ものづくり補助金平成25年度製造業沖縄県

琉球ガラスの新デザイン、耐熱ガラスの商品開発をする為の電気窯導入。

株式会社沖縄工芸村

この事例のポイント

  • 重油の溶解窯では赤や青のガラスににごりやくもりが生じ、温度管理も難しかった。
  • 溶解窯として、耐熱ガラス(ベース)用、色つけ耐熱ガラス(カラー)用、泡ガラス用、新色開発用の電気溶解窯4基を導入した。
  • 電気窯は温度や時間を一定に保てるため管理が容易になり、重油窯に比べてCO2削減にもつながる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社沖縄工芸村
所在地沖縄県 恩納村
業種窯業・土石製品製造業
技術分野製造環境
従業員数27人
資本金1,000万円
設立1997年

事業の背景

当社は琉球ガラス工房の老舗で、平成9年に恩納村で株式会社沖縄工芸村を設立した。店舗販売のほか、工場の手作りガラス体験コーナーに多くの観光客が訪れている。新商品として、アジアで好まれる透明ベースのガラス製品と耐熱ガラス製品に取り組むことになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度重油の溶解窯では赤や青のガラスににごりやくもりが生じ、温度管理も難しかった。
  • 品質・精度取っ手付きのカップやジョッキは二次加工で取っ手部分にヒビが入り、ロス製品が出ていた。
  • 新製品・新技術県内で耐熱ガラスを製造できる窯元が少なく、耐熱ガラスの商品化には技術の確立が必要だった。

やったこと

溶解窯として、耐熱ガラス(ベース)用、色つけ耐熱ガラス(カラー)用、泡ガラス用、新色開発用の電気溶解窯4基を導入した。徐冷窯として、耐熱ガラス用(24時間要徐冷)と一般ガラス用(12時間要徐冷)の電気徐冷窯2基を導入した。ガラス原料は摂氏1300度から1500度で溶かすため、溶解温度や徐冷時間を調整して耐熱化に成功した。色付耐熱ガラスや泡ガラスにも同様の作業を行い、新色についても温度や時間、徐冷を調整して商品化可能な試作品を作った。

その他電気溶解窯(4基)
その他電気徐冷窯(2基)

新しい製品・サービス:耐熱ガラス製品(色付き耐熱ガラス、泡ガラスを含む)と新色のガラス製品

事業の効果

電気窯は温度や時間を一定に保てるため管理が容易になり、重油窯に比べてCO2削減にもつながる。耐熱ガラスに適した温度や徐冷時間の基準値が得られ、製品の質が向上した。ロス製品が減って歩留まりも大幅に改善した。エネルギーコストは重油と比べて40%近く削減され、生産性の向上につながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成9年設立で琉球ガラス工房の老舗とあり、耐熱ガラスは既存の色ガラス技術の延長として取り組まれたと読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    県内で耐熱ガラスを製造できる窯元が少ないという競争環境と、アジア向け透明ガラス製品への関心が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    重油窯で赤や青のにごり、温度管理の難しさ、ロス製品が出る課題を挙げ、電気窯導入で耐熱化に成功したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    エネルギーコスト40%近い削減や歩留まり改善はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員27人、本店・工場の所在は書かれているが、補助事業を遂行する体制や人材の記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    アジア向け透明ガラスと耐熱ガラスの提案先が飲食店・ホテルと具体的で、香港・台湾・シンガポールのバイヤーリストもある。

  • 事業化までの道筋3

    取り組みの流れ(試作、温度・徐冷時間の調整、商品化)は書かれているが、今後のスケジュールは大まかである。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    色ガラスの耐熱化に成功し、透明ベースの耐熱ガラス製品を新たに商品化したと、高付加価値化の方向性が書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の伝統工芸である琉球ガラスの振興や観光との関わりがうかがえるが、国が補助する理由としての波及効果は具体的でない。

  • 費用対効果4

    投資後にエネルギーコスト約40%削減、歩留まり大幅改善と数字で費用対効果の一端が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    電気窯による温度管理の改善はあるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの記述はほとんどない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    恩納村の観光地で手作りガラス体験を提供し地域の観光と結びついているが、雇用や地域成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

飲食店やホテルへの提案を積極的に行い、香港、台湾、シンガポールで築いたバイヤーのリストを活かして、アジアの主要都市で沖縄デザインの透明ガラスとともに新しい耐熱ガラス製品を提案していく計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

群馬県製造業平成29年度

冷凍マグロ専用刺身醤油の試作開発

鰹節の厚さと抽出温度を管理するため、ガス式スチームコンベクション、小型鰹節削り機、プレハブ冷蔵庫、冷蔵ユニット、小型軽量充填機、打栓機を導…

効果:製造ロット 32.5kg→65kg

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。