ものづくり補助金平成24年度大阪府

津波対応型救命艇の開発

株式会社信貴造船所

この事例のポイント

  • 津波対応型救命艇は、従来の海上の仕事に従事する人向けの製品と異なり一般市民が対象となるため、長期間の漂流や災害時の閉鎖空間での心理状況への配慮、乗艇者の安全を確保する緩衝材の開発が必要だった。
  • 国土交通省の津波防災対策の要望を受け、四国運輸局が検討を始めた津波対応型救命艇の開発に、同社がガイドラインの作成で協力して開発を進めた。
  • 津波対応型救命艇は国土交通省の認定を受け、早い段階で販売に進めることができた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社信貴造船所
所在地大阪府 堺市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数17人
資本金1億円
設立1934年

事業の背景

1934年に大阪市で創業した小型船舶の製造業者で、大型船舶に装備する救命艇の製造を主力とし、救命艇の国内シェアは約4割を占める。国内外への納入実績は2万隻を超え、主な納入先は大手造船会社、海上保安庁、地方自治体などで、全て受注生産方式で対応している。東日本大震災を受けて、近隣に高台がなく避難が困難な高齢者等の津波防災対策が急務となり、需要が高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術津波対応型救命艇は、従来の海上の仕事に従事する人向けの製品と異なり一般市民が対象となるため、長期間の漂流や災害時の閉鎖空間での心理状況への配慮、乗艇者の安全を確保する緩衝材の開発が必要だった。
  • 新製品・新技術船舶安全法関係法令で定められた艇体強度や許容加速度、復原性、浮揚性などの厳しい基準をクリアする必要があった。
  • 販路・情報発信開発されたばかりの製品で認知されておらず、新たな販売先を広げるための知名度向上が課題だった。

やったこと

国土交通省の津波防災対策の要望を受け、四国運輸局が検討を始めた津波対応型救命艇の開発に、同社がガイドラインの作成で協力して開発を進めた。救命艇内部を覆う樹脂材料は樹脂メーカーの協力を得て、走行性能の測定は大阪府立大学の協力を得た。津波発生直近時の正面衝突時の強度設計と許容加速度13G以下、搭乗者HPC100以下を満たすため緩衝材を装着したTYPE 1と、津波の高さや速度が低減される地域向けに緩衝材を装着しないTYPE 2を開発した。津波の衝撃で逆さになっても元に戻る復原性を備え、搭乗口は地上高さ1mで乗りやすい設計とした。さらに、津波対応型救命艇を応用したコンパクトなライフシーダー・リトルを開発し、4トントラックでの運搬を可能にした。

新しい製品・サービス:津波対応型救命艇(ライフシーダー、LIFE SEEDER)およびライフシーダー・リトル

事業の効果

津波対応型救命艇は国土交通省の認定を受け、早い段階で販売に進めることができた。沼津市などの地方自治体への納入実績を既にあげ、民間企業からの引き合いも相応に得られている。防災関連の展示会への出展により認知度向上に取り組んでおり、新たに声をかけられるケースも出てきている。ライフシーダー・リトルは導入コストの低減をアピールできる製品となった。

今後の展望

東南アジアなど水害の多い地域での海外販売も視野に入れており、機会があれば海外市場にも挑戦する予定である。今後の販売動向が期待され、救命艇のリーディングカンパニーとして普及活動と製品ラインナップの向上に注力していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。