ものづくり補助金平成27年度製造業福井県

医薬品カプセル用金型製造の精度と生産能力の向上による競争力強化

大成精工株式会社

成果1個の加工品のデータ作成に4〜8時間を要していたが、1/3以下に短縮

この事例のポイント

  • MCの回転不足などにより、ユーザーの求める加工精度や納期対応が困難な状況だった。
  • データ作成の作業時間を従来の1/3に短縮できる3次元CAD・CAMシステムと、高精度の加工が可能になる高性能形加工機を導入した。
  • 1個の加工品のデータ作成に4〜8時間を要していたが、1/3以下に短縮。高精度の加工が可能になり、加工精度と生産能力が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名大成精工株式会社
所在地福井県
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,精密加工

事業の背景

同社はワイヤーカット加工・放電加工の専門業者として設立以来25年、眼鏡、半導体、自動車、航空機を中心に事業を展開し規模を拡大してきた。近年は加工技術の進歩により、高い精度と面が滑らかな高面粗の特性をもつ医薬品カプセル用の金型製造を行っている。医薬品カプセル用の金型は多品種かつ厳しい品質管理が求められる。医療産業は長寿国日本において成長分野の一つであり、医薬品用関連メーカーは全国に1,200社ある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力MCの回転不足などにより、ユーザーの求める加工精度や納期対応が困難な状況だった。
  • 人手・技能3次元加工データの作成に長時間を要していた。
  • 生産能力高精度の加工を県内外への外注に頼っており、課題となっていた。

やったこと

データ作成の作業時間を従来の1/3に短縮できる3次元CAD・CAMシステムと、高精度の加工が可能になる高性能形加工機を導入した。高性能形加工機は自社製NC機器と独自のサーボ制御技術、高精度駆動部品を搭載し、広ストロークピッチ加工の高精度化を実現した機械である。加工速度は最大で40%向上した。3次元CAD・CAMシステムは従来の2.5面加工データより進んだ3次元多面加工データの作成が可能で、これまで1個の加工品のデータ作成に4〜8時間を要していたものを1/3以下に短縮した。導入後は、従来外注していた切削・旋盤加工と高精度・高精密加工を内製化し、社内一貫生産を実現した。

新しい製品・サービス:医薬品カプセル用の金型製造(高面粗の特性を持つ高精度金型)

事業の効果

  • 1個の加工品のデータ作成に4〜8時間を要していたが、1/3以下に短縮
  • 加工速度が最大で40%向上
  • 作業時間を従来の1/3に短縮

高精度の加工が可能になり、加工精度と生産能力が向上した。社内一貫生産を実現し、安定した生産量を確保できた。高精度金型の納品や試作部品の短期完成も可能となり、医療用医薬品市場での営業幅も広がった。半導体、自動車、航空機に次ぐ4本目の柱として事業拡大を狙う。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性25年の放電・ワイヤカット事業の実績を背景に、医薬品カプセル用金型へ展開し、半導体・自動車・航空機に次ぐ4本目の柱と位置付けている。
  • 4
    課題の認識と解決MCの回転不足や3次元データ作成の長時間化という課題を示し、導入設備で解決して社内一貫生産を実現したと書かれている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標データ作成時間を1/3以下に短縮、加工速度最大40%向上と数値目標と結果が示されている。ただし付加価値額や賃上げの目標は読み取れない。

伸びしろがあった観点

  • 2
    地域経済への波及地域の雇用創出や地域経済成長への言及は見られず、県内外への外注を内製化した点がわずかにうかがえる程度。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    25年の放電・ワイヤカット事業の実績を背景に、医薬品カプセル用金型へ展開し、半導体・自動車・航空機に次ぐ4本目の柱と位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    医薬品関連メーカーが全国に1,200社あると記載があるが、競争優位や自社の強み・弱みの詳細な分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    MCの回転不足や3次元データ作成の長時間化という課題を示し、導入設備で解決して社内一貫生産を実現したと書かれている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    データ作成時間を1/3以下に短縮、加工速度最大40%向上と数値目標と結果が示されている。ただし付加価値額や賃上げの目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    従業員一人一人の技との融合や長年のノウハウに言及があるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医薬品カプセル用金型で高精度・高面粗の特性を持つ点、メーカーが求める高精度金型と試作部品の短期完成が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    医薬品金型を基軸に実績を積みながら事業拡大を狙うとあるが、遂行スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    医薬品カプセル用の高精度・高面粗金型は多品種かつ厳しい品質管理が求められる分野で、同分野で高付加価値化を図る内容と読み取れる。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    医療産業は長寿国日本の成長分野と述べられるが、波及効果や雇用創出の具体的な数字・記述は薄い。

  • 費用対効果3

    データ作成時間の短縮や外注の内製化による効果は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3次元CAD・CAMや高性能形加工機というデジタル技術の活用は読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献の記述は薄い。

政策面2.5
  • 成長分野への進出3

    医療産業が成長分野と述べられ、加工業の新分野への進出が示されるが、日本経済の構造転換への言及は具体性が薄い。

  • 地域経済への波及2

    地域の雇用創出や地域経済成長への言及は見られず、県内外への外注を内製化した点がわずかにうかがえる程度。

今後の展望

医薬品金型を基軸に実績を積みながら事業を拡大していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。