ものづくり補助金平成27年度建設業新潟県

建築製材品トレーサビリティ導入事業

株式会社 太田材木店

成果表示作業時間 100%→33%

この事例のポイント

  • 県産材は他県のブランド化された材と比べて競争力で太刀打ちできず、販売を広げにくい。
  • 越後杉製材品の売上を拡大するため、製材品に立ち木の伐採から市場に出るまでの履歴、材の曲げ性能や含水率、色つや、等級などの情報を直接木肌に表示するトレーサビリティを導入した。
  • 表示作業時間 100%→33%。トレーサビリティ表示を機械印字に変えたことで作業効率が格段に向上し、同じ場所に印字できるため見た目も美しく仕上がるよう…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 太田材木店
所在地新潟県 柏崎市
業種総合工事業
従業員数17人
資本金1,000万円
設立1964年

事業の背景

株式会社太田材木店は注文建築と県産材を中心とする製材事業を営んでいる。県産材(主に越後杉)は他県材と比べて木地の色合いでやや劣るものの、材質は遜色なく、厳しい自然環境と深雪に耐えたことによる強度と粘りは他県材より優れている。しかし県産材の評価は高くなく、他産地のブランド化された材に対して競争力を持てない状況にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信県産材は他県のブランド化された材と比べて競争力で太刀打ちできず、販売を広げにくい。
  • 生産能力トレーサビリティ表示を透明フィルムに印刷して1本ずつ手作業で貼り付けており、手間がかかっていた。

やったこと

越後杉製材品の売上を拡大するため、製材品に立ち木の伐採から市場に出るまでの履歴、材の曲げ性能や含水率、色つや、等級などの情報を直接木肌に表示するトレーサビリティを導入した。従来は透明フィルムに印刷したものを1本ずつ手作業で貼り付けていたため、その表示を印字する機械としてインクジェットプリンターを導入し、木肌に直接印刷した。同時にQRコードの印刷も行い、将来的にQRコードから製材品のより詳しい情報を確認できるサービスを計画している。

加工機インクジェットプリンター

新しい製品・サービス:木肌に直接トレーサビリティ情報とQRコードを印字した建築製材品

事業の効果

  • 表示作業時間 100%→33%
  • 建築製材品売上(昨年比) 100%→105%

トレーサビリティ表示を機械印字に変えたことで作業効率が格段に向上し、同じ場所に印字できるため見た目も美しく仕上がるようになった。県産材の差別化と利用促進が進み、越後杉の販路拡大が期待できる。4月〜7月の建築製材品の売上は昨年比約5%伸び、特に柱(越後長次郎杉)は追加注文を受けて在庫が追いつかない状況が続いている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    県産材の差別化・ブランド化と建築業と並存する製材事業の売上進展が目的と書かれており、経営上の位置づけは読めるが過去の取組との連続性は書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    他県材との比較で県産材は材質に強みがある一方、評価が低いと記載。強みを活かした差別化の方向性は読み取れるが、市場データは示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    県産材の評価が低いという課題認識と、トレーサビリティによる差別化という解決策は書かれているが、高付加価値化の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値の創出や賃上げの目標値は記載がなく、売上は昨年比約5%の伸びという実績のみ。目標値としての実現可能性は判断できない。

  • 事業を進める体制3

    既存の手作業表示からプリンター導入へ移行した経緯や、作業時間1/3という実施体制の一端は読めるが、人材や事務体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    木肌に曲げ性能や含水率、等級などを直接表示する価値と、柱材への追加注文が続く状況が書かれ、選ばれる理由が具体的に読める。

  • 事業化までの道筋3

    QRコードによる詳細情報提供やITの利活用を将来計画として記載しているが、スケジュールや課題解決の方法は明示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    木材へのトレーサビリティ直接印字は一般的ではない取組と読めるが、普及度や高付加価値化の水準を示す数値は書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    県産材の需要拡大や国産材全体を見直す空気の醸成が期待されると記載があるが、波及効果の定量的な根拠は示されていない。

  • 費用対効果2

    作業時間が1/3に短縮されたと書かれるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    QRコードや位置情報・産地画像とのリンクなど、ITを使った情報提供を計画として挙げているが、サプライチェーン全体への貢献は具体化されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    新潟県柏崎市の県産材(越後杉)を活かし、地域材の評価向上と販路拡大を図る取組で、地域特性を活かした事業が具体的に読める。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

QRコードから製材品の詳しい情報を確認できるサービスを計画し、ITの利活用として産地の画像や位置情報とのリンクも検討している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。