ものづくり補助金平成27年度製造業宮城県

塩分無添加製麺工程の高度化及び塩分無添加製麺法を活用した新商品開発

はたけなか製麺株式会社

成果1日あたり生産量 1,200kg→1,950kg

この事例のポイント

  • 無塩乾麺は、塩分混入を防ぐために給水を手作業で行っており、生産量には限界があった(1日あたり最大1,200kg)。
  • 無塩乾麺専用の自動送水システムを構築するため、ステンレス製タンクや架台の導入と配管工事を同時に行った。
  • 1日あたり生産量 1,200kg→1,950kg。自動送水システムの導入により、無塩乾麺の生産量が大幅に増え、現在は最大3,000kg近くまで伸びている。

事業者のプロフィール

事業者名はたけなか製麺株式会社
所在地宮城県 白石市
業種食料品製造業
従業員数41人
資本金5,000万円
設立1930年

事業の背景

明治23年創業の白石温麺の老舗で、120余年にわたり油を使わない伝統製法を守ってきた。平成27年には東北大学大学院農学研究科との産学連携で食塩相当量0gの「無塩ZERO温麺」を開発し、宮城県内のスーパーマーケットや自社販売所、ホームページで販売して好調だった。温麺は地域性が高く他県への展開は難しいため、より広域のマーケットに出られる無塩うどんやそうめんの開発を進めていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力無塩乾麺は、塩分混入を防ぐために給水を手作業で行っており、生産量には限界があった(1日あたり最大1,200kg)。
  • コスト・採算手作業による給水は今後の生産量拡大を考えると限界があり、コスト高にもつながっていた。
  • 品質・精度手作業の給水では加水計量ミスや異物混入のリスクがあった。

やったこと

無塩乾麺専用の自動送水システムを構築するため、ステンレス製タンクや架台の導入と配管工事を同時に行った。これにより、ミキサーへの給水を手作業から自動機械化した。東北大学大学院農学研究科の協力を得て、無塩うどん・そうめん・きしめんの試作を行った。システム構築直後のトライアルでは、従来の1日1,200kgから1,950kgへ生産量が大幅に向上し、現在は最大3,000kg近くまで伸びている。加水計量ミスや異物混入防止の効果も期待できる。

その他無塩乾麺専用の自動送水システム(専用給水器)

新しい製品・サービス:無塩うどん・無塩そうめん・無塩きしめんの3種類

事業の効果

  • 1日あたり生産量 1,200kg→1,950kg
  • 無塩乾麺工場稼働率 30%→50%

自動送水システムの導入により、無塩乾麺の生産量が大幅に増え、現在は最大3,000kg近くまで伸びている。手作業による給水をなくしたことで、加水計量ミスや異物混入を防ぐ効果も期待できる。工場稼働率も改善され、コストパフォーマンスを高めることにも成功している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業120余年の白石温麺の老舗で、無塩ZERO温麺の開発や無塩乾麺専用の送水システム導入など、過去の取組の延長として無塩シリーズを展開している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    東北地方の卸売業者PB商品としての販路開拓や、関東以南のPB展開を目指す段階と読み取れるが、市場規模や競争優位の数値分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    手作業給水による生産量の限界とコスト高を課題として認識し、自動送水で生産量を1,200kgから3,000kg近くに伸ばしたと記載されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産量が1日1,200kgから1,950kg、現在最大3,000kg近くまで伸び、無塩乾麺工場稼働率も30%程度から50%へ改善と具体的数値がある。

  • 事業を進める体制2

    東北大学大学院農学研究科との連携や執行役の大友氏による導入指揮はうかがえるが、補助事業を遂行する人員や事務処理体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    無塩であることを証明し食感も有塩と遜色ない結果を得た点、健康志向の消費者ニーズに応える点が書かれているが、ターゲットの定量的裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    無塩うどんやそうめんの発売時期をマーケット規模や売れ行きを見て検討すると記載され、段階的な進め方はうかがえるが、スケジュールは明示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    他社先行品はあったが無塩乾麺はマーケットがないとの見方があり、無塩ZERO温麺は減塩弁当への採用など高付加価値化を図る取組と読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域特性の強い温麺の商品化や地域農業法人との協力はうかがえるが、国が補助する波及効果や雇用創出の具体的な数字は書かれていない。

  • 費用対効果4

    生産量が1日1,200kgから3,000kg近くまで伸び、工場稼働率も30%から50%へ改善したと、補助投資による生産性向上が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    東北大学との産学連携やデジタル技術の活用は書かれているが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は明示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    宮城県白石市の地域特性を持つ温麺を基盤に、東北地方中心の販路から広域展開を目指す点は読み取れるが、地域雇用への効果は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

無塩うどん・そうめんは東北地方を中心とする卸売業者のPB商品として発売されており、関東以南のスーパーマーケットでのPB展開に向けて相手先を探している段階である。無塩きしめんの発売は、マーケット規模や先行2商品の売れ行きを見ながら検討していくという。

事業者の声

我々は作ることは得意ですが、売るのが苦手なものですから。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。