ものづくり補助金平成27年度製造業山形県

ワイヤー放電加工機導入による車載用自動溶接組立溶接向け一貫工程の増強と市場拡大

株式会社トガシ技研

この事例のポイント

  • 自動車ボディー用の3次元湾曲形状は高精度の加工が必要だが、現有のマシニングセンタでは対応できなかった。
  • ワイヤー放電加工機を導入し、自社で3次元湾曲形状の治具などを加工できる体制を整えた。
  • ワイヤー放電加工機の導入により、従来不得意だった超高度の材料加工が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社トガシ技研
所在地山形県 鶴岡市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数96人
資本金1,000万円
設立1988年

事業の背景

当社の主力は自動車用自動溶接機で、ボディー用、シャーシ用、足回り用などの用途ごとに仕様が異なる。ボディー用は3次元の湾曲形状で強度のため二重構造になっており、この二重構造を押さえて合わせる治具を現有のマシニングセンタで加工していた。加工時間が長く精度も不十分だったため、受注機会を失う状態が続いていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度自動車ボディー用の3次元湾曲形状は高精度の加工が必要だが、現有のマシニングセンタでは対応できなかった。
  • 生産能力ボディー用治具の加工に時間がかかり、加工精度も悪かったため、ボディーとバンパーの自動溶接機の受注を逃していた。
  • 生産能力外注では短納期やコストの要求に応じられず、受注を逃していた。

やったこと

ワイヤー放電加工機を導入し、自社で3次元湾曲形状の治具などを加工できる体制を整えた。自動車の車体を生産する際は押さえ込む工程が10工程ほどあり、1工程あたり10箇所で車体を押さえるため、ライン全体では固定加工機を使う箇所が1ラインあたり100を超えていた。従来は段取りを何度も変えるか外注で対応していたが、本機導入で段取りが1回で済むようになった。

事業の効果

ワイヤー放電加工機の導入により、従来不得意だった超高度の材料加工が可能になった。マシニングセンタに比べて工具の種類が減り、コストもかからないため大幅なコスト削減ができた。材料の切断幅も小さく無駄なく材料を使えるため、高価な材料では材料費も削減できた。外注していた部分を社内で対応できるようになり、時間とコストが大幅に減少し、顧客の求める短納期と加工精度に応えられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    自動溶接機の受注を逃した課題に対しワイヤー放電加工機を導入し、既存の自動車用溶接機事業の延長で、医療・ロボット分野への拡大を位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    従来不得意だった超高度材料加工が可能になったと述べるが、市場規模や競合との比較の数字は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    外注で短納期・コスト対応できなかった課題を認識し、社内加工化で大幅な時間・コス削減につなげたとしている。ただし削減率の数値はない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、成果も定性的な記述にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    設計・加工・組立・電気までの業務内容と従業員96名の記載はあるが、補助事業の遂行体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客は自動車溶接機メーカーで、医療・航空機・ロボットへの受注拡大を狙うと書かれ、ターゲットは示されている。

  • 事業化までの道筋3

    半導体ロボット生産の新工場建設や航空機産業への展開など今後の計画はあるが、スケジュールや課題解決方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    超高度材料加工や窒化セラミック・伝導性セラミック加工に言及するが、同分野での価格水準や普及度の数字はない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    ロボット・医療は成長分野と述べるが、経済波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果3

    外注削減によるコスト削減と材料費削減に触れるが、補助金額に対する付加価値増加の数字はない。

  • イノベーションへの貢献2

    ワイヤー放電加工による社内加工化は述べられるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    半導体ロボット・医療・航空機など成長分野への進出が示されるが、構造転換への言及は明確でない。

  • 地域経済への波及2

    山形県鶴岡市の企業とあるが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及は読み取れない。

今後の展望

新しいクリーンルームの新工場で半導体用ロボットの生産を手がけており、医療用注射針のメッキ装置も計画している。ロボットと医療分野は成長分野として拡大を図る。航空機産業では窒化セラミック部品や伝導性セラミック加工の受注による事業拡大を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。