ものづくり補助金平成27年度製造業宮城県

先端医療技術に貢献するMIM成形用金型の精密加工技術開発事業株

仙台エンジニアリング株式会社

成果穴位置精度 5ミクロン→2ミクロン

この事例のポイント

  • 内視鏡処置具の製造は削り出しが中心で、コストが高く新品の使い捨てには不向きだった。
  • 高精度高速微細加工機を導入し、MIM成型用金型の高精度加工技術の開発を試みた。
  • 穴位置精度 5ミクロン→2ミクロン。高精度高速微細加工機の導入により、穴位置精度と形状精度がともに目標値の±3ミクロンを上回る水準で安定して実現できるよう…

事業者のプロフィール

事業者名仙台エンジニアリング株式会社
所在地宮城県 亘理町
業種金属製品製造業
技術分野精密加工

事業の背景

創業当初はコネクタ等のパーツ加工を主に手掛けていた。金型製作には、リーマンショックの1年前から進出し、金型の主要パーツ製作など多品種小ロットの案件も数多く手掛けている。医療現場では内視鏡処置具の安全性を高めるため、新品使い捨てタイプの処置具の使用が浸透し始めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算内視鏡処置具の製造は削り出しが中心で、コストが高く新品の使い捨てには不向きだった。
  • 品質・精度MIM成型に必要な金型の高精度加工では、加工前の穴位置精度・形状精度がともに±5ミクロンだった。

やったこと

高精度高速微細加工機を導入し、MIM成型用金型の高精度加工技術の開発を試みた。タップ加工下穴、精密穴あけ加工、円柱及び八角形加工などの多角的なテスト加工を行い、高精度加工技術を確立した。加工機導入後は、穴位置精度が±2ミクロン、形状精度が±1ミクロンとなり、目標値の±3ミクロンを上回る加工精度を安定的に実現できるようになった。技術基盤の構築後、試作した金型を顧客へ納品し、現在は先方で検証を重ねている。

加工機高精度高速微細加工機

新しい製品・サービス:内視鏡処置具のMIM成型に用いる金型

事業の効果

  • 穴位置精度 5ミクロン→2ミクロン
  • 形状精度 5ミクロン→1ミクロン

高精度高速微細加工機の導入により、穴位置精度と形状精度がともに目標値の±3ミクロンを上回る水準で安定して実現できるようになった。加工精度の向上により金型の品質が高まり、顧客への納品につながった。導入した加工機は他案件の生産性向上にも結び付いている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業時のコネクタ加工から金型製作へ、リーマンショック1年前に進出したとあり、部品加工と金型の二本柱として一貫した事業展開が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    他社が敬遠する修正・追加工に即応する体制を整え付加価値にしている。医療ニーズの変化を捉えた点も具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    削り出し処置具はコストが高く新品使い捨てに不向きという課題を認識し、MIM成型用金型の高精度加工技術を開発している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    穴位置精度を±5ミクロンから±2ミクロンに改善し目標±3ミクロンを上回った。付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    修正・追加工に即応できる体制を整えたとあるが、人員数や事務処理体制など補助事業を遂行する人材面の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は内視鏡処置具の製造に関わる医療分野で、削り出しでは難しい形状も金型で製作できる点が価値として整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    技術基盤構築後に試作金型を納品し先方で検証中とあるが、今後のスケジュールや課題解決の方法は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達2

    キャッシュフローの面から部品加工と金型の比率を保つとだけ触れており、資金調達や金融機関との関係は読み取れない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    MIM成型による内視鏡処置具の製造は研究段階の新分野とされ、±1ミクロンの形状精度など高水準の加工精度もうかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    導入した加工機は他案件の生産性向上にも結びつき、近隣企業と協力して自社製品を目指すとあり、地域への波及がうかがえる。

  • 費用対効果2

    処置具のコストダウンに触れているが、補助金の投入額に対する付加価値額の増加や生産性の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    高精度高速微細加工機とMIM成型技術の組み合わせで医療用処置具の新たな製造方法を模索しており、技術面の革新性がうかがえる。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    医療分野に加え介護ロボットなどの新分野への挑戦を掲げており、成長分野への進出の方向性がうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    亘理町に拠点を置き、近隣企業と協力しながら事業を展開する姿勢が示されており、地域との連携がうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

得られた成果を多分野へ広げ、近隣企業と協力しながら将来は自社製品の開発も手掛けていきたいとしている。部品加工6割、金型製作4割の比率は変えず、他の医療分野や介護ロボットなどの新分野に挑んでいく方針である。

事業者の声

創業当初はコネクタ等のパーツ加工を主に手掛けていました。金型製作に進出したのはリーマンショックの1年前から。金型の主要パーツ製作といった多品種小ロットの案件も数多く手掛けています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。