ものづくり補助金平成27年度製造業新潟県

高精度化・増産が求められる航空宇宙・医療機器分野の高度化対応の実現

株式会社スタックス

成果寸法精度 0.1mm→0.01mm

この事例のポイント

  • 航空宇宙関係の精密板金部品と医療機器の躯体はアイテム数が増え、技術要求も高度化しているため、生産能力を拡大する必要があった。
  • ブランク工程に最新型のファイバーレーザ加工機を導入した。
  • 寸法精度 0.1mm→0.01mm。リニア駆動化により寸法精度が従来の±0.1mmから±0.01mmへ向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社スタックス
所在地新潟県 川崎市
業種その他の製造業
技術分野精密加工
従業員数56人
資本金3,300万円
設立1953年

事業の背景

当社は創業以来、航空機関係や医療機器関係に代表される厳密な精度が要求される薄板の精密板金加工を中心に受注してきた。ロケット・人工衛星等の航空宇宙部品、医療機器の筐体、光学機器関連部品の分野で顧客評価が高く、いずれもほぼ独占的に加工を行っている。当該市場の成長とともに加工の集約が進み受注点数が増している。当社加工品の98%が経由するブランク工程が、速攻性・有効性のある見直し対象と考えられた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力航空宇宙関係の精密板金部品と医療機器の躯体はアイテム数が増え、技術要求も高度化しているため、生産能力を拡大する必要があった。
  • 品質・精度薄型化や精度厳守などの要求技術の高度化に対応しつつ、品質を落とさず納期を守る必要があった。
  • 生産能力ブランク工程で機械を止めた状態で材料セッティングや段取り替えを行うため、機械停止時間が発生していた。
  • 人手・技能従来機では銅・真鍮などの高反射材を社内で加工できず、新規案件を受注できなかった。

やったこと

ブランク工程に最新型のファイバーレーザ加工機を導入した。レーザヘッドがリニア駆動となり、従来機の許容誤差±0.1mmを上回る±0.01mmの寸法精度が実現できた。切断加工スピードも向上し、従来10ピースあたり50分を要していた加工が8分弱で可能になった事例がある。材料セッティングを切断加工と同時に行う外段取り化を実施し、従来機を扱っていたオペレーターの再教育と新規オペレーターの増員を行い、加工体制を整えた。反射材の加工検証を進め、ニーズのある取引先へ新たな加工方法を提案した。

加工機ファイバーレーザ加工機

事業の効果

  • 寸法精度 0.1mm→0.01mm
  • 切断加工時間(10ピースあたり) 50分→8分
  • 一定の条件下でブランク加工工程の時間削減が最大40%となった
  • 単純な切断加工のみの削減効果は84%となった

リニア駆動化により寸法精度が従来の±0.1mmから±0.01mmへ向上した。切断加工スピードが上がり、ブランク工程の時間削減が最大40%に達した。材料セッティングの外段取り化により機械停止時間が減り、段取り替えの時間も短縮されてスループットが向上した。銅・真鍮などの高反射材の加工が可能となり、従来受注できなかった新規案件の獲得につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    精密板金を創業以来一貫して航空機・医療機器分野で手がけ、ブランク工程への機械導入という流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    航空宇宙・医療機器部品をほぼ独占的に加工しており、銅・真鍮など高反射材の加工で先行導入の強みを得る点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    顧客要求の薄型化・精度厳守への対応とブランク工程の見直しという課題認識があり、切断時間の短縮や寸法精度の向上の数値も示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    寸法精度が±0.1mmから±0.01mmへ、10ピースの切断工程が50分から8分弱へ、ブランク工程の時間削減が最大40%と数値目標的な成果が示されている。

  • 事業を進める体制3

    従来機を扱うオペレーターの再教育や新規オペレーターの増員を実施したと書かれているが、体制の詳細は限定的である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    航空宇宙・医療機器分野での顧客評価やニーズ、銅・真鍮の加工獲得という狙いが、事例の中で具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後2、3年の先行導入期間や3〜5年の営業展開、ノウハウ蓄積の方針が示されているが、スケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    業界で同機器を導入している企業が少なく、銅・真鍮など高反射材の加工が可能になる点で、同分野での高付加価値化が示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    航空宇宙・医療機器分野の部品加工という産業的意義はうかがえるが、国が補助する理由や波及効果は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    段取り時間の最小化やスループット向上の成果は示されているが、補助金投入額との対比による費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    最新型レーザ加工機の導入は示されるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献についての記述はわずかである。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    航空宇宙・医療機器という成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    新潟県十日町事業所の所在は示されるが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

航空宇宙の精密板金や医療機器筐体の分野で先行導入の強みを活かし、今後2、3年は受注を積極的に獲得する。3〜5年は高精度の注文を中心に営業を展開し、その間に技術的なノウハウを蓄積する。機械の精度だけでは解決できない材料特性に応じた設定値の暗黙知を蓄積し、先行者利得を活用していく。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。