ものづくり補助金平成27年度製造業茨城県

菓子業界における新しい概念を取り入れた開発商品による販売展開

有限会社マツヤ

成果従業員一人当たりの製造スピード 1倍→6倍

この事例のポイント

  • 分量通りの餡を丸めて皮で包む作業は熟練の技術を要し、熟練の職人でも繊細な作業のため時間がかかっていた。
  • 分量に切り分けた餡を丸めて皮で包む工程を自動化する自動包餡機を導入した。
  • 従業員一人当たりの製造スピード 1倍→6倍。自動化により製造スピードが大幅に上がり、商品ロスが減少した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社マツヤ
所在地茨城県 行方市
業種食料品製造業
従業員数32人
資本金500万円
設立1958年

事業の背景

和菓子店「松屋菓子店」として1958年に創業し、行方市で地元産品を生かした和菓子作りを行い、お茶請けや贈答品で親しまれてきた。2代目の松信吉洋代表取締役が洋菓子を学び、和洋菓子の総合販売店として「菓心松屋」と鉾田市の姉妹店「ラ・プロヴァンス」を展開している。取り巻く状況として、後継者不足や原材料の高騰があり厳しいとされる。和洋菓子界では春夏秋冬に合わせた季節商品の展開が定石となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力分量通りの餡を丸めて皮で包む作業は熟練の技術を要し、熟練の職人でも繊細な作業のため時間がかかっていた。
  • 新製品・新技術季節の変わり目の中間期に向けた新たな商品を開発し、新たな顧客を創出する必要があった。
  • 集客・繁閑コンビニエンスストアやスーパーの菓子販売の台頭により、町の洋菓子店や専門店は苦戦を強いられていた。

やったこと

分量に切り分けた餡を丸めて皮で包む工程を自動化する自動包餡機を導入した。自動包餡機は1分間に30個の製造が可能で、従業員一人当たり約6倍のスピードアップと商品ロスの減少を実現した。包餡機のスピードに対応する自動包装機も導入し、乾燥剤も同時に封入できるため、さらなるスピードアップを実現した。包餡機により熟練の職人でも困難な2重に包んだ餡を皮で包む3重包餡が可能になり、新商品「メロンぱん焼」を考案した。「メロンぱん焼」はメロンジュレをミルク餡と皮で包み、クッキー生地を被せて焼き上げる商品である。

加工機自動包餡機
加工機自動包装機

新しい製品・サービス:メロンぱん焼(メロンジュレをミルク餡と皮で包み、クッキー生地を被せて焼き上げた3重包餡の商品)

事業の効果

  • 従業員一人当たりの製造スピード 1倍→6倍
  • 1分間に30個の製造が可能

自動化により製造スピードが大幅に上がり、商品ロスが減少した。季節の変わり目を狙った「春夏の間」「秋冬の間」向けの商品として、春の「いちごあん」「さくらあん」に加え、秋冬の「かぼちゃあん」を商品化した。「メロンぱん焼」は春夏商品として定番化し人気の一品となった。作業効率が上がったことで従業員の新商品開発にかける時間も増え、地元の活性化や雇用創出にもつながると見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    和菓子店として約60年の歴史があり、洋菓子を学んだ2代目が和洋菓子の総合販売店を展開していると書かれている。過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    季節の変わり目を狙った新商品で新たな顧客創出を目指すと書かれ、地元メロン等の特産品を活かす強みも示される。市場動向の分析は具体的ではない。

  • 課題の認識と解決4

    自動包餡機で1分間30個の製造が可能になり、従業員一人当たり約6倍のスピードアップと商品ロス減少が実現したと数字で示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産効率の向上や商品ロス減少は書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、実現可能性を判断する数値が見当たらない。

  • 事業を進める体制2

    2代目が経営を担い、従業員の新商品開発に時間を使えるようになったとあるが、人材や事務処理体制の具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    「菓心六彩シリーズ」の春夏秋冬の季節商品や、メロンを使った「メロンぱん焼」など、製品の特徴と顧客ターゲットが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    「春夏の間」「秋冬の間」を加えた6期の菓子創作を発案し新商品を展開したとあるが、中長期の検証方法やスケジュールは記載されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    四季商品が一般的な中で、季節の変わり目を狙った商品群を開発し、中間の季節を加えた独自性が明確に示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地元の特産品を活かし雇用創出や地元の活性化を視野に入れると書かれているが、波及効果の定量的な裏付けは乏しい。

  • 費用対効果4

    自動包餡機と自動包装機の導入で生産効率が大幅にアップし、従業員一人当たり約6倍のスピードアップと商品ロス減少が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    自動包餡機や自動包装機の導入は書かれるが、先端的デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は記載がない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    行方市のメロンやサツマイモなど地域特産品を活かした商品で地域色とブランド化を進めると、地域資源活用が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

行方市の特産品を生かした新商品により、さらなるブランド化を進める。

事業者の声

地元に根ざしたお菓子屋として、長くこの地でやってきました。季節ごとに新しい味を、また、お土産や手土産に喜ばれる多彩な和洋菓子を作ることで、地域の人に笑顔になってもらえる商品を作り続けていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。