ものづくり補助金平成24年度宮城県

ダイレクト加飾システムによる特注部品対応

明治合成株式会社

この事例のポイント

  • 医療機器分野の試作品で求められる凹凸部や特殊素材への加飾を行う方法が確立されていなかった。
  • UVインクジェットプリンター、寸法測定器、色差測定器等を導入し、機器メーカーの協力のもと機器使用技術を習得した。
  • 評価基準として形状・寸法、色目(色彩)、加飾膜の3項目で評価を行い、いずれも良好な判定が得られた。

事業者のプロフィール

事業者名明治合成株式会社
所在地宮城県 大崎市
業種プラスチック製品製造業
技術分野金型
従業員数116人
資本金2,000万円
設立1969年

事業の背景

近年、ベンチャー企業の試作開発などによる小ロットの案件が増え、製品にデザイン性やカラーを求めるニーズが高まっていた。医療関連顧客から「人に違和感を与えない、親和性の高い試作品にしたい」との声が寄せられたことをきっかけに、新たな加飾システムの導入を検討した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術医療機器分野の試作品で求められる凹凸部や特殊素材への加飾を行う方法が確立されていなかった。
  • 生産能力プリンターによる加飾そのものの工業的評価が未知数であった。
  • 人手・技能加飾システムの管理手法を構築する必要があった。
  • 納期・工程小ロット・短納期・多品種に効率よく対応できる加飾方法が求められていた。

やったこと

UVインクジェットプリンター、寸法測定器、色差測定器等を導入し、機器メーカーの協力のもと機器使用技術を習得した。試作までの日数を短縮するため、サンプルの受け治具の設計や印刷位置の割り出しを事前に行った。プリンターで加飾したサンプルの寸法と色調の変動を測定し、そのデータに基づいて加飾システムの管理手法を構築した。小型スイッチコントロールユニットの3D加飾モデルを設計し、切削加工による形状確認を経て、射出成形品の金型を作製して成型し、加飾を行って評価用サンプルを作製した。

加工機UVインクジェットプリンター
検査測定寸法測定器
検査測定色差測定器

新しい製品・サービス:凹凸部をも含めた直接加飾を可能にするUVインクジェットプリンターによるダイレクト加飾システム

事業の効果

評価基準として形状・寸法、色目(色彩)、加飾膜の3項目で評価を行い、いずれも良好な判定が得られた。これにより医療機器分野へのプリンター適用が可能と判断し、技術提案パンフレットを作成して営業部門の営業ツールとした。既存顧客からは試作加飾や量産加工に結びついた案件も生まれ、既存加飾技術では対応できない形状への加飾が可能な新たな加工方法として打ち出せた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の精密プラスチック成形から医療機器分野への展開を目指す流れは読めるが、経営戦略上の位置づけの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    小ロット・短納期の需要増、医療関連顧客の声、凹凸部への直接加飾という強みを結びつけて記述している。

  • 課題の認識と解決4

    資金リスクや受け身型からの転換という課題を認識し、提案力強化につなげる方針を示している。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの具体的な目標値は見当たらず、受注拡大の方向性がうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制4

    従業員116人、機器メーカーの協力による習得、評価基準の外部情報提供など遂行体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機器分野向けに形状・寸法・色目・加飾膜の3項目で評価し、顧客ニーズの裏付けを示している。

  • 事業化までの道筋4

    サンプル作成、評価、営業活動、多色加飾や大物対応への段階的な開発計画が示されている。

  • 財務と資金の調達2

    導入に資金的リスクが伴うことが書かれ、補助事業でそのリスクを避けたとあるが、資金調達の見込みは示されていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    凹凸部への直接加飾は既存技術で対応できない形状への新しい加工方法としてアピールされている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果2

    補助金投入額や付加価値増加の数値は示されず、費用対効果はうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献3

    UVインクジェットによるダイレクト加飾を量産工程に取り込み、新しい加工方法として提案する点は読み取れる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療機器分野への進出は示されるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    宮城県の産業技術総合センターと連携しているが、地域の雇用や経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

医療機器開発分野で、まずはスイッチボタンなどの小物製品の受注に結び付け、単色加飾から開始する。生産技術部門では多色加飾、大物製品対応、グラデーション加飾の開発に着手し、新製品へのダイレクト加飾用加工機の開発も進める。受け身型メーカーから提案型メーカーへの転換を目指している。

事業者の声

とにかくトライしてみる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。