ものづくり補助金平成27年度製造業福井県

超高密度シャトル織ネームの開発と革新的な生産管理体制の確立

株式会社松川レピヤン

この事例のポイント

  • 取引先から、より高品質な織ネームの開発が求められていた。
  • 生産性と精度を兼ね備えたPC搭載型シャトル織機を6台導入した。
  • 最新型シャトル織機の導入により、肌ざわりが柔らかくデザインの再現性も高い織ネームが開発できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社松川レピヤン
所在地福井県 坂井市
業種繊維工業
技術分野材料製造プロセス
従業員数65人
資本金1,000万円
設立1988年

事業の背景

松川レビヤンは衣料品に使われるブランドタグなどの織ネームを製造しており、業界の先頭を切って最新の設備や技術を導入してきた。約20年前からは、シャトル織からデザインの表現性に優れたレビア織専門工場に切り替えていた。近年は製品のクオリティにこだわる取引先から、より高品質な織ネームを求められるようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度取引先から、より高品質な織ネームの開発が求められていた。
  • 品質・精度シャトル織は肌ざわりが良い一方で、デザインの再現性が課題となっていた。
  • コスト・採算超高密度織は糸が切れやすく製織難度が高いため、生産管理が難しかった。

やったこと

生産性と精度を兼ね備えたPC搭載型シャトル織機を6台導入した。超高密度織では通常の3分の1の細さ(50デニール)の糸を使用する。最新の生産管理ソフトを織機とネットワーク接続し、稼働状況をリアルタイムで監視・分析できるようにした。あらかじめ入力した情報から生産スケジュールが自動で組まれ、事務所のPCでカレンダー形式により確認できる。通常密度と超高密度で試験製織を行い、超高密度タイプの方が筆記体のロゴをデザイン通りにきれいに表現できることを確認した。

新しい製品・サービス:超高密度シャトル織ネーム

事業の効果

最新型シャトル織機の導入により、肌ざわりが柔らかくデザインの再現性も高い織ネームが開発できた。高単価で原価率の低い製品となり、売上げと利益率の大幅な向上が見込まれる。生産管理が難しい超高密度シャトル織ネームを安定して製造できるようになり、取引先への対応力が向上した。織機の稼働状況を事務所のPCで確認できるため、従業員の作業効率も上がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性大正14年創業で、約20年前からシャトル織からレビア織へ切り替え、今回シャトル織を再導入するなど、過去の取組との一貫性が読み取れる。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性強みの超高密度織・高解像度織を生かし、織りによるQRコードの読み込みに成功したと記載され、自社技術の優位性が具体的に示されている。
  • 4
    課題の認識と解決取引先から求められる高品質化と納期対応という課題を示し、超高密度織の量産化で高付加価値化を図る方針が書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標売上げと利益率の大幅な向上が見込めるとあるが、具体的な数値目標は示されておらず、実現可能性は判断できない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    大正14年創業で、約20年前からシャトル織からレビア織へ切り替え、今回シャトル織を再導入するなど、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    強みの超高密度織・高解像度織を生かし、織りによるQRコードの読み込みに成功したと記載され、自社技術の優位性が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    取引先から求められる高品質化と納期対応という課題を示し、超高密度織の量産化で高付加価値化を図る方針が書かれている。

事業の実現可能性2.4
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上げと利益率の大幅な向上が見込めるとあるが、具体的な数値目標は示されておらず、実現可能性は判断できない。

  • 事業を進める体制2

    工場長の関与は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    肌ざわりの良さやデザイン再現性3倍、高単価・低原価率という製品価値は読み取れるが、顧客ターゲットの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    量産化と海外への販路拡大が挙げられているものの、遂行方法やスケジュール、課題の解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    超高密度織ネームは通常の3分の1の細さの糸を使い、デザイン再現性が従来の3倍とされ、同分野で高付加価値化を図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    産地の活性化や新たな雇用創出が期待されると記載があるが、経済波及効果を定量的には示しておらず、国が補助する理由は限定的である。

  • 費用対効果2

    補助金額や投入額に対する付加価値額の増加率などの数値は示されず、費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献3

    IoTによる生産管理や稼働状況のリアルタイム監視が導入され、産地の活性化に寄与するとあるが、サプライチェーン全体への波及は薄い。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    海外への販路拡大や織物の新分野展開がうかがえるが、経済社会の構造転換に資するという記述は明確ではない。

  • 地域経済への波及4

    丸岡町で国内シェア80%の織ネーム生産を担い、産地の活性化や新たな雇用創出に寄与すると明記され、地域特性を活かした事業が読み取れる。

今後の展望

超高密度シャトル織ネームの量産化により、他社との差別化を図るとともに海外への販路拡大も見込んでいる。日本の織ネーム業界に刺激を与え、産地の活性化や新たな雇用の創出も期待されている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。