ものづくり補助金平成27年度製造業岩手県

超高精度領域の品質保証体制確立によるデライト(顧客満足度及び信頼度)の向上

株式会社 共立精工

成果測定機専用恒温室を24時間365日室温20℃に保つ

この事例のポイント

  • 半導体露光装置などに使うミクロン単位の精度を保証する検証・保証体制が整っていなかった。
  • ユーザーが要求する複雑な形状物の公差精度を保証するため、最新鋭の高精度3次元座標測定機を導入した。
  • 測定機専用恒温室を24時間365日室温20℃に保つ。高精度3次元座標測定機と測定機専用恒温室により、社内で高精度加工の検証と保証ができるようになり、ユーザーの要求する複雑…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 共立精工
所在地岩手県 花巻市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工,測定計測
従業員数50人
資本金1,300万円
設立1994年

事業の背景

当社は金属機械加工のサプライヤーとして、超高精度加工を得意とし、半導体露光装置やFPD露光装置に使われるステンレスやアルミニウム材質などの精密部品の受託生産を事業の柱としている。露光装置の高性能化に伴い、ユーザー企業が求める部品加工の要求精度は非常に高くなっている。精密部品加工業者は国内に数多くあり、会社の存続をかけた競争は年々激化している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度半導体露光装置などに使うミクロン単位の精度を保証する検証・保証体制が整っていなかった。
  • 品質・精度ユーザーが要求する自由曲面形状部品の高精度を、既存の非接触3次元スキャナーでは測定して保証することができなかった。
  • 人手・技能各種実績集計を手作業で行っていた。
  • 生産能力加工機械の稼働状況や検査データを一元的に管理できていなかった。

やったこと

ユーザーが要求する複雑な形状物の公差精度を保証するため、最新鋭の高精度3次元座標測定機を導入した。温度変化や振動による測定誤差を防ぐため、24時間365日室温20℃に保ち、風の影響を受けない構造の測定機専用恒温室を整備した。加工機械と検査装置を社内ネットワークに接続し、製造時の状況や検査時の測定値などを一元管理するソフトウェアを導入した。IoT技術を使った一元管理システムにより、加工機械の稼働率、稼働履歴、消費電力などの稼働実績データを24時間365日自動で収集・集計できるようにした。

検査測定高精度3次元座標測定機
その他測定機専用恒温室
ソフト加工・検査一元管理ソフトウェア

事業の効果

  • 測定機専用恒温室を24時間365日室温20℃に保つ

高精度3次元座標測定機と測定機専用恒温室により、社内で高精度加工の検証と保証ができるようになり、ユーザーの要求する複雑な形状物の公差精度を保証できるようになった。受注可能な案件数が増加し、さらに迅速な対応と短納期化が可能になった。加工・検査の一元管理により、誰でも必要な情報を閲覧・抽出でき、得られたデータが経営指標となって、QCD(品質・コスト・納期)の改善を図ることができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    自由曲面部品の受注や非接触3次元スキャナー保有など過去の取組との連続性が読み取れ、精密部品加工を事業の柱とする位置づけが示されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    露光装置向けステンレス・アルミ精密部品の受託生産が柱で、ユーザー要求精度の高度化に対し保証体制を整える強みの方向性が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    精度保証ができず受注に限界があったという課題を認識し、3次元座標測定機導入と恒温室整備で解決する計画が書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    受注可能案件数の増加や短納期化は書かれているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値や数字は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    技術者育成や社内体制の構築には触れているが、人材配置や事務処理体制の具体的な内容は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ミクロン単位の精度保証と複雑形状の公差保証が顧客ターゲット(露光装置最大手メーカー)と結びつけて明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    医療・航空分野への参入や継続投資の方向性は示されているが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    多品種小ロット生産に特化し、超高精度加工と保証体制で同分野で高水準の差別化を図る姿勢が書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    医療・航空など成長産業への参入に触れるが、雇用創出や経済波及効果の数字は示されておらず、国が補助する理由は薄い。

  • 費用対効果2

    導入設備と効果の記述はあるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果を示す数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    加工機と検査装置の社内ネットワーク接続と一元管理システムによるデータ活用が、製造現場のデジタル化として具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療・航空など成長産業分野への参入に言及しているが、日本経済の構造転換への貢献として書かれているわけではない。

  • 地域経済への波及2

    岩手県花巻市の立地や公設試の利用は書かれているが、地域経済の牽引や雇用創出の具体的な内容は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も積極的な設備投資を行い、より精度の高い、より難易度の高い製品づくりの実現と受注体制の確立を目指す。医療、航空をはじめとする成長産業分野への参入に向けて取り組む。

事業者の声

生き残るのではなく、勝ち残る経営姿勢

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。