ものづくり補助金平成25年度医療、福祉鳥取県

歯科技工精度の安定化と高度化を目指すための「歯科用CAD/CAMシステム活用加工装置の導入」

有限会社ビタデント

成果手作業で行っていたワックスアップや鋳造、加工が自動加工となった

この事例のポイント

  • 歯科技工士を取り巻く環境悪化による人手不足がある。
  • ハイブリッドセラミックブロックやジルコニア半焼結ブロックなどの新素材を高精度で精密加工できるCAD/CAMシステムを活用した加工装置を導入した。
  • 手作業で行っていたワックスアップや鋳造、加工が自動加工となった。レジンブロックやジルコニア等の先進材料を臨床で使用し、問題なく高いレベルで完成させた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社ビタデント
所在地鳥取県 米子市
業種医療業
技術分野精密加工
従業員数3人
資本金5,000万円
設立1996年

事業の背景

当社は平成8年に米子市で創業し、歯科技工全般を扱ってきた。保険技工が90%、自費技工が10%の割合で、主な取引先は米子市内の歯科医院からの請負型加工であった。近年は取引先の高齢化による廃業や他社との競争激化により受注が大きく減少している。業界では審美性や生体親和性を求める患者が急増し、平成26年4月以降はCAD/CAMで製作したハイブリッドセラミック製の小臼歯が保険適用に追加されるなど、競争が一層激化すると予想されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力歯科技工士を取り巻く環境悪化による人手不足がある。
  • 品質・精度技工物の製作の大半が手作業のため、エラーが起きやすい。
  • 新製品・新技術保険適用の新素材等への加工対応力がない。
  • 人手・技能同業者との激しい値下げ競争が限界を迎え、新素材の活用が生き残りの鍵となっている。

やったこと

ハイブリッドセラミックブロックやジルコニア半焼結ブロックなどの新素材を高精度で精密加工できるCAD/CAMシステムを活用した加工装置を導入した。スキャナーは4台のカメラによる高精度・高速スキャンを実現し、そのデータを加工機で加工するためのデータを作製する。ジルコニア半焼結等の先進材料の切削加工にはエアーブロー装置と集塵カプセルを標準装備した。完成した技工物は臨床模型を用いて加工物を作製し、適合検査を行った。

加工機歯科用CAD/CAMシステム

新しい製品・サービス:ハイブリッドセラミックブロック・ジルコニア等の新素材を高精度で精密加工する歯科用CAD/CAMシステムを活用した加工装置

事業の効果

  • 手作業で行っていたワックスアップや鋳造、加工が自動加工となった

レジンブロックやジルコニア等の先進材料を臨床で使用し、問題なく高いレベルで完成させた。手作業で起きていたレジンの重合不足や気泡混入などの技工エラーがなくなった。ワックスアップや鋳造などが自動加工となり、集塵カプセル内で研磨するため作業環境も改善した。技工作業の自動化により作業時間が大幅に減少し、人手不足の解消にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の請負型加工業から審美性・生体親和性重視へ移行する方針が書かれ、新素材導入は経営上の位置づけとして読み取れる。過去の取組との連続性は具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    業界の値下げ競争や取引先の高齢化による減少が書かれ、新素材加工で差別化する方向が示される。ただし経営資源の強み・弱みの分析は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決3

    手作業によるエラーや人手不足という課題が挙げられ、CAD/CAM導入で解決する構図は読み取れる。売上・付加価値の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性を裏付ける数値も見当たらない。作業時間の大幅減とだけ記載がある。

  • 事業を進める体制3

    従業員3名で技工物製作を実施し、適合テストまで行った経緯が書かれる。体制の詳細や事務処理能力については記載が薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    審美性・生体親和性を求める顧客や歯科医院のニーズ、他社との差別化が記載される。ターゲットの具体的な数や規模は書かれていない。

  • 事業化までの道筋3

    4台カメラによるスキャン、データ作成、切削加工、適合テストの工程は示される。今後の展開として販路拡大やオンライン連携も挙げられている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ハイブリッドレジンブロックやジルコニアの新素材加工に対応し、保険適用の新素材加工力がない課題を解決した点が書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    保険適用の新素材追加により競争が激化するという業界動向は書かれるが、地域経済や雇用創出への波及効果は具体的に記載されていない。

  • 費用対効果3

    作業時間の大幅減少と人手不足の解消が書かれるが、投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD/CAMとデジタル切削加工の活用が中心で、歯科医とのオンラインデータ交換の研究も挙げられている。ただし業界全体への貢献の記述は限定的。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    デジタル化による歯科技工の構造変化が書かれるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    米子市での創業や地域の歯科医院との取引が書かれるが、地域の特性を活かした成長牽引としての記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新規取引先への販路拡大として、従来の歯科医へのPR促進やホームページ、チラシ等による顧客へのPRを進める。また新たな素材への技術的対応能力の研修、歯科医とのオンラインによるデータ交換の研究を行う。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。