ものづくり補助金平成27年度建設業群馬県

高品質かつ生産効率の高い配管バーリング加工技術の確立

須田装置株式会社

成果下穴開け1カ所あたりの加工時間 120分→30分

この事例のポイント

  • 配管バーリング加工では下穴開けを手動フライス盤で行っており、熟練者でも1カ所に2時間を要していた。
  • NCフライス盤を導入し、配管材質や径、厚みごとに各バーリング径に対する必要な下穴寸法をデータベース化した。
  • 下穴開け1カ所あたりの加工時間 120分→30分。NCフライス盤で下穴開けを短時間かつ高精度に行えるようになり、加工誤差は合格基準の0.5ミリ未満となった。

事業者のプロフィール

事業者名須田装置株式会社
所在地群馬県 桐生市
業種設備工事業
技術分野精密加工
従業員数7人
資本金1,000万円
設立1994年

事業の背景

当社は県内外の配管、製缶、配管分岐加工品の製造や機械加工品の製作、設備施工を主力業務とし、設計から施工まで一貫して対応できる。近年は配管バーリング加工の相談が目立ち、建築構造物やプラント用に年間100件ほどの受注がある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力配管バーリング加工では下穴開けを手動フライス盤で行っており、熟練者でも1カ所に2時間を要していた。
  • 品質・精度手動での下穴開け後の合格品率は95%以上で、歩留率は70〜80%程度にとどまっていた。
  • 新製品・新技術配管材質や径、厚みごとに最適な下穴寸法が分からず、データベース化されていなかった。
  • コスト・採算配管の裁断にも時間がかかり、従来は1回30分を要していた。

やったこと

NCフライス盤を導入し、配管材質や径、厚みごとに各バーリング径に対する必要な下穴寸法をデータベース化した。導入したNCフライス盤で下穴開け加工を行ったところ、加工誤差は合格基準の0.5ミリ未満、加工時間は30分となった。さらに自動送りバンドソーを導入し、配管の軸方向に対し垂直に高精度で裁断できるようにした。バーリング加工位置と抜き荷重のデータベースも作成し、合格品率95%以上となる最適値を確立した。

加工機NCフライス盤
加工機自動送りバンドソー

新しい製品・サービス:配管バーリング加工による配管分岐方法

事業の効果

  • 下穴開け1カ所あたりの加工時間 120分→30分
  • 裁断の加工時間 30分→5分
  • バンドソーで軸方向と垂直に裁断した合格品率は98%
  • バーリング加工の合格品率 95%→100%

NCフライス盤で下穴開けを短時間かつ高精度に行えるようになり、加工誤差は合格基準の0.5ミリ未満となった。バンドソーの導入で裁断も短時間で精度良く行えるようになった。下穴やバーリング位置のデータベースにより高品質な分岐配管を効率よく製造する技術を確立し、技術力と競争力が向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の取組として手動フライス盤での配管加工や技術的相談の増加が書かれ、事業の柱へ発展させる方針も示されるが、経営戦略上の位置付けの詳細は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県内外の配管加工需要や溶接不要の設計自由度を強みとし、年間100件の受注実績や同業者への技術移転に触れており、競争優位が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    手動加工で2時間、歩留まり70〜80%という課題を示し、NCフライス盤で30分、合格品率100%に改善した実効性が数字で示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    年間受注を100件から500件以上、2021年に2,000万円の受注を目標とし、加工時間は30分から5分など数値目標と達成値が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員数7人や設備工事業であることは書かれるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    溶接不要で設計自由度が高い点、年間100件の受注があるニーズ、溶接部分が1カ所で高品質という選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    2017年から試験受注、翌年本格受注、2021年に2,000万円目標と時期が示され、ベトナム展開や高圧ガス配管への応用も検討されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来の溶接やチーズ継手による分岐に対し、バーリング加工の普及度は限られ、高品質な分岐加工で高付加価値化を図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    2020年東京オリンピックに向けた金属継手需要増やインフラ需要の増大に触れるが、波及効果や雇用創出の具体的な記述は薄い。

  • 費用対効果4

    合格品率が95%から100%、加工時間が30分から5分、従来30分の裁断が5分に短縮と、費用対効果を示す数値が複数書かれている。

  • イノベーションへの貢献3

    NCフライス盤によるデータベース化や技術移転が書かれるが、先端的デジタル技術の活用や新ビジネスモデルとしての記述は限定的である。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    水素ステーションの高圧ガス配管への応用検討が触れられ、成長分野への進出がわずかにうかがえるが、構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    群馬県桐生市の立地と東毛地域の同業者2社への技術移転が書かれ、地域への波及が読み取れるが、雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2017年から試験的に受注し、翌年から本格受注を開始する。2021年には2,000万円の受注を目標とし、年間500件以上の受注を目指す。東毛地域の同業者2社に有償で技術移転し、ベトナムへの展開や高圧ガス配管への応用も検討している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。