ものづくり補助金平成27年度製造業群馬県

「STL 形式の木型製作」による自社優位性の確立

有限会社エース木型

成果木型設計時間 25時間→12.5時間

この事例のポイント

  • 30年以上前の鋳造品を再生産するため、現物と同形状の復元木型を求める要望が増えているが、紙図面をもとにCADでモデリングする従来手法では現物との形状再現が完全には行えない。
  • 3Dスキャナに加え、現物の製品形状データを取得してそのデータをもとに造形データを作成するリバースエンジニアリングソフトを導入し、形状部分のデータ形式を従来のCAD形式からSTL形…
  • 木型設計時間 25時間→12.5時間。木型設計の工数が大幅に減り、生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社エース木型
所在地群馬県 高崎市
業種その他の製造業
技術分野立体造形
従業員数8人
資本金300万円
設立1971年

事業の背景

当社は木型製造業に属し、自動車・建機・工作機械の鋳造品を製造する鋳造業者向けに木型を製作している。機械産業では既に処分された木型で作られた鋳造品を再生産したいという要望が増えており、現物と同等の形状をもつ復元木型のニーズが高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力30年以上前の鋳造品を再生産するため、現物と同形状の復元木型を求める要望が増えているが、紙図面をもとにCADでモデリングする従来手法では現物との形状再現が完全には行えない。
  • コスト・採算従来のCADモデリングは曲面などを現物のポイント測定と併用するため多大な工数を要し、復元鋳造品が現物と同形状であることの証明も難しい。

やったこと

3Dスキャナに加え、現物の製品形状データを取得してそのデータをもとに造形データを作成するリバースエンジニアリングソフトを導入し、形状部分のデータ形式を従来のCAD形式からSTL形式に変更して試作開発を行った。試作品では構成面数が比較的簡易な形状を取り上げ、従来手法のモデリング工数10時間に対し新手法では1時間とした。100時間の製品でも3Dスキャナを使えば10時間以内に抑えられると予想している。

検査測定3Dスキャナ
ソフトリバースエンジニアリングソフト

新しい製品・サービス:STLデータ形式の復元木型製作技術(リバース事業)

事業の効果

  • 木型設計時間 25時間→12.5時間
  • モデリング工数(簡易形状) 10時間→1時間
  • 0.3ミリの分布率は92.4%を収めることができた
  • 目標値の1.0ミリ以内の分布率は99.2%を記録した

木型設計の工数が大幅に減り、生産性が向上した。復元鋳造品の形状再現率も高い水準に達し、現物と同形状の復元品を作れる見通しが立った。測定事業と復元事業を木型製作と組み合わせて受注を拡大し、年間10製品で1,500万円の売上を目標とする。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    30年以上前の鋳造品の再生産ニーズが増えており、木型製作と復元事業の既存取引先を軸にした事業展開が読み取れるが、経営戦略上の位置付けは詳しく書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    従来のCAD手法と比べ、設計時間が25時間から12.5時間に半減、0.3ミリ以内の分布率92.4%など、競合にない強みが数字で示されている。

  • 課題の認識と解決4

    現状課題として多大な工数と復元品の同形状証明の難しさを挙げ、3Dスキャナ併用で解決する方針が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年間10製品で1,500万円、測定事業と復元事業の事業化時期も示され、高付加価値化の目標値が具体的に読み取れる。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    30年以上前の鋳造品を再生産したい顧客ニーズ、ミッションケースなどの具体例、現物と同形状の要求が明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    測定事業は1年以内、復元事業は3年以内、2021年度の事業化とスケジュールが示され、改良課題も挙げられている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    木型製作の手法として3Dスキャナとリバースエンジニアリングを応用し、STLデータ形式の木型製作という高付加価値の差別化が示されている。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用3

    自動車・建機部品の復元市場や中古鋳造品の再生産ニーズに触れ、産業波及の可能性はあるが、雇用や経済効果の数値は書かれていない。

  • 費用対効果4

    モデリング工数が10時間から1時間、100時間製品でも10時間以内と予想など、生産性向上の効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dスキャナとリバースエンジニアリングソフトを使い、CTスキャンとの併用も視野に入れるなど、デジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    鋳造品の復元と測定の市場に触れているが、日本経済の構造転換への言及はわずかにうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及2

    群馬県高崎市の鋳造業者であることは書かれているが、地域特性を活かした雇用や経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

1年以内に測定事業、3年以内に復元事業の事業化を図る。2021年度の自動車部品の復元市場への事業化を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。