ものづくり補助金平成27年度製造業宮城県

厚板鋼材精密切断加工技術の導入による荷役・重機設備等架装技術革新事業

株式会社宝栄鉄工

この事例のポイント

  • 中小規模の鉄工所ではプラズマによる精密切断できる鋼板の厚さが25mm未満が限界で、厚板鋼材の精密切断加工の要求が増え続けて対応が課題になっていた。
  • 厚板鋼材の精密切断加工のため、ツイスター加工機TFP3051α長寿命仕様を導入した。
  • 加工機の導入により、切り板と呼ばれる厚板加工の地域的需要を取り込むことに成功した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社宝栄鉄工
所在地宮城県 石巻市
業種鉄鋼業
技術分野精密加工
従業員数3人
資本金1,000万円
設立1990年

事業の背景

株式会社宝栄鉄工は石巻圏を主な営業エリアとし、海洋土木鋼構造物や港湾荷役会社の設備改修などを手掛けている。荷役機械や重機の架装・改修も事業の柱になっている。切り板は外注としての受注が中心で、顧客からの発注が同業他社に分散する場合もある。石巻圏の同業他社は厚板の切断加工を他県の企業に発注していたため、納品まで最短でも3〜4日を要していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力中小規模の鉄工所ではプラズマによる精密切断できる鋼板の厚さが25mm未満が限界で、厚板鋼材の精密切断加工の要求が増え続けて対応が課題になっていた。
  • 生産能力厚板鋼材に不具合や加工不良が見つかった場合は関東地区に厚板鋼材を送って修復加工しており、対応に時間がかかっていた。
  • 納期・工程関東への輸送を伴うため、リードタイムが長期化し、輸送コストや外注先加工費が増え、取引先の不満にもつながっていた。

やったこと

厚板鋼材の精密切断加工のため、ツイスター加工機TFP3051α長寿命仕様を導入した。加工要件を詳細に伝えてメーカーと最適な加工能力を検討し、パワーアップキット、集塵機、ヒューム固化装置も併せて導入した。導入後は加工テストや切り板を行い、その情報をもとに厚板鋼材を精密切断加工する工程の技術仕様書を作成中である。また、生産技術の標準化に合わせ、生産計画および生産管理業務のIT化を進め、顧客の納期を確実に満たせる体制の確立を目指している。

加工機ツイスター加工機TFP3051α長寿命仕様
その他パワーアップキット
その他集塵機
その他ヒューム固化装置

事業の効果

加工機の導入により、切り板と呼ばれる厚板加工の地域的需要を取り込むことに成功した。タイミングが合えば即日出荷も可能になり、従来の最短3〜4日から大きく短縮された。港湾荷役会社や鋼材・重機メーカー、取扱店への営業も始まり、顧客が来訪した際には相原社長自らが加工機を稼働させて案内している。石巻工業港の荷役能力の維持にも貢献している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    先代から鉄缶関連の仕事を広げてきた経緯を土台に、厚板加工拠点として石巻工業港の機能向上を位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    石巻圏で厚板切断を他県に発注し3~4日を要していた需要を、現場対応力を強みに取り込んだと述べている。

  • 課題の認識と解決4

    厚板25mm未満が加工限界で関東へ送っていた課題に対し、加工機導入で即日出荷も可能になったと具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの数値目標は示されておらず、納期面の優位性向上にとどまる記述がうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    従業員3名の体制で、社長自ら現場を案内し手作業ができる人材育成に取り組むと読み取れるが、体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    港湾荷役会社や鋼材・重機メーカー、取扱店を顧客とし、即日出荷や現場対応力が選ばれる理由として整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    加工の技術仕様書を作成中で、生産管理のIT化を進めて納期体制を確立する方針が示されているが、時期は書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金1,000万円という記載はあるが、資金調達の見込みや財務状況の詳細は公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    中小鉄工所では難しい厚板の精密切断に取り組み、25mm以上の厚板を扱える点で地域で高水準の加工を図っている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    石巻工業港の荷役能力維持に貢献し、今後は石巻の産業復興の一端を担うと地域への波及効果が述べられている。

  • 費用対効果2

    補助金額や投資に対する付加価値増加、生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果はうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献3

    生産計画と生産管理業務のIT化を進め、地域の取引先の納期体制を整える方向性が示されているが具体性は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    製缶や土木工事用鋼材へ技術を応用する方針はあるが、成長分野への進出や構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及4

    石巻圏の地域需要を取り込み、地域全体で仕事を分け合う方針で、石巻の産業復興に寄与すると述べている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は製缶や土木工事用鋼材にもこの技術を応用し、石巻の産業復興の一端を担いたいとしている。加工写真や実績を交えたレポートの作成にも取り組む計画である。

事業者の声

当社が厚板鋼材の加工拠点として機能することで、石巻工業港の荷役能力の維持に貢献していきます。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。