ものづくり補助金平成27年度製造業茨城県

高精度で大型化に対応できる高度製造プロセスを確立

株式会社 創和工業

成果作業工程数 4工程→3工程

この事例のポイント

  • 受注が増えている大型試験装置の生産性を上げる必要があった。
  • 大型試験装置の生産性向上と短納期化のため、ランニングソーとプラスチック研磨機を導入した。
  • 作業工程数 4工程→3工程。ランニングソーと数値制御により切断寸法の精度が上がり、微調整にかかっていた技師の検討時間がなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 創和工業
所在地茨城県 日立市
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工
従業員数18人
資本金2,000万円
設立1971年

事業の背景

1971年に樹脂加工業として創業し、現在は受託開発業務、試験設備の設計製作、樹脂加工業を主要業務としている。主力の試験装置は設計、製作、組み立て、据え付け、試験とデータ提供までを一貫して行う。可視化流体試験装置は原子力、再生可能エネルギー、先端医療、洪水などの自然災害対応の分野で受注を得ており、エネルギー関連は緊急性が高く短納期が求められる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力受注が増えている大型試験装置の生産性を上げる必要があった。
  • 納期・工程小型用の設備では熟練の技師が少しずつ切断しながら精度を上げるため、検討時間と作業時間が長くかかっていた。
  • 品質・精度ズレの修正を想定して素材を余分に準備しており、材料の無駄が生じていた。

やったこと

大型試験装置の生産性向上と短納期化のため、ランニングソーとプラスチック研磨機を導入した。ランニングソーは厚さ100ミリ、長さ2,400ミリまでの素材を切断でき、数値制御により切断寸法の誤差を0.1ミリ以内にできるようになった。プラスチック研磨機はカンナ作業と研磨作業を同時に行い、これまで4工程だった作業を3工程にし、作業時間を103分から44分へ大幅に短縮した。加工に用いる刃がむき出しになっていないため、技師の安全も確保できる。

加工機ランニングソー
加工機プラスチック研磨機

事業の効果

  • 作業工程数 4工程→3工程
  • 作業時間 103分→44分
  • 切断寸法の誤差を0.1ミリ以内にすることが可能になった

ランニングソーと数値制御により切断寸法の精度が上がり、微調整にかかっていた技師の検討時間がなくなった。効率的な材料取りも実現し、材料の無駄が減った。プラスチック研磨機により工程数と作業時間が減り、切断と研磨の基盤となる工程の生産性が向上したため、製品製造全体の効率が上がった。高精度と短納期の体制が整い、従業員の安全も守られるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の樹脂加工と試験装置製作の延長として大型試験装置の生産性向上を図っており、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ランニングソーの切断誤差0.1ミリ以内、研磨工程の4工程から3工程、103分から44分への短縮など具体的数字で強みの活用が示されている。

  • 課題の認識と解決3

    技師の検討時間や材料の無駄という課題が示され、新体制で高精度と短納期を実現したとあるが、付加価値向上の数値目標までは書かれていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高い付加価値創出や賃上げの目標値は書かれていない。生産性改善の効果はうかがえるが、目標値と実現可能性は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    協力工場とのパートナーシップや従業員18名、熟練工の技術に触れているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    原子力、再生可能エネルギー、先端医療など多分野で受注を獲得し、筑波大学や東京大学の研究室から信頼を得ている点が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    ISO取得を2018年7月目処に目指すこと、展示会で新分野の顧客獲得を視野に入れることは書かれているが、遂行スケジュールと課題解決の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    可視化流体試験装置は複雑形状に対応する点が特徴とされるが、分野の普及度や高価格化の水準を示す数字はない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    原子力、再生可能エネルギー、洪水対応など国として研究を支える分野への貢献はうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    切断時間の短縮や材料取りの効率化など効果は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    最新の3D CAD-CAMとマシニングセンタの利用はうかがえるが、サプライチェーンや地域全体へのイノベーション貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    再生可能エネルギーや先端医療などの成長分野への受注は書かれているが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及3

    日立市の住所と地域の製造業としての立地はうかがえるが、地域の経済成長を牽引する具体的な記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2018(平成30)年7月を目処にISOの取得を目指している。展示会への出品などを通じて、新たな分野の顧客獲得も視野に入れている。

事業者の声

短納期が実現し、材料取りも効率化して生産性が向上したことは、大きな成果だ。従業員を危険にさらさないことも重要な目標だった。これらを実現できたことは大きい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。