ものづくり補助金平成27年度製造業群馬県

防災性能とデザイン性を兼ね備えた寝具製品の開発

コーワ株式会社

成果針穴径(最大) 0.848mm→0.638mm

この事例のポイント

  • 寝具用キルティング布は防炎性能の試験に合格している製品が非常に少ない。
  • 電子式制御のキルティングマシンを新たに導入し、既存設備と同一条件で高デザイン性と防炎機能を持つ比較対象の試作品を作製した。
  • 針穴径(最大) 0.848mm→0.638mm。電子制御方式の設備導入によりデザイン性が向上し、防炎性を備えた製品の開発に成功した。

事業者のプロフィール

事業者名コーワ株式会社
所在地群馬県 太田市
業種繊維工業
技術分野デザイン,機械制御
従業員数27人
資本金1,000万円
設立1981年

事業の背景

ホテルでは安全・安心へのニーズが高まり、カーテン・壁紙・絨毯は防炎製品の使用が義務付けられているが、寝具類は推奨事項に留まっている。東京五輪を前に宿泊インフラの整備が進み、都内ホテル客室数は2013年時点で約9万8000室とされる。当社の主要顧客の一つであるビジネスホテルは「安全・安心」で他との差別化を図ろうとしている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術寝具用キルティング布は防炎性能の試験に合格している製品が非常に少ない。
  • 品質・精度既存設備ではパターンピッチが3インチを超える広い図柄を作れず、デザイン性を高めにくい。
  • 生産能力キルティング布は針穴から炎が燃え抜けるため、防炎性の確保が難しい。

やったこと

電子式制御のキルティングマシンを新たに導入し、既存設備と同一条件で高デザイン性と防炎機能を持つ比較対象の試作品を作製した。電子式マシンで防炎試作品を作り、50点の針穴径を測定した。1次試作では平均径0.777mm、最大径0.848mmで、平均は目標0.8mmをクリアしたが最大径が上回ったため針番手を変更して2次試作を行い、最大径0.638mmで目標を達成した。電子式マシンの生産速度は95cm/分から105cm/分に向上した。

加工機電子式キルティングマシン

新しい製品・サービス:高いデザイン性と防炎性を両立した寝具用キルティング布

事業の効果

  • 針穴径(最大) 0.848mm→0.638mm
  • 生産速度 95cm/分→105cm/分
  • 事業開始5年後の売上予測として都内ホテル1,000万円、地方ホテル2,000万円とする

電子制御方式の設備導入によりデザイン性が向上し、防炎性を備えた製品の開発に成功した。既存設備と同程度の高品位を保ちつつ防炎性を確立できた。生産効率も向上し、日系リゾートホテルへの納入や南国の雰囲気を出すキルティング柄による占有率向上と新規取引先開拓も期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    既存のキルティング機で防炎寝具を試作したとしか書かれておらず、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ホテルの安全・安心ニーズや防炎製品の使用義務、競合の少なさに触れ、防炎性とデザイン性の両立で差別化する方針が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    既存設備のパターンピッチ限界3インチを課題とし、電子式導入で広いピッチ図柄と防炎性を両立させる解決策が示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産速度95cm/分から105cm/分へ10.5%アップ、最大針穴径0.848mmから0.638mmへの改善など数値目標の達成が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員数27人と記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け5

    都内ビジネスホテルの防炎寝具移行率約80%、市場規模6万室など数字で顧客ニーズと市場が裏付けられ、差別化の理由も示されている。

  • 事業化までの道筋3

    事業開始5年後の売上予測(都内1,000万円、地方2,000万円)や地方展開の時期が示されるが、遂行方法や課題解決の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    防炎性を持つキルティング寝具は少ないと述べられ、高デザイン性と防炎性の両立で同分野で高付加価値化を図る点が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    東京五輪に向けた宿泊インフラ整備への言及はあるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    生産性10.5%向上や市場規模の推定は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献2

    電子制御キルティング機の導入は示されるが、デジタル技術によるサプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    太田市の所在地や地方ホテルへの展開は記載されるが、地域の特性を活かした雇用・地域成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

都内ホテルでは防炎寝具への移行を検討している施設が約80%あり、実行段階では約6万室が市場規模と推定される。地方は都内より2、3年遅れで同様に導入されると見込まれ、市場規模は約45万室と考えられる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。