ものづくり補助金平成25年度製造業愛知県

多品種少量生産の航空機部品の長時間連続加工を実現するシステムの構築

株式会社磯村製作所

成果同MCに置くパレットは40個

この事例のポイント

  • 航空機部品の仕事量が増え続け、昼のみの勤務体制ではこなせなくなっていた。
  • 平成25年度補正のものづくり補助金を活用し、5軸制御の立型マシニングセンター「MAM72―35V」を導入した。
  • 同MCに置くパレットは40個。5軸制御のMCと生産システムの導入で、生産効率が格段に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社磯村製作所
所在地愛知県 名古屋市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数24人
資本金1,000万円
設立1980年

事業の背景

株式会社磯村製作所は愛知県名古屋市で、機体やエンジンの機械加工を主力とする会社である。長く三菱重工業などから部品加工を受注してきた。日本の航空機産業は三菱重工業グループが開発する国産小型ジェット旅客機MRJを念頭に成長が期待されていた。一方、近年は仕事量が増え続け、どうさばくかが悩みだった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力航空機部品の仕事量が増え続け、昼のみの勤務体制ではこなせなくなっていた。
  • 人手・技能夜勤体制にすると従業員の負担が増すだけで、夜間も稼働できる仕組みが必要だった。
  • 生産能力部品生産の安定化のため、機械が稼働しない時間を減らす必要があった。

やったこと

平成25年度補正のものづくり補助金を活用し、5軸制御の立型マシニングセンター「MAM72―35V」を導入した。同時に、それを動かす生産システムを構築した。生産システムでは、加工対象物の切削条件などをプログラム化し、同MCに置くパレット40個で加工の順番も決めている。工具の寿命管理や欠損対策では工具にICチップを搭載し、過去の加工履歴から寿命を予測して、ある程度まで削ったら自動で新しい工具に置き換えるようにした。さらに、IoT技術を活用し、切削方法や順番、材料、形状といった加工情報を複数の拠点間でリアルタイムに把握するシステムの開発も始めている。平成28年6月には同じ仕様のMCをもう一台導入し、生産能力に余裕を持たせた。

加工機5軸制御の立型マシニングセンター「MAM72―35V」
加工機同仕様の立型マシニングセンター(2台目)
ソフト工具ICチップ搭載の工具管理の仕組み
ソフト生産システム(加工プログラム・パレット管理)

事業の効果

  • 同MCに置くパレットは40個

5軸制御のMCと生産システムの導入で、生産効率が格段に向上した。夜間の無人操業が実現すれば工場の24時間稼働も可能になり、長時間連続加工を目指せる体制が整った。2台のMCにより生産能力に一定の余裕が生まれ、部品生産の安定化につながる見込みである。工具寿命の予測や加工情報の共有により、機械が稼働しない時間を減らす取り組みも進んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成25年にものづくり補助金を活用し、5軸MCと生産システムを導入したとあり、航空機部品加工を主力とする事業の延長線上にある取組とうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    三菱重工グループのMRJ量産や米ボーイング機部品の受注増に触れており、外部環境は読み取れるが、自社の強みを数値で示す記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    仕事量増加で昼のみの勤務体制では対応できないという課題を示し、24時間稼働の無人操業やMC2台体制で生産能力を上げる具体策が書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    24時間稼働を目指すとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、目標の数値も記載がない。

  • 事業を進める体制3

    社長の決断と従業員24人の体制、工場の生産システム構築の記述はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    多品種少量の航空機部品を扱い、大手メーカーから全体仕上げ能力を求められるという顧客ニーズは読み取れるが、選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    IoTによる複数拠点でのリアルタイム情報把握や工具寿命予測の開発など中長期の取組が書かれているが、スケジュールや解決方法の詳細は不明。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    航空機部品の機械加工は高付加価値の分野とうかがえるが、高価格化の数値や市場での位置づけは書かれていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    航空機産業を今後の成長産業と位置づけ、MRJやボーイング機の部品加工に関わる点は示されているが、波及効果や雇用創出の数値はない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は示されず、費用対効果はわずかにうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献4

    IoTを活用し複数拠点の加工情報をリアルタイムに把握するシステムや、工具ICチップによる寿命予測など、デジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    成長産業とされる航空機分野への生産能力拡大として構造転換に資する可能性はうかがえるが、経済構造への言及は明確でない。

  • 地域経済への波及2

    名古屋市の企業である点は読み取れるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用創出についての記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

MRJの量産段階に備え、ボーイングの次世代大型機などの受注も視野に入ってきた。

事業者の声

「工場を24時間稼働にできないか」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。