ものづくり補助金平成27年度サービス業(他に分類されないもの)山形県

高出力な木材破砕機の導入による生産効率向上と販路の拡大

有限会社エコファーム長井

成果稼働時間 6時間/日→7時間/日

この事例のポイント

  • 従来設備では処理能力に限りがあり、林業や河川工事などから増えると見込まれる不要材の搬入に十分応えられなかった。
  • 外国製の出力の高い最新型の木材破砕機を導入し、木くず破砕の効率化と生産性向上に取り組んだ。
  • 稼働時間 6時間/日→7時間/日。1工程で一気に2インチ以下の木材チップを生産できるようになり、工程の短縮と作業の効率化が図られた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社エコファーム長井
所在地山形県 長井市
業種廃棄物処理業
技術分野材料製造プロセス
従業員数7人
資本金1,500万円
設立2000年

事業の背景

当社は長井ダムの建設を機に排出される伐採木をチップ化して有効活用するために設立された。現在は数少ない生木専門の木材処理工場として、林業や河川工事などで発生する不要材や伐採木の幅広い処理需要に応えている。近年は再生可能エネルギー推進の政策により、近隣に木質バイオマス発電所の建設が相次いでいる。林業の活性化に伴い、バイオマス発電に向かない不要材の搬入増加が見込まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来設備では処理能力に限りがあり、林業や河川工事などから増えると見込まれる不要材の搬入に十分応えられなかった。
  • 納期・工程従来設備では伐採木を細かなチップにするのに4インチと1.5インチのスクリーンによる2段階の破砕工程が必要だった。
  • 納期・工程スクリーン交換やメンテナンスに時間を取られ、一次破砕後のチップを重機で移動して再投入する手間もかかっていた。
  • 生産能力一次破砕後のチップを仮置きする場所が必要で、そのためにスペースを確保しておく必要があった。
  • その他増産分の受け入れ先として新規顧客を開拓し、商圏を広げることが課題だった。

やったこと

外国製の出力の高い最新型の木材破砕機を導入し、木くず破砕の効率化と生産性向上に取り組んだ。本場アメリカで実績のあるメーカー製で、大きな処理能力と安全性を目指して設計された移動式の木材破砕機である。国内メーカー製と比べて力の差は歴然で、堅いブナ材や伐根なども効率よく破砕できる。処理能力は1日7時間稼働で150.5㎥(実績値)であり、従来設備比1.25倍の処理が可能になった。新設備では2インチスクリーンによる破砕の1工程だけで細かなチップへの加工ができるようになった。

加工機移動式木材破砕機(外国製・アメリカメーカー製)

事業の効果

  • 稼働時間 6時間/日→7時間/日
  • 処理能力 1倍→1.25倍
  • 破砕工程数 2工程→1工程

1工程で一気に2インチ以下の木材チップを生産できるようになり、工程の短縮と作業の効率化が図られた。スクリーン交換やメンテナンスの時間が減り、一次破砕チップの移動と再投入の作業も不要になった。1日あたりの稼働時間が増え、生産性が向上した。従来は仮置き場だったスペースを未処理の木くず保管ヤードとして確保でき、木くずの受け入れ制限をせずに稼働できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    設立の経緯として長井ダム建設時の伐採木チップ化が書かれ、木材処理の継続性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国の再生可能エネルギー推進と近隣バイオマス発電所の増加を背景に挙げ、外部環境は読み取れるが、自社の強み・弱みの分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    処理能力が従来比1.25倍、破砕工程が2段階から1工程になったなど、課題と解決策が具体的に示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    1日7時間稼働で150.5㎥、稼働時間が6時間から7時間に増えたと実績値があるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    畜産の敷料や木質バイオマス発電燃料など顧客用途が明示され、選ばれる理由として一次破砕後の仮置き場解消なども書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は分類の工夫や堆肥の普及、災害復旧での不要材増加への対応が示されるが、スケジュールや検証過程は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    木材破砕は一般的な分野だが、堅いブナ材や伐根に対応する高出力機との記述があり、高水準の処理性能が示唆される。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    木質バイオマス発電、災害復旧、リサイクル推進への貢献が挙げられ、社会的な役割と需要創出の理由が読み取れる。

  • 費用対効果4

    処理能力1.25倍、稼働時間1時間増加、保管スペースの確保など、投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    食品リサイクルのおからを混ぜた堆肥製造は触れられているが、先端的デジタル技術の活用は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    再生可能エネルギーの推進や資源有効活用への言及はあるが、日本経済の構造転換に資するとの記述は薄い。

  • 地域経済への波及3

    長井市の地域で発生する伐採木や河川工事の不要材を処理し地域に貢献する旨が読み取れるが、雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

細かく破砕後に異物を除いた破砕チップは、現在、近隣地域の大規模畜産業者への敷料供給と木質バイオマス発電所への燃料供給を行っている。今後は客先が使いやすい分類などに努め、販路開拓による資源の有効活用とリサイクルを進める。自社製品である伐採木の発酵堆肥についても、土壌改良剤としての普及に努める。豪雨や台風被害による災害復旧で倒木や伐採木の搬入が増えており、生木専門の処理業者として柔軟に対応していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。