ものづくり補助金平成27年度医療、福祉秋田県

超高画質4K画像を遠隔地の地域拠点の関連病院と通信ネットワークで送受信し、より短時間で手術中の迅速病理診断を下すシステム

株式会社秋田病理組織細胞診研究センター

成果手術中迅速病理診断の平均時間 45分→35分

この事例のポイント

  • 病理医不在の地域拠点の関連病院では手術中の迅速病理診断の需要が高まる見込みだが、高精細な大容量画像データの送受信に時間がかかり、手術中の患者に負担をかけていた。
  • 超高画質の4K画像遠隔病理診断システムを導入し、切り取った組織を高速でスキャンしてデジタル画像として取り込めるようにした。
  • 手術中迅速病理診断の平均時間 45分→35分。4K画像の高速スキャン、デジタル画像の取り込み、高速送受信により、手術中迅速病理診断の時間を大幅に短縮し、精度の高い正…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社秋田病理組織細胞診研究センター
所在地秋田県 秋田市
業種医療業
従業員数21人
資本金2,500万円
設立2003年

事業の背景

当社は創立から15年の間に遠隔病理診断の実績を積み、病理組織診断医および細胞診断医の協力体制が整っている。当社は遠隔病理組織診断と術中迅速細胞診断支援の事業を行っている。病理医不在の地域拠点の関連病院では、手術中の迅速な病理診断を行えるテレパソロジーの需要が高まる見込みである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力病理医不在の地域拠点の関連病院では手術中の迅速病理診断の需要が高まる見込みだが、高精細な大容量画像データの送受信に時間がかかり、手術中の患者に負担をかけていた。
  • 納期・工程手術後の永久標本の作製には通常1〜2日かかり、迅速診断結果の再確認が遅れていた。
  • 新製品・新技術患者の負担を軽減し病理医がより早く高い精度で診断できる、高精細な遠隔病理診断システムや標本作製装置の必要性を感じていた。

やったこと

超高画質の4K画像遠隔病理診断システムを導入し、切り取った組織を高速でスキャンしてデジタル画像として取り込めるようにした。光回線によるVPNを利用して画像データの送受信速度を高め、4K画像から8K画像へ拡張できる構成とした。永久標本の作製専用ラインを新たに設け、術後の迅速診断結果の確認を当日または翌日にできるようにした。個人情報のセキュリティ対策も強化した。設備は2セット導入した。

  • 検査測定超高画質4K画像遠隔病理診断システム

新しい製品・サービス:超高精細4K画像遠隔病理診断システム(テレパソロジー)

事業の効果

  • 手術中迅速病理診断の平均時間 45分→35分
  • 永久標本の作製期間 2日→1日

4K画像の高速スキャン、デジタル画像の取り込み、高速送受信により、手術中迅速病理診断の時間を大幅に短縮し、精度の高い正確な診断を短時間で行えるようになった。永久標本の専用ラインを確立したことで、術後の迅速病理診断結果の確認が当日または翌日にできるようになり、病理医の精神的負担の軽減にも大きく貢献している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    創立から15年、遠隔病理診断の実績があると書かれ、テレパソロジー事業の延長として設備投資を位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    病理医不在の地域拠点の関連病院向けに差別化を図ると書かれているが、市場規模や競合との比較の数字は示されていない。

  • 課題の認識と解決5

    手術中迅速診断の平均約45分から約35分への短縮、永久標本作製の1~2日から1日以内への短縮と数字で課題と解決が示されている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    診断時間が約45分から約35分に短縮された実績と、設備導入後に山形県の公的病院で運用開始された事実が書かれている。

  • 事業を進める体制3

    病理組織診断医および細胞診断医の協力体制が万全と書かれているが、補助事業の遂行体制の具体的な人数や役割は示されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    病理医がより早く高精度に診断でき、患者負担を減らすという価値と、他社との差別化による顧客増加の見込みが整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    4K画像から8K画像への拡張性や販路拡大の展開が書かれているが、スケジュールや課題解決の具体的な方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    テレパソロジーは病理医不在地域での需要が高まる見込みと書かれているが、普及度や高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    地域医療への貢献や患者負担の軽減はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出などの国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    診断時間の短縮と設備導入による売上増加の見込みはあるが、補助金投入額に対する付加価値額や費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    4K画像とVPNによる高速送受信、8K拡張性、個人情報のセキュリティ強化など、先端的デジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    遠隔医療の需要拡大という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    地域医療に貢献すると書かれ、病理医不在の地域拠点の関連病院を支援する点で地域性はあるが、地域経済の成長や雇用創出の記述は薄い。

今後の展望

設備2セットのうち1台は山形県東根市の公的病院で運用が始まった。今後、宮城県内の中規模病院での採用が決まり次第、速やかに運用を開始する予定である。営業利益が好調であれば、同様の設備投資を続ける計画である。

事業者の声

テレパソロジーを利用した病理細胞診システムの導入で、県外そして海外でも術中迅速診断が可能となり、市場の拡大が見込まれる。今後、営業力を強化し当社の海外でのブランドの強化に繋がるものと思われる。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。