ものづくり補助金平成27年度医療、福祉福島県

CAD/CAMセンター設置による国内外からの受注拡大と雇用創出

成果適合作業・カラーリングから仕上げまでの時間 100%→70%

この事例のポイント

  • 既存設備ではCAMの微調整機能と高温焼結技術が欠けており、設計データどおりの品質を保てなかった。
  • 加工用のCAM機として、CAMソフトを含むミリングマシンCAD/CAMを導入した。
  • 適合作業・カラーリングから仕上げまでの時間 100%→70%。CAM加工と高温焼結の内製化により、切削加工精度が0.1mm以下で安定して得られるようになった。

事業者のプロフィール

所在地福島県 福島県西白河郡中島村
業種医療業
技術分野精密加工,立体造形
従業員数3人
設立1991年

事業の背景

当ラボは新素材ジルコニアを用いた歯冠の設計・加工オーダーを受けている。ジルコニアは生体との親和性が高く、強くて軽く自然な白さが評価されている。歯科医療・技工の分野ではデジタル化が顕著に進み、初期治療から3DやCAD/CAM技術を活用する流れがある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既存設備ではCAMの微調整機能と高温焼結技術が欠けており、設計データどおりの品質を保てなかった。
  • 品質・精度微細加工のレベルが万全とは言い難かった。
  • 生産能力手作業に多くの時間を要していた。

やったこと

加工用のCAM機として、CAMソフトを含むミリングマシンCAD/CAMを導入した。ジルコニア用の高温焼結機も導入し、両者が連動して一貫作業ができる体制を整えた。ジルコニアを削るドリルの太さ・設定速度・摩耗の程度をラボ内で一括管理できるようにした。焼結は1200~1600℃で行い、素材の種類と焼結機の特徴を歯科技工士が把握して調整する。焼結時の体積や温度差を症例ごとに考慮し、変形を防ぐ。

加工機ミリングマシン CAD/CAM(CAMソフトを含む)
その他ジルコニア用高温焼結機

事業の効果

  • 適合作業・カラーリングから仕上げまでの時間 100%→70%

CAM加工と高温焼結の内製化により、切削加工精度が0.1mm以下で安定して得られるようになった。適合作業や仕上げまでの時間が従来より大きく短縮され、作業の効率が上がった。ワンストップで一貫作業ができるため、コスト削減効果も表れている。これらの強みを活かし、ネット受注の増加につなげている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のCAM微調整機能や高温焼結技術の欠如を課題とし、CAD/CAM導入を受注拡大の方向に位置付けているが、過去の取組との連続性は書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ジルコニアの審美性や強さ、インターネット受注増を強みとして挙げるが、市場や競合との比較データは示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    手作業に時間を要する課題を認識し、CAM機と高温焼結機の導入で一貫作業を整え、適合・仕上げ時間が従来の約70%に短縮されたと書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    適合作業や仕上げ時間が従来の約70%に短縮、0.1mm以下の切削精度が安定的に可能と数字で示されている。賃上げ目標の記載はない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数3人と記載があるのみで、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ジルコニアの白さや強度、審美性を強みとし、臨床現場へ薦める説得力や白い歯を望む患者の増加という市場性が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    ワンストップ体制の整備や内製化を通じたコスト削減効果に触れているが、中長期の検証やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ジルコニア歯冠修復の高付加価値化を図り、白さの評価や短納期での安定供給を強みとしている。普及度の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    歯科医療のQOL向上への貢献や地域の歯科医療への貢献に触れるが、波及効果や雇用創出の規模は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    コスト削減効果が表れていると書かれ、工程時間の短縮も示されているが、投資額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD/CAMや3Dスキャナーを用いたデータ共有で歯科医院と連携し、アナログ材料を減らす取組が書かれているが、地域やサプライチェーン全体への貢献の記述は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    デジタル化の進展に触れるが、日本経済の構造転換に資するという記述は具体的に読み取れない。

  • 地域経済への波及3

    地域の歯科医療への貢献や福島県の事業所であることが書かれているが、地域経済の成長を牽引する具体的な効果は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。