ものづくり補助金平成27年度製造業千葉県

多品種小ロット品や異形状品検査に最適な双腕外観検査ロボットの開発

株式会社デクシス

この事例のポイント

  • 多品種小ロット品は段取り替えが煩雑で、自動外観検査システムはスペースを占有するため導入できず、目視検査が行われていた。
  • 協働ロボットの中で双腕のABB社製YuMiを採用し、人間の目視検査のような自由な検査を目指した。
  • 外観けんた君としてパッケージ化を実現し、展示会への出展で多くの問い合わせを得た。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社デクシス
所在地千葉県 船橋市
業種電気機械器具製造業
技術分野測定計測
従業員数57人
資本金1億円
設立1998年

事業の背景

当社は画像処理装置や外観検査装置の製造販売を行い、医療資材(ボトル・キャップ等)の外観検査を得意分野としている。大量生産品では自動外観検査システムの導入が進んでいる一方、多品種小ロットや変種変量生産の分野では目視検査が続いていた。人手不足の中で目視検査の自動化は多くの企業にとって重要な課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力多品種小ロット品は段取り替えが煩雑で、自動外観検査システムはスペースを占有するため導入できず、目視検査が行われていた。
  • 品質・精度人による目視検査は個人差や集中力によって検査精度にばらつきが生じ、目を酷使する重労働となっていた。
  • 人手・技能人手不足による人材確保の困難さが今後さらに加速すると予想され、目視検査の自動化が重要な課題となっていた。

やったこと

協働ロボットの中で双腕のABB社製YuMiを採用し、人間の目視検査のような自由な検査を目指した。通常の産業用レンズは単焦点で対象物との距離を一定に保つ必要があるため、液体レンズを用いて対象物に応じてピントを自動で合わせられるように開発した。検査対象物に合わせたチャック(把持部材)を3Dプリンタで制作し、様々な対象物に対応できるようにした。双腕ロボット、カメラ、照明、画像処理装置、架台をセットにした「外観けんた君」として、前工程は2Dピッキングを含めてパッケージ化した。

ロボット双腕ロボット(ABB社製YuMi)
検査測定カメラ・液体レンズ
その他照明
検査測定画像処理装置
その他架台
その他3Dプリンタ(チャック製作用)

新しい製品・サービス:外観けんた君(双腕ロボットを用いた外観検査装置)

事業の効果

外観けんた君としてパッケージ化を実現し、展示会への出展で多くの問い合わせを得た。これまで専用機による自動化が難しかった案件でも活躍できる期待が持てる。人と同じような動きで人と一緒に外観検査を行えるため、目視検査員の業務の一部を任せられ、働き方改革にもつながると期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    医療資材の外観検査装置を製造販売する企業とあるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは記載がない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    多品種小ロットで目視検査が行われていた市場課題を示し、展示会で多くの問い合わせがあったと記すが、競争優位性の根拠は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    段取り替えの煩雑さやスペース占有、目視検査の精度のばらつきという課題を明示し、双腕協働ロボットによる解決策を述べている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    開発を社内で実施した経緯と従業員数57名の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    多品種小ロット品や異形状品の目視検査を代替する用途と、人と同じ動きで協働できる点を具体的に示し、ターゲットが明確である。

  • 事業化までの道筋3

    前工程のパッケージ化と後工程の標準ラインナップ化、次機種での重量物対応という段階的な今後の展望は示されるが、スケジュールは不明瞭。

  • 財務と資金の調達2

    資本金1億円、売上高15億2千万円(2018年9月決算)の記載はあるが、資金調達の見込みや財務状況の評価に関する記述はない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    双腕ロボットと液体レンズ、3Dプリンタ製チャックを組み合わせた外観検査装置で、従来の専用機では自動化が難しい案件を対象にしている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    人手不足と働き方改革への言及はあるが、地域やサプライチェーンへの波及効果や雇用創出の具体的な数字は示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献4

    協働ロボットと液体レンズによる自動焦点、3Dプリンタによるチャック製作というデジタル技術の活用が具体的に記載されている。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    人手不足を背景に製造現場の自動化を進める方向性は読み取れるが、日本経済の構造転換への言及は具体性が薄い。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

前工程は2Dピッキングをパッケージ化し、その他の前工程や後工程も客先要望を取り入れながら標準ラインナップとして検討していく。現在の可搬重量(片腕250g)では検査対象が限られるため、重量物の検査を可能にすることを次機種として考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。