ものづくり補助金平成27年度製造業栃木県

七宝焼きのデザインに応じた金型の複雑・高精度加工及び短納期化への対応と多品種少量生産の実現

関口七宝株式会社

成果1アイテムあたりの生産日数(手加工) 10日→2日

この事例のポイント

  • ベテラン彫刻作業者の高齢化により、彫刻作業の時間と精度にロスが生じていた。
  • 複雑かつ高精度なデザイン加工に対応するため、立形マシニングセンタを導入した。
  • 1アイテムあたりの生産日数(手加工) 10日→2日。1アイテムの生産日数が短縮され、課題だった短納期化を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名関口七宝株式会社
所在地栃木県 鹿沼市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野デザイン,精密加工
従業員数27人
資本金1,500万円
設立1970年

事業の背景

創業50年を迎えた当社は、七宝焼きという特殊な技術で社章や校章などのバッジ、メダル、キーホルダー等を製造している。全国の学校の校章は7〜8割を当社が製造している。1998年の長野オリンピック以降、安価な中国製品が台頭し、国内の七宝焼き業者は年々減少傾向にある。七宝焼き業界は鉄素材のプレスや色入れなど分業が進むなか、一貫生産体制を整えているのは全国で当社だけで、価格競争力や大口注文・短納期への対応が強みになっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能ベテラン彫刻作業者の高齢化により、彫刻作業の時間と精度にロスが生じていた。
  • 品質・精度複雑なデザインの加工は職人が顕微鏡で確認しながら一彫りずつ手加工しており、加工の難易度が上がっていた。
  • 生産能力多品種・少量生産の要求が増え、その対応に苦慮していた。
  • 納期・工程1アイテムあたりの生産に手加工で約10日を要し、短納期化が課題だった。

やったこと

複雑かつ高精度なデザイン加工に対応するため、立形マシニングセンタを導入した。導入に合わせて従業員の技術力向上を図り、切削加工精度を0.5mm〜0.2mmまで高めた。これにより人員の省力化につながった。また、複雑な立体(3D)加工にも対応でき、仕上がりの線がよりきれいに表現できるようになり、品質向上にもつながった。

加工機立形マシニングセンタ

事業の効果

  • 1アイテムあたりの生産日数(手加工) 10日→2日
  • 複雑なデザインの加工日数 14日→8日
  • 0.5mm〜0.2mmまで切削加工精度を高めることができた。

1アイテムの生産日数が短縮され、課題だった短納期化を実現した。複雑なデザインの加工も短縮され、切削加工精度が向上して人員の省力化にもつながった。仕上がりの線がきれいになり品質も向上した。取引先からの信頼度が上がり、新規業務の受注拡大につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業50年で七宝焼きの一貫生産を強みとし、立形マシニングセンタ導入で金型彫刻を内製化する流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    一貫生産は全国で当社だけ、校章の7〜8割を製造、価格競争力や短納期が強みとあり、外部環境と強みの関係が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    ベテラン彫刻者の高齢化と作業時間のロスを課題に挙げ、導入で1アイテム10日程度が2日程度に短縮したと具体的に述べている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工精度0.5〜0.2mm、生産日数10日→2日、複雑品14日→8日と目標と成果は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    導入に合わせて従業員の技術力向上を図ったとあるが、体制や人材確保の具体的な内容は示されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    複雑なデザインや多品種少量生産への需要、学校校章の7〜8割製造など顧客と選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    今後は国産限定品やプレミアム品への挑戦を考えているとあるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    七宝焼きは安価な中国製品に押される分野で、プレミアム感のある製品や形状・色数の複雑化により高付加価値化を図る点が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    国産品への活路や伝統工芸の継承という文脈はうかがえるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    短納期化、加工精度向上、人員の省力化など効果は述べられるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    鹿沼市の公式グッズ化や伝統工芸を活かす取組に地域性はうかがえるが、雇用や地域経済成長への効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

伝統工芸技術を活かし、プレミアム感を重視するファッションや装飾品の分野で、国産限定品の製造などに活路を見出していく。

事業者の声

ものづくりに関わる業種・業界は例外なく、高齢化・人手不足・後継者問題等に悩んでいると思います。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。