ものづくり補助金平成27年度製造業新潟県

ふくよかな味わい・甘み・キレを有する上越産日本酒の品質安定化及び販路拡大

合資会社竹田酒造店

成果貯蔵ストック量 1倍(従来の一升瓶換算比)→2倍(従来の一升瓶換算比)

この事例のポイント

  • 温暖化や積雪量の減少で自然に依存した発酵温度管理では、微生物の増殖速度を制御できない。
  • 酒母およびもろみの温度管理の工程に、冷却能率が良く温度制御が可能な貯氷水機を導入した。
  • 貯蔵ストック量 1倍(従来の一升瓶換算比)→2倍(従来の一升瓶換算比)。貯氷水機と冷蔵庫の導入により、発酵温度と貯蔵温度を正確に制御でき、微生物の増殖や発酵速度の管理による品質の安定化が確立…

事業者のプロフィール

事業者名合資会社竹田酒造店
所在地新潟県 上越市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野バイオ
従業員数5人
資本金500万円
設立1956年

事業の背景

当社の日本酒は代々醸されてきた「ふくよかな味わい、米の甘い香り及びキレ」に自信があった。しかし近年は新潟県の平均気温が上昇し、自然依存の温度管理では発酵が安定しない状況になっていた。また日本酒業界では高級酒の需要が高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度温暖化や積雪量の減少で自然に依存した発酵温度管理では、微生物の増殖速度を制御できない。
  • 品質・精度高級酒の需要が高まっているが、高級酒は非加熱製が多く、雑菌増殖や貯蔵環境の悪化で品質低下が懸念される。
  • 販路・情報発信海外需要の拡大を見込んで海外販路を広げるには、現在より安定した品質で出荷できる体制が必要である。

やったこと

酒母およびもろみの温度管理の工程に、冷却能率が良く温度制御が可能な貯氷水機を導入した。発酵温度をデジタル管理し、正確に温度を維持することで温度制御可能な醸造工程を確立した。貯蔵工程には1万本程度の貯蔵ができ、品質管理も兼ねたプレハブ冷蔵庫の専用設備を導入した。貯蔵環境をデジタル管理し、日本酒の熟成を正確にコントロールする品質管理体制を確立した。

その他貯氷水機
その他プレハブ冷蔵庫

事業の効果

  • 貯蔵ストック量 1倍(従来の一升瓶換算比)→2倍(従来の一升瓶換算比)
  • 製造コストでは30%の削減を可能にした
  • 冷蔵庫については13.2%の電気料金削減となった
  • 貯蔵・熟成に関するランニングコストは35%の削減が実現した

貯氷水機と冷蔵庫の導入により、発酵温度と貯蔵温度を正確に制御でき、微生物の増殖や発酵速度の管理による品質の安定化が確立した。冷蔵貯蔵した大吟醸酒の官能検査は良好で、雑菌汚染のリスクもなくなった。製造コストは30%削減、電気料金は13.2%削減、貯蔵・熟成のランニングコストは35%削減となった。ストック量と長期冷蔵貯蔵量が2倍になり、生産量の倍増が可能になるとともに、高級酒の製造が実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    代々醸されてきた味わいへの自信は書かれるが、過去の取組から今回の貯氷水機・冷蔵庫導入へ至る連続性は具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    平均気温上昇で発酵管理が難しくなった点や、海外需要の高まりを踏まえ、ふくよかな味わいという強みを活かす構成になっている。

  • 課題の認識と解決5

    温度管理の課題を明確に認識し、製造コスト30%削減、ストック量2倍、生産量倍増という数字で実効性が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産量の倍増や長期冷蔵貯蔵量2倍といった数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数5人と展示会参加の記述はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記載は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ふくよかな味わい・甘み・キレ、肉料理との相性という価値と、酒販店や専門店、輸出先という販売対象が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    今年の目標として海外展開を挙げ、欧州への拡販に注力すると書かれるが、遂行方法や中長期の検証過程は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高級酒の需要が高まっていることを背景に高級酒の製造が実現したとあるが、業界内での水準や市場普及度は具体的ではない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    温暖化による発酵管理の困難や海外販路拡大への言及はあるが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果4

    製造コスト30%削減、電気料金13.2%削減、ランニングコスト35%削減など費用対効果を示す数字が複数示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    発酵温度と貯蔵環境をデジタル管理する仕組みは書かれているが、地域やサプライチェーン全体への貢献は示されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    海外需要の高まりに対応し、安定した品質で出荷できる体制を目指す点はうかがえるが、産業構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    上越産の日本酒という地域性は示されるが、地域の雇用や経済成長を牽引する効果については具体的な記述がない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今年の目標は海外展開で、アメリカ、シンガポール、香港に国内のバイヤーを通じて輸出している。今後はインバウンドが増えるなかでヨーロッパ圏での拡販に注力する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。