吟醸酒の高品質化、安定生産を可能にする工程設計と試作開発
市販吟醸酒の醸造から瓶詰・貯蔵までの工程に、全国新酒鑑評会出品の大吟醸酒の技術的要件を応用する形で設備を導入した。
丸石醸造株式会社
成果売上(最も売上の低かった時期比) 1倍→1.5倍
| 事業者名 | 丸石醸造株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 愛知県 岡崎市 |
| 業種 | 飲料・たばこ・飼料製造業 |
| 技術分野 | 製造環境 |
| 従業員数 | 12人 |
| 資本金 | 1,000万円 |
| 設立 | 1947年 |
当社は普通酒を造る蔵だったが、大手酒メーカーが紙パックの低価格帯の酒を販売したことで販売量が伸び悩んでいた。酒販店の新酒の販売時期も変わりつつあり、どこよりも早く新酒しぼりたてを市場に出したいという要望が増え続けていた。常に新しい商品を求められ、一定の銘柄に捉われていないのが現状で、市場のニーズに対応するため特定名称酒蔵へ移行することを決断した。
抱えていた課題
やったこと
特定名称酒を安定して造るため、温度管理に必要な設備を平成26年度補正ものづくり・商業・サービス革新補助金を活用して導入した。醪を圧搾する薮田式自動醪搾機一式と、醪圧機を覆う冷蔵設備を導入し、しぼり機を冷蔵庫で囲うことで低温管理を可能にした。発酵工程ではサーマルタンクにより外気温に影響されない安定した発酵管理を行い、しぼりの工程も低温で管理できるようにした。さらに「味」と「香」、「酸」と「旨」、「重」と「軽」、「甘」と「辛」といった二律背反する要素のバランスを試行錯誤し、酒造りに合う「雄町」と「山田錦」の二つの米を選んで特定名称酒「二兎」を完成させた。
| 加工機 | 薮田式自動醪搾機一式 |
|---|---|
| その他 | 醪圧機を覆う冷蔵設備 |
新しい製品・サービス:特定名称酒「二兎」
冷蔵設備と醪圧搾機の導入により、特定名称酒の温度管理が可能となり、酒質の安定と向上に成功した。これにより、落ち込んでいた売上も上昇し始めた。「二兎」は人気を博して地元の様々な飲食店で扱われるようになり、国内のみならず海外への販売も行うなど販路が拡大した。
いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています
普通酒蔵から特定名称酒蔵への移行を決断したと書かれ、過去の一般酒製造からの方向転換は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの詳細は薄い。
大手の低価格紙パック酒に販売が伸び悩んだこと、新酒の時期変化や一定銘柄に捉われない顧客ニーズへの対応は書かれているが、競争優位の根拠は具体性が薄い。
温度管理が課題と特定され、冷蔵囲いの設備導入で低温管理を実現し、売上が最も低かった時期の1.5倍程度まで回復したと書かれている。
売上が1.5倍程度まで回復したとの記述はあるが、今後の付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。
従業員12人の蔵で、設備導入後も岡崎市の農家との契約計画など体制の一端はうかがえるが、事務処理や補助事業の遂行体制の記述は薄い。
特定名称酒「二兎」が地元飲食店で人気を博し、海外販売も行うなど顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に書かれている。
移行当初は失敗も多かったが改善を重ね、冷蔵囲いで低温管理を実現したと書かれ、課題解決の方法は読み取れるがスケジュールは不明。
公開されている事例からは読み取れません。
特定名称酒「二兎」は、雄町と山田錦の二つの米を選ぶなど、同じ分野の中で高付加価値化を図る商品として書かれている。
地元岡崎市の農家と契約して市産酒米を作る計画があり地域経済への寄与はうかがえるが、国が補助する積極的理由は書かれていない。
補助金投入額と付加価値増加の関係は書かれていないが、売上回復の結果がわずかにうかがえる。
公開されている事例からは読み取れません。
公開されている事例からは読み取れません。
岡崎市産の酒米を使う計画で地元の材料のみによる酒造りを目指すと書かれ、地域特性の活用が読み取れるが、雇用面の記述は薄い。
5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。
地元岡崎市の農家と契約して岡崎市産の酒米を作る計画を立てており、実現すれば地元の材料のみでの酒造りが可能になる。今後も顧客ニーズに応えつつ、更に新商品の開発に力を入れて知名度向上を図っていく。
市販吟醸酒の醸造から瓶詰・貯蔵までの工程に、全国新酒鑑評会出品の大吟醸酒の技術的要件を応用する形で設備を導入した。
株式会社キーエンスの画像寸法測定器IM-6700を導入し、技術担当者から操作方法の訓練を受けた。
効果:測定時間 5分→0.004分
日本酒づくりで手作業だった「ろ過」の工程を機械化するため、中空糸式ろ過機と中空糸膜SFフィルターを導入した。
効果:温度管理が0.5度の精度でできるようになった