ものづくり補助金平成27年度製造業茨城県

電力自由化に貢献する柱上変圧器の革新的修理サービス体制の構築

株式会社KMD

成果乾燥時間 35分→20分

この事例のポイント

  • 修理待ちの柱上変圧器が大量に保管される問題を抱えていた。
  • 調達部品の形式変更と自社製化により生産工程を改善し、作業工程を見直した。
  • 乾燥時間 35分→20分。調達部品の自社製化により、コスト削減と納期短縮が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社KMD
所在地茨城県 水戸市
業種電気機械器具製造業
従業員数36人
資本金7,200万円
設立1937年

事業の背景

株式会社KMDは1937年の創業以来モーターに関わり、ステーターやアマチュアの捲線技術などで独自の技術と技能を蓄積してきた。1946年から東京電力の柱上変圧器の修理を行っていたが、2012年3月に旧世代対象機種の修理業務委託が終了した。東京電力の柱上変圧器設置台数は約250万台あり、毎年9万台超が交換されていたが、大手変圧器メーカーが新品との交換対応を中心に行っていた。2016年4月から一般家庭向け電力の販売自由化が始まり、大手電力会社にもコスト削減が重視されるようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力修理待ちの柱上変圧器が大量に保管される問題を抱えていた。
  • コスト・採算コスト高と長納期が生産効率の面で課題であった。
  • 納期・工程修理部品を他社から調達しており、納期とコストの縮減が求められていた。

やったこと

調達部品の形式変更と自社製化により生産工程を改善し、作業工程を見直した。修理部品を他社から調達するのではなく自社製に切り替えたことで、コスト削減と納期短縮を可能にした。電圧を流すリード線も自社製に切り替えた。塗装ブースを導入し、塗装後の確認や手直しで再塗装の必要がなくなり、不良率は50%程度低減した。熱風循環式乾燥装置を導入し、気温や湿度の影響を受けず、3回行う塗装の乾燥ができるようになった。1回の塗装につき20分で乾燥でき、最大35時間かかっていた乾燥時間を大幅に短縮した。さらに電気試験装置を導入し、社内で電気試験も可能になった。

その他集塵機
その他塗装ブース
加工機熱風循環式乾燥装置
その他トランス真空引き装置
検査測定電気試験装置一式

事業の効果

  • 乾燥時間 35分→20分
  • 納期 3.5週→1週

調達部品の自社製化により、コスト削減と納期短縮が可能になった。塗装の再塗装が不要になり品質が向上し、乾燥時間の大幅な短縮により生産効率が向上した。社内で電気試験が可能になり、最短1週間の短納期化を実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1937年創業以来モーター関連の技術・技能を蓄積し、1946年から東京電力の柱上変圧器修理を行ってきたと書かれており、過去の取組との一貫性は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    中小企業で唯一東京電力の柱上変圧器修理事業に参入し、小回りの利く特性を生かすとあり、強みは読み取れるが定量的な比較は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    大手が納期平均3.5カ月かかる課題に対し、部品の自社製化と社内電気試験で最短1週間の短納期化を構築したと具体的に記載されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    修理依頼が当初月20数台から初年度終わりに3倍強、現在月約300台と実績数値があり、目標達成の実現性は具体的に読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    事業の遂行体制として人材や事務処理能力に関する記述は乏しく、工場や従業員数程度しか読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    納期・コスト・品質を顧客満足の軸とし、低コスト・短納期を選ばれる理由として整理されていると読み取れる。

  • 事業化までの道筋4

    塗装ブースや熱風循環式乾燥装置などの導入で乾燥時間を35分から20分に短縮と示され、工程と効果の対応が具体的。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    柱上変圧器の修理は大手が新品交換中心で修理の普及は低いとあり、限られた参入者である点はうかがえるが数値は少ない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    電力自由化に伴う柱上変圧器の修理需要と、年間約9万台交換される状況が記載され、社会インフラ維持の必要性はうかがえる。

  • 費用対効果3

    乾燥時間の短縮やコスト削減、納期短縮の効果は示されるが、補助金投入額に対する付加価値の定量的記述はない。

  • イノベーションへの貢献2

    電気試験装置の導入や社内検査は記載されるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明確に書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    電力自由化に伴う修理市場への進出と記載されるが、日本経済の構造転換に資する文脈は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    小回りの利く中小企業として東京電力から全国の電力会社への受注拡大を目指すとあり、地域的な事業展開の方向性は読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

東京電力に加えて他の電力会社への取引の機会を模索し、全国の全電力会社からの受注を目指す。高品質で低コスト、短期納期をモットーに中小企業の小回りの利く特性を生かす。

  • 目標:修理割合 3.68%→10%
  • 目標:月間修理台数 20台→300台

事業者の声

御前山工場では、ハイエンド高速プリンターに使用されるケーブル・ハーネスを製作しています。ケーブル・ハーネスは品質と信頼性の高さを求められています。御前山工場では電子機器組立も行っています。モーター部品、変圧器・モーター修理、ケーブル・ハーネスの事業において技術と技能を高めてまいります

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。