ものづくり補助金平成27年度製造業栃木県

新型皮むき機導入によるカットごぼう加工工程の歩留まり改善

株式会社ショウナン

成果規格外ごぼうの廃棄量 5t/日→0t/日

この事例のポイント

  • 国産野菜原料の相対的な不足と現状設備の処理能力では、需要に対する供給が追いつかなくなってきている。
  • 現在5台の皮むき機を所有しているが、現状のごぼうの皮むき加工では、残渣となってしまうごぼうの加工ラインを見直した。
  • 規格外ごぼうの廃棄量 5t/日→0t/日。テスト稼働の結果、規格外ごぼう約292kg/日が加工処理できることが確認された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ショウナン
所在地栃木県 栃木市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数70人
資本金1,000万円
設立1990年

事業の背景

当社は1990年創業のカット野菜を中心とした青果物の加工及び販売事業を行う食品加工企業である。近年の需要の高まりに伴い、国産野菜原料の相対的な不足と当社の現状設備の処理能力では需要に対する供給が追いつかなくなってきている。取扱量の多いごぼう加工品では残渣の影響が顕著である。カット野菜原料の市場規模は約600億円、カット野菜製造業の市場規模は約1,330億円、カット野菜販売の市場規模は約1,900億円と推計されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力国産野菜原料の相対的な不足と現状設備の処理能力では、需要に対する供給が追いつかなくなってきている。
  • 品質・精度ごぼうは太さにばらつきがあり、曲がりが強いものなど規格外品も20%程度出てしまう。
  • コスト・採算現状の皮むき加工では、ごぼう全体の約20%が残渣となり問題だった(1日に約5tが残渣となる)。

やったこと

現在5台の皮むき機を所有しているが、現状のごぼうの皮むき加工では、残渣となってしまうごぼうの加工ラインを見直した。国内外の皮むき機の先行調査を行ったところ、目的に適う機械はドイツ国のHEPRO社のみが製造していることが判明し、現地に出向いて実際に可能かどうか確認した。導入した装置ではごぼうを皮むき刃で挟み込み、刃から逃れないよう囲う手法を取り入れた。ナイフピーラー及び両端寸切機を導入・設置し、最適条件の検討を行い、ごぼうに正確に反応するようセンサーの位置などを調整した。その上で、試作・評価を行い、良好な結果を得た。

加工機新型皮むき機(ピーリングマシン)
加工機ナイフピーラー
加工機両端寸切機

事業の効果

  • 規格外ごぼうの廃棄量 5t/日→0t/日
  • 設備人員が整う5年後には年間約50,000千円の売上増が見込める。

テスト稼働の結果、規格外ごぼう約292kg/日が加工処理できることが確認された。規格外原料が800kg/日程度発生した場合、そのうち36.5%が商品化でき売上増につながる。価格競争力のある商品製造が可能となり、幅広い販売や国内野菜の地産地消の活性化にもつながる。5年後までに地元の高校から10人の新規雇用を予定し、研究開発機能の強化も目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成2年創業以来のカット野菜事業の延長として位置付けられ、ごぼうの歩留まり改善が現状課題として示されている。ただし過去の取組の具体的な経緯は少ない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    カット野菜市場が約600億円、製造業が約1,330億円と市場規模が示され、国産原料不足も背景にある。ただし自社の強みの分析は限定的。

  • 課題の認識と解決5

    1日約5tの残渣発生や規格外ごぼうが約20%という課題を数値で示し、約292kg/日の処理と年間約50,000千円の売上増を見込んでいる。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    5年後に年間約50,000千円の売上増、36.5%の商品化率という数値目標が示されている。ただし実現根拠の詳細は薄い。

  • 事業を進める体制3

    設備人員が整う時期や、5年で地元高校から10人の新規雇用、研修による人材育成の計画が書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    規格外ごぼうを使い価格競争力のある商品を作るとあるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    現在の皮むき工程の原因を洗い出し、テスト稼動で最適条件を検討したと書かれているが、中長期スケジュールは読み取りにくい。

  • 財務と資金の調達2

    前期売上763,743千円と資本金1,000万円がうかがえるが、資金調達や財務状況の記述は読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    目的に適う皮むき機はドイツ企業のみが製造と判明したとあり、規格外ごぼう対応の差別化が見られる。ただし高付加価値化の度合いは限定的。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    国産野菜原料の不足を背景に、地元高校からの10人雇用や国内野菜の地産地消サイクル活性化が国の支援の必要性に関わる。

  • 費用対効果3

    5年後に年間約50,000千円の売上増が見込まれるが、補助金投入額と費用対効果の比較は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    導入する皮むき機は機械的な改善にとどまり、デジタル技術や新しいビジネスモデルの記述はわずかにうかがえる程度。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    カット野菜市場の成長が期待されるとあるが、日本経済の構造転換に資する点は直接書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    地元高校からの新規雇用10人と国内野菜の生産から消費までの地産地消を挙げ、地域の雇用と経済への寄与が具体的に読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

5年後までに地元の高校から10人の新規雇用を予定し、若手社員に研修を通じて研究開発能力を持つ人材を育成する。今後予想される新興国企業との競争に備え、研究開発機能を強化していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。