ものづくり補助金平成27年度製造業新潟県

新発田名産「麩」の高性能設備導入における職人の育成と生産能力拡大

有限会社宮村製麩所

成果1日の生産個数(新発田名産麩) 10,140個→11,674個

この事例のポイント

  • 職人の高齢化と設備の老朽化により生産能力が限界に達し、増加する需要に供給が追いつかない。
  • 本事業では3つの機械を導入し、手作業で行っていた製造工程を自動化した。
  • 1日の生産個数(新発田名産麩) 10,140個→11,674個。生産性が向上し、供給が間に合わない状況が改善された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社宮村製麩所
所在地新潟県 新発田市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数13人
資本金900万円
設立1963年

事業の背景

当社は明治35年に新潟県新発田市で創業し、『車麩』や『新発田麩』を看板商品として製造販売している。販売先は新発田・新潟周辺の小売店、観光地、卸問屋、新潟物産展が中心である。近年は麩が健康食品として注目され、インターネット経由で全国から注文が年々増えているが、職人の高齢化と設備の老朽化により需要に追いつけない状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力職人の高齢化と設備の老朽化により生産能力が限界に達し、増加する需要に供給が追いつかない。
  • 人手・技能製造工程が手作業主体で作業時間が長く、労働環境の改善と職人の育成が必要だった。

やったこと

本事業では3つの機械を導入し、手作業で行っていた製造工程を自動化した。焼麩釡用温度調節器を導入して職人の勘に頼っていた温度管理を自動化し、作業効率の向上を図った。多枚切車麩切断機は一度に切断でき、高さをムラなく均一化できる機械で、労災リスクの低減にもつながった。大型練り機は期間内には間に合わなかったが、その後導入され、車麩と新発田麩を同時に生産できる性能がある。機械導入に合わせて工場の生産ラインのレイアウトを変更し、車麩と新発田麩を別の日ではなく同日に生産できるようにした。

加工機多枚切車麩切断機
その他焼麩釡用温度調節器
加工機大型練り機

事業の効果

  • 1日の生産個数(新発田名産麩) 10,140個→11,674個
  • 1ヶ月の延べ生産日数 21日→37日
  • 作業時間 11時間→8時間
  • 1ヶ月の生産個数 41,730個→111,404個
  • 不良品率 20%→5%
  • フードロス率 5%→2%

生産性が向上し、供給が間に合わない状況が改善された。1日の生産個数は約1.2倍、1ヶ月の生産個数は約2.7倍になり、特に主力の新発田麩とおしぶの生産性が大きく高まった。作業時間は1日3時間短縮され、労働環境の改善により従業員の就労意識が高まり、職人の育成が可能になった。不良品率とフードロス率も改善し、品質の向上も達成した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    需要に供給が追いつかない課題や生産能力拡大の目的は読み取れるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    県外・インターネット通販への販路拡大や若年層向け小容量商品の投入はうかがえるが、競争優位性の根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    需要に対し供給が間に合わない課題を、1日生産個数10,140個から11,674個(1.2倍)などの数字で示し、解決策を明確にしている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産個数の2.7倍(41,730個から111,404個)や作業時間11時間から8時間への短縮など、数字つきの目標達成が示されている。

  • 事業を進める体制2

    職人の育成に触れているが、補助事業を遂行する体制や人材の具体的な確保方法は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    麩の健康食品としての人気や若年層への提案はうかがえるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    大型練り機の導入が期間内に間に合わなかったなど課題に触れるが、中長期の検証やスケジュールの詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    新発田麩の生産性が2.3倍、おしぶが3.4倍と高まり、不良品率20.0%から5.0%への改善も示されるが、市場での希少性は読み取れない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域特産の新発田麩の生産維持に触れるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果5

    補助事業の中で生産個数2.7倍、不良品率15.0ポイント改善、作業時間3時間短縮など、投入に対する効果が数字で明示されている。

  • イノベーションへの貢献1

    先端的なデジタル技術やビジネスモデルの活用は書かれておらず、読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    新潟県新発田市の名産「麩」を生産する地域の事業として読み取れるが、地域経済の牽引への具体的な言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

包装工程に手間がかかっており、包装の自動化など省力化をさらに進めたい考えである。今後は海外での販売も視野に入れている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。