ものづくり補助金平成27年度製造業富山県

昆布じめ刺し身の審美性を追求し販路拡大を実現するための急速冷凍及び冷凍保管技術の高度化

株式会社かねみつ

成果売上 100%→120%

この事例のポイント

  • 原料の在庫数を増やせず、黒かじきなどを十分に仕入れて保存することができなかった。
  • 約20帖の広さがある急速冷凍庫を導入した。
  • 売上 100%→120%。急速冷凍庫の導入により、魚介を入れてから10分もかからずに冷凍でき、鮮度を維持できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社かねみつ
所在地富山県 魚津市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数23人
資本金1,000万円
設立1974年

事業の背景

当社は昭和49年に昆布じめ刺し身を専門に製造販売する会社として創業し、昭和53年に有限会社となり、平成6年に株式会社かねみつに社名を変更した。平成27年度にはものづくり技術分野で水産庁長官賞を受賞し、28年度には「こぶじめ・ひとりじめ」が「おみやげグランプリ2017」で全国最高賞のグランプリを受賞している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力原料の在庫数を増やせず、黒かじきなどを十分に仕入れて保存することができなかった。
  • 品質・精度冷凍庫の設定はマイナス20℃が限度で、魚介を急速に冷凍できず鮮度が落ちやすかった。
  • 人手・技能製造工場から離れた場所の冷凍庫で原料を保存していたため、移動・運搬に時間と労力がかかっていた。

やったこと

約20帖の広さがある急速冷凍庫を導入した。冷凍庫内は常にマイナス35~40℃に保たれ、内部の2つのプロペラで原料に冷たい風を当てて急速冷凍する。マイナス20℃が限度だった従来の冷凍庫と比べ、冷却スピードと冷凍能力が格段に上がった。製造工場内に設置したことで、原料の移動・運搬の手間も減らした。

加工機急速冷凍庫

事業の効果

  • 売上 100%→120%

急速冷凍庫の導入により、魚介を入れてから10分もかからずに冷凍でき、鮮度を維持できるようになった。黒かじきなどの原料在庫を増やせるようになり、お盆や年末年始の需要期にも欠品させず商品を安定して提供できるようになった。大手スーパーからの受注も増え、売上は導入前と比べて120~130%アップした。製造工場内に導入したことで原料の移動や運搬の手間が減り、作業効率も上がった。富山県内や県外の旅館・レストランにも新鮮な魚介を卸せるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    昆布じめ専門での創業以来の事業に沿い、過去のスモーク商品の取扱い中止経緯にも触れるが、戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    平成28年度おみやげグランプリで全国最高賞を受賞した点が強みとして示されるが、市場動向との関係は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    マイナス20℃が限度だった旧冷凍庫と比べ、10分以内の冷凍など課題と効果が数値とともに明確に示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上が導入前と比べ120~130%増と成果は示されるが、今後の高付加価値化や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    資本金1,000万円、従業員23人の記載はあるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の説明はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    富山湾の魚介を新鮮に県外の旅館・レストランへ届ける方針と、大手スーパーからの受注があり、顧客と価値が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は県外への提供や商品展開を述べるだけで、中長期の検証や実施スケジュール、課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金1,000万円の記載のみで、財務状況や金融機関からの資金調達の見込みについては書かれていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    江戸時代から伝わる郷土料理の昆布じめ刺し身を30種類以上製造するとあるが、同分野での高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    県内外の旅館・レストラン・大手スーパーへの販路拡大を通じ、富山の海産物の流通に寄与する点は読み取れるが、国が補助する理由は弱い。

  • 費用対効果3

    投入額や費用対効果を示す数字はなく、売上増加率と作業効率向上の記述にとどまり、補助金効果の大きさは判断しにくい。

  • イノベーションへの貢献2

    導入機器は急速冷凍庫で、デジタル技術や新たなビジネスモデルの活用は記載されていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    県外販路への展開が述べられるが、成長分野への進出や日本経済の構造転換に資する内容は読み取れない。

  • 地域経済への波及4

    地元の海の幸を使い、魚津の漁師や富山の魚介を県内外へ届ける点で、地域特性を活かした事業であることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

江戸時代から伝わる富山の郷土料理・昆布じめ刺し身に加え、富山の海の幸を新鮮な刺し身として県外の消費者に提供していく考えである。

事業者の声

老舗としての誇りをもち、お客様により良い商品を提供できるように安全、安心を第一に品質・衛生管理を徹底して、当社の商品を通して食卓に笑顔を届けられるよう、企業としての努力を続けていきたい。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。