ものづくり補助金平成24年度岐阜県

全国唯一の耐震性切削加工技術を応用した石材加工による省力化事業

株式会社田口石材

成果笠加工の工程時間 6日→2.5日

この事例のポイント

  • 耐震強化にコストがかかり、納入価格が通常の鳥居より高価になってしまうことが問題だった。
  • ワイヤーで曲面を切る工作機械「ワイヤーソー」を導入し、その工程をプログラミング化した。
  • 笠加工の工程時間 6日→2.5日。ワイヤーソーの導入により笠加工と沓加工の一体切断が可能になり、加工時間と加工日数が削減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社田口石材
所在地岐阜県 中津川市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野鋳造
従業員数11人
資本金2,000万円
設立1949年

事業の背景

1949年の創業以来、鳥居・墓石・門柱などの石材加工を行い、中でも鳥居加工は三千基余りの実績がある。大学等と連携して研究開発を続け、高強度免震構造を開発して実用新案登録した。全国の神社鳥居の耐震化に取り組んでいるが、耐震強化のコストが納入価格に上乗せされる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算耐震強化にコストがかかり、納入価格が通常の鳥居より高価になってしまうことが問題だった。
  • 人手・技能団塊世代の石材加工職人の引退が増えると予想され、若手への技術伝承を急ぐ必要があった。
  • 生産能力比較的単純な作業は機械加工に置き換え、若手には高度な技術に絞って伝承する必要があった。

やったこと

ワイヤーで曲面を切る工作機械「ワイヤーソー」を導入し、その工程をプログラミング化した。一度セッティングして加工を始めれば職人が付き添う必要はない。笠加工では、斜め切断・削り取り切断が必要だった工程を一体切断に改良し、従来6日間かかった工程を2日間半で行えるようにした。沓加工ではコアビットで穴あけして残りを手加工で切り取っていたが、これも一体切断を可能にした。

加工機ワイヤーソー

事業の効果

  • 笠加工の工程時間 6日→2.5日

ワイヤーソーの導入により笠加工と沓加工の一体切断が可能になり、加工時間と加工日数が削減された。省力化によって製造コストを下げ、職人の負担も軽減した。これにより安全性が高く高品質な鳥居をお値打ち価格で継続的に提供できる生産体制を確立した。若手職人への技術伝承やマニュアル化も進んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去に約200件の耐震化工事、三千基余りの鳥居加工実績があり、耐震鳥居事業の継続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    全国からの耐震化依頼が増加傾向と記載され市場動向はうかがえるが、競争優位性を示す数値や比較は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    職人の引退増加という課題を示し、ワイヤーソー導入で笠加工の工程を6日間から2日間半へ短縮したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    笠加工を6日間から2日間半、以前4日間を1日半にするなど、工程日数の具体的な短縮目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制3

    若手職人への技術伝承やマニュアル作成、全国の施工者への直接指導が記載され体制はうかがえるが、人員配置や事務処理体制は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    耐震鳥居をお値打ち価格で提供する価値と安全性は述べられているが、顧客ターゲットの整理や選ばれる理由の裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    若手への技術伝承やマニュアル化の取組開始は書かれているが、中長期スケジュールや課題解決の具体的方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    全国唯一の耐震性切削加工技術や高強度免震構造の実用新案とあり、高付加価値化は読み取れるが、市場水準との比較データはない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    地震による神社石造物の老朽化と安全確保の公益性は示されるが、雇用創出や波及効果の数値は書かれていない。

  • 費用対効果4

    加工時間を4日から1日半、6日から2日間半に削減しコストを下げた実績が数値で示され、費用対効果の一端が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    ワイヤーソーによる機械化と全国の施工者への技術伝承は示されるが、デジタル技術の活用度合いや地域連携の具体性は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    地域の神社境内をコミュニティの場として復権させる目標が示され、地域の特性を活かす取組はうかがえるが、経済成長への寄与は数値で示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。