ものづくり補助金平成27年度製造業新潟県

大面積磁気イメージングプレート量産条件確立のための設備導入計画

株式会社 オフダイアゴナル

成果作業時間(10枚あたり) 86時間→2時間

この事例のポイント

  • 大面積磁気イメージングプレートの量産製造条件が確立されておらず、製品として生産できなかった。
  • ガラス基板上にガーネット薄膜を成膜する大面積磁気イメージングプレートを、有機金属分解(MOD)法で製造する体制を整えた。
  • 作業時間(10枚あたり) 86時間→2時間。手作業だった製造が自動化され、10枚分の作業時間は86時間から2時間へ大幅に減少した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 オフダイアゴナル
所在地新潟県 長岡市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野材料製造プロセス,測定計測,複合・新機能材料
従業員数3人
資本金500万円
設立2015年

事業の背景

当社の磁気イメージングプレートは、長岡技術科学大学の研究シーズに基づく大面積で磁気イメージングが可能な材料である。ハイブリッド自動車や電気自動車などで磁性材料や電磁界技術の利用が増え、品質検査に使える磁気イメージング技術のニーズが年々高まっている。従来市販品は液相エピタキシャル法などで作られるため大面積化が困難で、φ3インチが最大かつ非常に高価であった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大面積磁気イメージングプレートの量産製造条件が確立されておらず、製品として生産できなかった。
  • コスト・採算手作業による製造では、作業者が付きっきりで作業する必要があり、10枚の製造に86時間を要していた。
  • 品質・精度手動による滴下ではMOD溶液の状態が一定せず、スピンコーターで塗布ムラなどの不良が発生していた。

やったこと

ガラス基板上にガーネット薄膜を成膜する大面積磁気イメージングプレートを、有機金属分解(MOD)法で製造する体制を整えた。導入した設備は、超精密スピンコーター、塗布と仮焼成までの工程を繰り返すための塗布乾燥焼成自動搬送装置、本焼成用の卓上マッフル炉である。基本製法は大学研究室で確立済みの技術を活用し、本事業で量産条件を確立した。

その他超精密スピンコーター
ロボット塗布乾燥焼成自動搬送装置
加工機卓上マッフル炉

新しい製品・サービス:MOイメージングプレート(大面積磁気イメージングプレート)、MOイメージングパネル、MOイメージングボックス

事業の効果

  • 作業時間(10枚あたり) 86時間→2時間
  • 生産数(1日16時間あたり) 1枚→2枚
  • 1枚当たりの人員コストで97%の削減効果
  • 改善数で30%の向上を達成

手作業だった製造が自動化され、10枚分の作業時間は86時間から2時間へ大幅に減少した。夜間の自動稼働が可能になり、1日あたりの生産数は1枚から2枚へ2倍になった。1枚あたりの人員コストは97%削減され、滴下工程の機械化により塗布条件が安定して歩留りも30%向上した。大面積磁気イメージングプレートの量産条件を確立し、安定的な生産が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    大学研究室のシーズを基に磁気イメージングプレートを開発し、製品化を目指すと書かれており、事業との関連は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    市販品はφ3インチが最大で非常に高価とあり、MODによる大面積化が可能な点を強みとして示しており、競合との違いが具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    量産条件が確立されていなかったという課題と設備導入による解決は書かれているが、売上や付加価値の目標数値の記載は見当たらない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    10枚の作業時間が86時間から2時間へ97.7%削減、生産性2倍、歩留り30%向上と具体的数値が示されており、実現性の根拠が読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    従業員3人(役員)と記載があるのみで、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    磁性材料やモーター等のニーズ拡大、品質検査用途、応用製品の販売計画が具体的に書かれ、顧客ターゲットと製品の価値が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    平成29年4月から販売開始、応用製品の販売計画が示されているが、中長期の課題検証や詳細なスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    市販品はφ3インチが最大で高価とされ、MOD法による大面積化により高水準の性能を実現する点が示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    EVや電磁界技術の需要増加に触れているが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果4

    投入設備による作業時間97.7%削減、人員コスト97%削減、生産性2倍と費用対効果を示す数値が具体的に書かれている。

  • イノベーションへの貢献2

    大学研究シーズの活用や自動化は書かれているが、サプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルの記述は限定的である。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    ハイブリッド自動車、EV、リニアモーターカーなど成長分野への言及はあるが、構造転換への具体的な記述は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    新潟県長岡市の大学研究室との連携は読み取れるが、地域の経済成長や雇用への波及は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

平成29年4月からMOイメージングプレートの販売を開始した。今後はMOイメージングパネルとMOイメージングボックスの販売も計画している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。