ものづくり補助金平成27年度サービス業(他に分類されないもの)福島県

鈑金修理車の短納期化と 高精度高機能型整備の探索・追求と実施

有限会社ワークショップアライ

成果鈑金修理の作業時間 12時間→6時間

この事例のポイント

  • 需要に対して修理の工程が進まず、入庫が続いても修理が追い付かない。
  • 高精度計測器付きのフレーム修正機を導入した。
  • 鈑金修理の作業時間 12時間→6時間。修理工程の効率が大幅に上がり、同程度の修理に要する時間が半分になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社ワークショップアライ
所在地福島県 新地町
業種自動車整備業
従業員数5人
資本金550万円
設立2003年

事業の背景

当社は荒井自動車株式会社が受注する鈑金修理の内製化を担うため2003年に設立された。明治11年創業の鍛冶屋を起源とし、昭和には車の修理を手掛け、戦後はモータリゼーションとともに歩んできた。相双地域に根ざし、IoTを積極的に活用して先駆的な自動車整備工場の経営モデルを目指している。商圏は新地町・相馬市・南相馬市である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力需要に対して修理の工程が進まず、入庫が続いても修理が追い付かない。
  • 人手・技能鈑金は一人前になるまで相当な場数と年数を要するため、ベテランの定年退職後の人材育成が課題である。
  • 新製品・新技術自動運転システムなど進化する車両に対応する整備メニューの高度化が必要である。
  • 販路・情報発信大型車へも対応できる態勢を整え、新たな顧客層や商圏を広げる必要がある。

やったこと

高精度計測器付きのフレーム修正機を導入した。ベンチラックピット式(車高の低い車種向け)と、ベンチラック床上げ式(大型で車高の高い車種向け)の2タイプで、カートロニックビジョン2×3計測システムと連動する。あわせてメジャリングシステムを導入し、ボディー鋼板の素材・寸法に関するビッグデータにアクセスできるようにした。相双地区では初となる大型車が入庫できるフロア吸塵式の塗装設備も整えた。グレーチングの長さは14m、左右は2.6mで、大型車両の全長最大12mに対応する。使用塗料はほぼ水性で、省エネ・静音の構造である。

加工機高精度計測器付フレーム修正機(ベンチラックピット式・床上げ式)
検査測定カートロニックビジョン2×3計測システム
検査測定メジャリングシステム
その他フロア吸塵式塗装設備

新しい製品・サービス:高精度コンピュータボディーアライメント計測システムを応用した高精度フレーム修正機と、大型車対応のフロア吸塵式塗装設備による鈑金・塗装サービス。

事業の効果

  • 鈑金修理の作業時間 12時間→6時間
  • 大型車への塗装は最大長12mまで対応できるようになった

修理工程の効率が大幅に上がり、同程度の修理に要する時間が半分になった。ダメージが大きい車両ほど効率が良く、精度が格段に向上したケースもある。大型車の塗装に対応したことで、周辺に見当たらなかった作業を受けられるようになり、受注増と新たな雇用の創出が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    鈑金修理の内製化と自動車整備工場の先駆的経営モデル指向が書かれ、過去の取組との連続性は読めるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    相双地区初の大型車対応塗装設備や、周辺に同種工場がない点、商圏分析に基づく展開が書かれ、競争優位が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    需要と供給の不均衡、工程進捗の遅れ、人材育成の課題を認識し、フレーム修正機導入で対応する方針が書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    同程度の修理が12時間から6時間に短縮された実績が示され、生産性向上の目標と根拠が具体的に読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    従業員5人、スタッフのスキルや経験値の次代への引き継ぎに触れるが、補助事業を遂行する体制の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    大型車・重機への対応や輸入車の受け入れがターゲットとして書かれるが、顧客ニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    オートボディープリンターの導入検討や研究開発・テスト作業を積むという方針は書かれるが、スケジュールや課題解決の方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    相双地区初の大型車対応塗装設備、フロア吸塵システム、14m塗装グレーチングなど、地域で高水準の設備導入が具体的に書かれている。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用3

    港湾・エネルギー基地の整備による大型車運行増や、新たな雇用創出に触れており、地域への波及がうかがえるが数値はない。

  • 費用対効果4

    作業時間が12時間から6時間になった実績が示され、投資に対する生産性向上の効果が具体的に読み取れる。

  • イノベーションへの貢献4

    IoTを活用したフレーム修正機やカートロニックビジョン計測システム、ビッグデータ連携による整備の高度化が具体的に書かれている。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    自動運転車など車の進化に伴う整備メニュー高度化への対応がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及4

    相双地域の復興や港湾・エネルギー基地の整備を地の利として捉え、地域の雇用と整備需要を生む事業であることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

大型車ディーラーや重機取り扱い会社へのPRを進め、商圏分析を踏まえて損害保険関係やエンドユーザーへ周知する。輸入車や高級スポーツカーの受け入れも促進する。港湾やエネルギー基地の整備による大型車両の運行増を地の利として、整備車両の入庫を増やす。

事業者の声

フレーム修正機に備わっている機能とポテンシャルに期待しています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。