問屋に斡旋・紹介していた。
  • CADを導入し、紙面上の設計からCAD設計へ移行して設計時間の65%削減を実現した。
  • 以前のウェルダーによる製造に比べ15%のリードタイムの削減。高周波ウェルダーの導入により、これまで受注できなかった大型シート加工の内製化が可能となり、受注が増加した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社マルモシート
所在地岩手県 盛岡市
業種繊維工業
従業員数3人
資本金300万円
設立1961年

事業の背景

当社は先代が昭和36年に創業し、店舗軒先のオーニングテントや運動会等で設営される屋形テントなどのシート・テント類を製造してきた。近年、オーニングテントを設置する個人商店が減少し、需要は低迷していた。こうした状況を打開するため、平成24年より製造能力の向上と生産体制の拡充に着手した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力これまで自社設備では対応が難しく、大型複雑形状のシート製造を大企業や問屋に斡旋・紹介していた。
  • 人手・技能手指の挟み込み事故が多く、作業者の安全確保が課題であった。
  • コスト・採算オーニングテントの需要が低迷し、厳しい経営環境にあった。

やったこと

CADを導入し、紙面上の設計からCAD設計へ移行して設計時間の65%削減を実現した。さらに本事業で大型シート加工に必要な高周波ウェルダーを導入した。新規導入の高周波ウェルダーは金型の上げ下げを手元スイッチで微調整でき、細かな接着作業が可能になった。手指の挟み込みを防ぐ検知機能、スパーク(火花)の検知機能を備え、シート生地の焼け焦げや焼け穴、不良品の発生を抑える。各種操作はタッチパネルに集約され、加工条件のデジタル化とメモリー機能により条件の記録と再現が可能になった。

加工機ハイブリッド高周波ウェルダー
ソフトCAD

事業の効果

  • 以前のウェルダーによる製造に比べ15%のリードタイムの削減
  • 設計時間の65%削減を実現

高周波ウェルダーの導入により、これまで受注できなかった大型シート加工の内製化が可能となり、受注が増加した。リードタイムは以前に比べ15%短縮され、CAD導入で設計時間は65%削減された。メモリー機能により操作者の熟練度に関わらず一定の加工度を実現し、効率的な人員配置と作業環境の改善にもつながった。スポーツクライミング用マットカバーの受注生産が売上の大きな割合を占めるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    先代創業のシート・テント製造を基盤に、大型シート加工の内製化へ展開した流れが書かれている。経営戦略上の位置付けは明示が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    オーニング需要の低迷を背景に、大企業や問屋に斡旋していた大型複雑形状シートを直接受注する方針が書かれている。強み弱みの分析は具体的ではない。

  • 課題の認識と解決4

    大型シート加工の内製化によりリードタイムを15%削減し、設計時間も65%削減したと数字で示されている。課題と解決策の対応が読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    リードタイム15%削減や設計時間65%削減の実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員3名の体制であることのみ記載があり、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    スポーツクライミングのマットカバー受注や定期的な張替え需要など、ニーズの裏付けと顧客の選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    CAD導入から高周波ウェルダー導入へと段階的に進めた経緯は書かれているが、今後の中長期のスケジュールや課題解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    大型複雑形状シートの内製化やスポーツクライミングマットカバーに関する記載はあるが、普及度や高付加価値化の水準を示す記述は薄い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    シート加工業者の減少傾向に触れているが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由までは書かれていない。

  • 費用対効果2

    リードタイム削減や人員配置の効率化は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CADによる設計とタッチパネル・メモリー機能によるデジタル化は読み取れるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    岩手県盛岡市の企業である点は読み取れるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済への牽引効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

スポーツクライミングの競技人口増加により、マットカバーの定期的な張替え需要が見込まれ、今後も安定した売上の確保が期待される。顧客ニーズへの個別対応と技術力のアピールで、今後も受注拡大に努める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。