ものづくり補助金平成27年度製造業山形県

山形カクテルの製造ライン構築と新規市場の開拓

加藤嘉八郎酒造株式会社

この事例のポイント

  • 当社は明治5年の創業以来、清酒のみを製造してきたため、新たな商品として日本酒を使ったリキュールを製造・販売する必要があった。
  • リキュール製造免許を取得し、県産の果物を使うことを検討した結果、中山町の「山形の石焼き屋」の石焼ジャムを候補とした。
  • 平成29年7月31日から「山形カクテル ふるふる ラ・フランス」の販売を開始した。

事業者のプロフィール

事業者名加藤嘉八郎酒造株式会社
所在地山形県 鶴岡市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
従業員数33人
資本金8,000万円
設立1960年

事業の背景

当社は明治5年の創業以来、清酒製造蔵元として清酒のみを製造してきた。東京都内でバー20数店舗を展開する日比谷Barが日本酒カクテルを提供する「SAKE HALL HIBIYA BAR」を銀座にオープンし、日本各地の7つの蔵元の日本酒を基酒として使用しており、当社も純米酒を提供していた。こうした動きと、山形地酒卸問屋の助言をきっかけに、新商品の開発に必要な設備導入を図った。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術当社は明治5年の創業以来、清酒のみを製造してきたため、新たな商品として日本酒を使ったリキュールを製造・販売する必要があった。

やったこと

リキュール製造免許を取得し、県産の果物を使うことを検討した結果、中山町の「山形の石焼き屋」の石焼ジャムを候補とした。石焼機で作るジャムは果物を焼いて水分を飛ばし旨味を凝縮させ、果肉とグラニュー糖だけで作られる。県産の様々な果物で石焼ジャムを試作し、日本酒と合わせたカクテルの商品化をめざした。石焼ジャム入りの日本酒カクテルの製造・量産化にあたり、ジャム用充填機と清酒用充填機を導入した。さらに、充填した容器の蓋をかしめる打栓機と、ジャムと清酒が均一に充填されているかを確認・管理する電子天秤を購入した。

加工機ジャム用充填機
加工機清酒用充填機
加工機打栓機
検査測定電子天秤

新しい製品・サービス:山形カクテル ふるふる ラ・フランス(アルコール度数7%、138ml)

事業の効果

平成29年7月31日から「山形カクテル ふるふる ラ・フランス」の販売を開始した。顧客が開栓直前にシェイキングして完成させる参加型の商品とした。県内外の酒販店やイベント会場で展示・販売し、本物のラ・フランスのような香りが女性だけでなく男性にも好評を得た。日本酒カクテルの販売により新たな日本酒ユーザーの増加と県産フルーツの需要拡大に寄与することをめざしている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    明治5年創業の清酒蔵が、山形カクテルミーティングや武田庄二商店の助言を経て、リキュール免許取得と新商品開発へ進んだ経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    「世界初の日本酒カクテル」と位置づけ、日本酒市場拡大をめざすと書かれているが、競合との比較や優位性の根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    さくらんぼ石焼ジャムは価格が高く採算が合わず見送ったと課題を記し、付加価値をつける方向性を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。販売本数は3,500本と実績のみ記載されている。

  • 事業を進める体制3

    山形カクテルミーティングや武田庄二商店と検討を重ねた体制は読み取れるが、人材や事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客が開栓直前にシェイキングする参加型商品で、ラ・フランスの香りが女性と男性に好評だったと具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は県産フルーツを使った製品を開発し、生産量を増やして試飲会やイベントに出展すると展望が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    日本酒カクテルは分野として新しく、世界初と位置づけ、ラ・フランスの香りを特徴に新市場をめざす内容が書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    県産フルーツの需要拡大や県内外のイベントでの展開を通じ、地域の果物と日本酒の消費を広げる効果が示されている。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額、生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献2

    新しい楽しみ方として参加型の商品設計が書かれているが、デジタル技術の活用は示されていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    日本酒ユーザーの増加や県産フルーツの需要拡大が見込まれると書かれているが、産業構造の転換までは述べられていない。

  • 地域経済への波及4

    山形の果樹王国の特性を活かし、ラ・フランスや石焼ジャムなど県産果物を使う地域性の強い事業として具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は山形県産の様々なフルーツを使った日本酒カクテルを開発・販売し、生産量を増やして各地の試飲販売会やイベントに出展して宣伝活動を行う予定である。さくらんぼは価格の問題で一度見送ったが、付加価値をつけて商品化することを考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。