ものづくり補助金平成27年度製造業東京都

硝子加工精度の向上と複雑形状への対応を可能にする生産体制の構築

株式会社飯山特殊硝子

成果形状公差±1/100mm以内を達成

この事例のポイント

  • 取引先から内燃機関実験用部品の試作開発の依頼があり、加工精度の向上が必要とされた。
  • オークマ製インテリジェント複合加工機 MULTUS B200II と、大阪機工製グラインディングセンタ VP400GC の2台を導入した。
  • 形状公差±1/100mm以内を達成。加工精度が向上し、形状公差±1/100mm以内、面粗さRa≦8Åを達成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社飯山特殊硝子
所在地東京都 大田区
業種窯業・土石製品製造業
技術分野精密加工
従業員数63人
資本金5,000万円
設立1941年

事業の背景

昭和16年に大田区で創業したガラス加工の会社で、光学・半導体・電子部品・医理化学用など様々な分野の研究・製造現場で高評価を得ている。ガラスは薬品による耐食性や耐熱性に優れ、金属や樹脂が使えない部品で活用されている。主要製品は可視化評価用部品や光学フィルターなどで、特に高精度な透明度の高い内径研磨を得意とし、内径φ0.1mmの小径にも対応できる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度取引先から内燃機関実験用部品の試作開発の依頼があり、加工精度の向上が必要とされた。
  • 新製品・新技術複雑な形状への対応が必要とされ、より高精度な加工が可能となる設備導入が求められた。

やったこと

オークマ製インテリジェント複合加工機 MULTUS B200II と、大阪機工製グラインディングセンタ VP400GC の2台を導入した。両機で検証とフィードバックを繰り返しながら、新たな加工プロセスによる生産体制を確立した。これにより、高精度な加工と複雑な形状への対応を可能にした。

加工機オークマ製インテリジェント複合加工機 MULTUS B200II
加工機大阪機工製グラインディングセンタ VP400GC

事業の効果

  • 形状公差±1/100mm以内を達成
  • 面粗さRa≦8Åを達成
  • 研磨前面粗さ 0.6μm→0.3μm

加工精度が向上し、形状公差±1/100mm以内、面粗さRa≦8Åを達成した。研磨前面粗さは50%の改善となった。ワンチャックで加工できるようになり、リードタイムが従来に比べ大幅に改善した。精度とスピードの両面で対応できる体制が拡充された結果、某自動車メーカーの燃焼実験でピストンヘッドの改良が可能となり、燃費が従来比3割近く改善するという成果に貢献した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    ガラス加工一筋の実績や過去の試作加工の蓄積は読み取れるが、経営戦略上の明確な位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    透明度の高い内径研磨や内径φ0.1mmへの対応など自社の強みは示されるが、市場動向との関係は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    加工精度の向上と複雑形状への対応、リードタイム短縮という課題が明示され、設備導入で解決する流れが具体的。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    形状公差±1/100mm以内、研磨前面粗さ0.6μm→0.3μmで50%改善、燃費3割改善などの数値目標と成果が示されている。

  • 事業を進める体制3

    技術者全員の技術力向上を目指すと書かれるが、体制や人材配置の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    試作開発用部品の用途、ユーザー企業の要望、燃焼実験での効果など顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    2台の設備で検証・フィードバックを繰り返し生産体制を確立したとあるが、スケジュールや中長期の遂行方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ガラス部品の試作開発で、高精度・複雑形状加工を高水準で実現する点が示され、高付加価値化の方向性が読み取れる。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    内燃機関の燃費向上や光学・半導体分野への貢献が示されるが、波及効果や雇用創出の記述は限定的。

  • 費用対効果4

    リードタイムの大幅短縮と燃費3割改善という成果が示され、投資に対する効果の大きさがうかがえる。

  • イノベーションへの貢献3

    複合加工機と研削盤による新プロセスの確立は読み取れるが、デジタル技術やサプライチェーンへの言及は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    金属からガラスへの置き換え加速という見通しは述べられるが、構造転換への貢献は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    大田区で創業した地域企業であることはわかるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後、金属からガラスへの置き換えが加速すると予想され、より高度な技術力が求められるようになる。まず技術者全員の技術力の向上を目指し、他社との差別化を進める。また、大型展示会への出展機会が減っているため、ホームページの内容を拡充して技術力を可視化し、広くアピールしていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。